DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

ポストシーズン速報(11.11)

プレーオフ(KT-トゥサン):第3戦 予告先発

 トゥサンが2勝したプレーオフ第3戦は11月12日18時半より中立地・高尺スカイドームにて開始される。予告先発トゥサンアルカンタラ(※ 31試合・20勝2敗・防御率2.54)、KTエバ(※ 27試合・10勝8敗・防御率4.10)と発表された。トゥサンが勝利すればレギュラーシーズン優勝・NCとの韓国シリーズ(11月17日に第1戦を予定)へ進出し、KTが勝利すれば決着は11月13日の第4戦以降に持ち越される。
 
※ 2020年レギュラーシーズンの成績。

 

(文責:ふるりん

ポストシーズン速報(11.10)

トゥサン、プレーオフ2連勝

 2020年 プレーオフ 第2戦

トゥサン 4-1 KT  (ソウル・高尺)

(勝)パク・チグク 1勝  (セーブ)イ・ヨンハ (敗)デスパイネ 1敗

本塁打) KT : ロハス 1号 

 

 トゥサンが第1戦で勝利したプレーオフ第2戦も、中立地の高尺スカイドームに大勢の観客を集めて開始された。

 

 KTは1回裏にトゥサンの先発チェ・ウォンジュンから先頭の1番チョ・ヨンホが二塁打で出塁し3塁まで進むも無得点に終わった。トゥサンは2回表にKTの先発デスパイネから4番キム・ジェファン、5番ホ・ギョンミンの連打でチャンスを作ると、6番パク・セヒョクのタイムリーで1点を先制した。KTは2回裏に5番ユ・ハンジュン、7番パク・キョンス、8番ペ・ジョンデのヒットで満塁とするも、9番シム・ウジュンが併殺打に倒れまたもや無得点だった。トゥサンは3回表にキム・ジェファンのタイムリーで1点を追加した。

 KTは3回裏に3番ロハスのチーム史上ポストシーズン本塁打で1点を返し、トゥサンはここで2番手キム・ミンギュを登板させた。KTは4回裏にパク・キョンスがヒットで出塁するもペ・ジョンデが併殺打に倒れ、シム・ウジュンへの死球とチョ・ヨンホのヒットでチャンスを作るも、代わったトゥサンの3番手パク・チグクは無失点に抑えた。トゥサンは5回表に1番チョン・スビンと2番フェルナンデスの連打、3番オ・ジェイルへの四球で満塁とし、代わったKTの2番手ユ・ウォンサンからキム・ジェファンのタイムリーで2点を追加した。KTの3番手イ・ボグンは追加点を与えなかった。

 トゥサンは6回表に先頭の9番パク・コヌがヒットで出塁するも、代わったKTの4番手チョ・ヒョヌは追加点を与えなかった。トゥサンの3番手パク・チグクは6回裏途中まで無失点に抑えた。トゥサンは7回表にKTの5番手チョン・ユスからキム・ジェホの二塁打でチャンスを作るが、代わった6番手チュ・グォンは追加点を与えなかった。トゥサンの4番手ホン・ゴンヒィは8回裏まで無失点に抑えた。KTの7番手キム・ジェユンは9回表に追加点を与えなかった。

 KTは9回裏にトゥサンの5番手イ・ヨンハから先頭のパク・キョンスが四球で出塁するも無得点に終わり、トゥサンが勝利しプレーオフ2連勝となった。パク・チグクはプロ4年目にしてポストシーズン初勝利。トゥサン打線ではキム・ジェファンが3安打3打点と活躍。ポストシーズン初出場で苦戦するKTでは先発デスパイネが5回途中4失点で降板し、打線もチャンスを全く生かせなかった。

f:id:takefumif:20201110232337j:plain

3安打3打点と活躍したトゥサンのキム・ジェファン https://sports.news.naver.com/news.nhn?oid=018&aid=0004783018

 

 トゥサンが勝てばNCとの韓国シリーズに進出するプレーオフ第3戦は、高尺スカイドームにて11月12日18時半から開始される。

 

(文責:ふるりん

チョン・グヌ現役引退

 LGツインスは11月10日、チョン・グヌ内野手(38)の現役引退を発表した。

 右打ちのチョン・グヌは大学卒業後の2005年にSKへ入団、2006年より一軍に定着、主に攻撃的なチャンスメイカーの二塁手として2007年、2008年、2010年と3度のSKの韓国シリーズ優勝に貢献した。2008年北京オリンピックに韓国代表として出場、優勝により兵役免除の恩典を得た。2010年広州アジア大会、2013 WBCワールドベースボールクラシック)にも出場した。

 2013年シーズン終了後、初めてFA(フリーエージェント)となりハンファイーグルスへ移籍した。ハンファでも主力として活躍を続け、2015 WBSCプレミア12の韓国代表の優勝に貢献した。2019年シーズン終了後、余剰戦力を対象とした2次ドラフトでLGツインスから指名され移籍した。2020年シーズンは72試合に出場、打率.240、1本塁打、14打点、7盗塁の成績で、7月以降は出場機会が減っていた。プロ16年間の通算成績は1747試合に出場、打率.302、1877安打、121本塁打、722打点、371盗塁。

 

(文責 : ふるりん

 

キウム、ベテラン外野手イ・ヨンギュと契約

 キウムヒーローズは11月10日、イ・ヨンギュ外野手(35)と年俸1億ウォン、オプション5000万ウォンの最大1億5000万ウォンで契約した。

 左打ちの外野手イ・ヨンギュは高校卒業後2004年にLGツインスに入団、2005年にトレードでキアタイガーズへ移籍した。キアでは快足の1番打者として活躍、2008年北京オリンピックに韓国代表として出場、優勝に貢献して兵役免除の恩典を受けた。2009 WBCワールドベースボールクラシック)、2010年広州アジア競技大会にも韓国代表として出場、2012年には44盗塁で盗塁王の個人タイトルを受賞した。

 2013年シーズンオフにFA(フリーエージェント)となりハンファイーグルスへ移籍、主力として活躍し続け2015年WBSCプレミア12、2017 WBCにも韓国代表として出場した。2018年シーズン終了後、2度目のFAとなりハンファと再契約するも、2019年シーズン開幕前の3月に起用法をめぐって監督・コーチ陣と対立、チームの結束を乱したとして出場停止処分を課され、結局一軍出場のないまま同年のシーズンを終えた。2020年は120試合に出場、打率.286、1本塁打、32打点、17盗塁を記録するも、シーズン終了後に2年契約が終了したことでハンファはイ・ヨンギュと2021年以降の契約を結ばないことが報じられていた。プロ17年間の通算成績は1692試合に出場、打率.301、1850安打、25本塁打、483打点、363盗塁。

 

(文責 : ふるりん

ポストシーズン速報(11.9)

トゥサン、プレーオフ第1戦で接戦を制し先勝

 2020年 プレーオフ 第1戦

トゥサン 3-2 KT  (ソウル・高尺)

(勝)イ・ヨンハ 1勝 (敗)キム・ジェユン 1敗

 

 2020年ポストシーズンプレーオフへと進み、2015年の一軍参入以来初のポストシーズン進出を果たしたレギュラーシーズン2位:KTウィズと準プレーオフ勝者:トゥサンベアースとの対戦は中立地の高尺スカイドームで始まった。

 

 トゥサンは1回表にKTの先発の高卒新人ソ・ヒョンジュンから先頭の1番チョン・スビンが相手のエラーで出塁するが無得点に終わった。KTは1回裏にトゥサンの先発フレクセンから3番ロハスがヒットで出塁するもチャンスは拡大しなかった。さらに2回裏に5番チャン・ソンウと8番ペ・ジョンデのヒットでチャンスを作るも無得点に終わった。トゥサンは4回表に4番キム・ジェファンの二塁打でチャンスを作るも、こちらも無得点に終わった。フレクセンは5回裏に三者連続三振を奪うなど球威が衰えなかった。

 トゥサンは7回表に6番パク・セヒョクの安打、7番キム・ジェホへの四球でチャンスを作るが、ソ・ヒョンジュンから交代したKTの2番手チュ・グォンは無失点に抑えた。トゥサンは8回表にKTの3番手クエバスから代打チェ・ジュファンの死球、3番オ・ジェイルの内野安打でチャンスを作ると、代わったKTの4番手キム・ジェユンからキム・ジェファンのタイムリーで1点を先制し、5番ホ・ギョンミンのタイムリーで1点を追加した。KTは8回裏にフレクセンからペ・ジョンデへの四球、1番ファン・ジェギュンの安打でチャンスを作ると、代わったトゥサンの2番手イ・ヨンハからロハスへの敬遠で満塁とし、4番ユ・ハンジュンの2点タイムリーで2-2の同点に追いついた。なおこれはKTのチーム史上ポストシーズン初得点となった。

 トゥサンは9回表にキム・ジェユンから先頭のキム・ジェホがヒットで出塁すると、代走のイ・ユチャンが2塁へと盗塁を決め、送りバントで3塁まで進めた。ここで代わったKTの5番手チョ・ヒョヌから代打キム・インテのタイムリーで1点を勝ち越した。KTは9回裏にイ・ヨンハから先頭の6番パク・キョンスが内野安打で出塁するも送りバント失敗などでチャンスを拡大できず、トゥサンが接戦を制しプレーオフで1勝目をあげた。

f:id:takefumif:20201109213306j:plain

トゥサンは9回表、代打キム・インテのタイムリーで勝利 http://www.xportsnews.com/?ac=article_view&entry_id=1349452

 

 2019年など過去5年間で3度韓国シリーズで優勝し、ポストシーズンでの勝利の経験が豊富なトゥサンは先発フレクセンが8回途中まで2失点に抑え、終盤の勝負どころで着実に加点することができた。一方ポストシーズン初出場のKTでは高卒新人ソ・ヒョンジュンが7回途中無失点と好投し接戦に持ち込むことができたが、終盤の肝心な場面での継投の失敗やチャンスを生かしきれない拙攻など主導権を握れないまま終わった。

 

 プレーオフ第2戦は11月10日18時半から高尺スカイドームで開始され、予告先発はKTがデスパイネ(※35試合・15勝8敗・防御率4.33)、トゥサンがチェ・ウォンジュン(※42試合・10勝2敗・防御率3.80)と発表された。

※ 2020年レギュラーシーズンの成績。

 

(文責:ふるりん

プレーオフ:KTウィズ-トゥサンベアース、11月9日に第1戦

 2020年ポストシーズンプレーオフへと進み、レギュラーシーズン2位:KTウィズと準プレーオフ勝者のトゥサンベアース11月9日より全試合中立地の高尺スカイドームで対戦する。5戦3先勝制で先に3勝したチームが11月17日より韓国シリーズでレギュラーシーズン1位:NCダイノスと対戦し年間総合優勝を争う。

 

【2020年プレーオフ:KTウィズ-トゥサンベアース 日程】

全試合高尺スカイドームで開催

第1戦:11月9日18時半

第2戦:11月10日18時半

第3戦:11月12日18時半

第4戦:11月13日18時半

第5戦:11月15日14時

注:延長は15回までで引き分けの場合は翌日以降に再試合となる。

 

 第1戦の予告先発KTが高卒新人ソ・ヒョンジュン(※26試合・13勝6敗・防御率3.86)、トゥサンフレクセン(※21試合・8勝4敗・防御率3.01)と発表された。

※ 2020年レギュラーシーズンの成績。

 

プレーオフ展望】

 拡張により2015年に一軍参入を果たしたプロ野球10番目の球団は2017年まで3年連続最下位と戦力不足に苦しんだが、2018年に9位となり最下位を脱出すると2019年は6位と上昇気流に乗ってきた。そして2020年は7月から上位争いに加わり、し烈な2位争いを何とか勝ち抜いて初のポストシーズン進出となった。特にシーズン前半72試合の勝率(.535)と比べ後半72試合の勝率(.597)が高いのが特徴で、10球団1位だった。

 勢いに乗るKTではあるが、特殊な短期決戦で経験値が勝敗を大きく分ける初出場のプレーオフで、レギュラーシーズンと同じ戦いができるかは未知数である。近年では2013年のネクセン(現キウム)、2014年のNCともに初出場のポストシーズンでは勝ち抜けなかった。しかも相手は6年連続韓国シリーズ出場を狙う2019年を含め過去5年で3度の韓国シリーズ優勝と勝ち慣れているトゥサンベアースである。

 

 KT投手陣ではレギュラーシーズンで4名の先発投手が10勝以上を記録した。チーム最多勝は韓国1年目の外国人選手デスパイネ(15勝)で、リーグ最多の207回と3分の2を投げたイニングを稼げる投手である。韓国2年目の外国人選手エバも10勝と安定した成績を残した。韓国人選手では19歳の高卒新人ソ・ヒョンジュンが打線の援護にも恵まれ13勝を記録し、注目を集めた。特にトゥサン戦では6試合で3勝1敗、防御率2.51と比較的相性が良いため、プレーオフでは第1戦の予告先発の大役を任された。緊張せずに実力を発揮し経験豊富な打者が並ぶトゥサン打線を抑え込めるかが注目される。2年連続で10勝を記録した右腕ペ・ジェソンは24歳でポストシーズン初出場となり、活躍は未知数である。機能するかはさておき、4枚の先発がそろっているのは短期決戦では非常に大きい。

 リリーフではリーグ最多登板(77試合)、最多ホールド(31)の右腕チュ・グォンが中継ぎの柱として機能していた。25歳のチュ・グォンはポストシーズン初出場のため、ともに34歳で他チームでのポストシーズン出場経験のあるユ・ウォンサンイ・ボグンの2名の中継ぎの負担が増すかもしれない。左の中継ぎではチョ・ヒョヌが軸となっている。また抑えは6月からキム・ジェユンが務め21セーブを記録したが、これまたポストシーズンは30歳で初出場と不安が残る。

  

 攻撃陣の中心は本塁打(47)、打点(135)と打撃2部門で個人タイトルを受賞した外国人選手ロハスである。打率も.349と高くチャンスメークに徹することもでき、21歳の若き4番打者カン・ベッコ、ベテランのファン・ジェギュンユ・ハンジュンなどの打者たちも打点を稼ぐことができた。チームの躍進が著しかった2020年、特に成長を遂げたのはレギュラーシーズン全144試合に出場した外野手ペ・ジョンデである。俊足の1番打者として22盗塁を記録、特に9月から10月にかけて4試合もサヨナラ勝ちを決めるなど勝負強さも光った。また下位打線では正捕手チャン・ソンウが13本塁打、79打点と勝負強さを発揮し、ペ・ジョンデと同じく144試合に出場したリーグ最多盗塁(35)の内野手シム・ウジュンは上位打者へのつなぎとチャンス拡大の役割を見事に果たした。キム・ミンヒョクムン・サンチョルなどの控え野手も充実しており、経験豊富なトゥサン打線に十分対抗できる戦力をそろえている。

 

 2年連続レギュラーシーズン優勝から2020年は3位に甘んじたトゥサンは、LGとの準プレーオフを11月5日に2試合で終わらせ、中3日の休養で余裕をもってKTとのプレーオフに臨む。第1戦の予告先発は準プレーオフ第1戦(11月4日)で6回無失点と好投した外国人選手フレクセンであり計算が立てやすい。しかしレギュラーシーズンでは20勝で最多勝の個人タイトルを受賞するも準プレーオフ第2戦で5回途中4失点で振るわなかった外国人選手アルカンタラに不安が残る。状態によっては10勝を記録したチェ・ウォンジュンユ・ヒィグァンの韓国人の先発投手2名の負担が増すことになる。幸い抑えのイ・ヨンハ、中継ぎのイ・スンジンパク・チグクなどが安定している。

 攻撃陣に関してはKTに全く見劣りがしない。準プレーオフでも外国人選手フェルナンデスキム・ジェファンオ・ジェイルパク・コヌパク・セヒョクホ・ギョンミンキム・ジェホなどの2019年の韓国シリーズ優勝に貢献した野手陣は存分の働きを見せた。特に準プレーオフMVPを受賞した35歳のオ・ジェウォンは下位打線で4打点と活躍し、チーム全体の経験値の高さを見せた。だが代走要員のイ・ユチャンを除くと、主力に負傷者が出た場合の控えの層が厚くないのが問題点である。

 

 ポストシーズンでは初の組み合わせとなる初出場のKTウィズと、近年最も勝利の味を知っているトゥサンベアースとの対戦は、先発投手陣の質ではKTが上回るもリリーフ陣、攻撃陣は互角と言ってよく、トゥサンに経験不足を突かれてしまうと苦しい戦いになるかもしれない。だが投手コーチとしてキア、トゥサンなど韓国シリーズに出場したチームで経験を積んできたKTのイ・ガンチョル監督の手腕が発揮されれば、KTの初の韓国シリーズ出場が見えてくる。白熱の勝負を期待したい。参考までに、レギュラーシーズンでの対戦成績はKTが9勝7敗と勝ち越した。

 

(文責 : ふるりん

キム・ジュチャン、自由契約へ

 キアタイガーズは11月7日、本人の意思を尊重しキム・ジュチャン内野手(39)を今後自由契約選手にすることを発表した。

 右打者のキム・ジュチャンは高校卒業後の2000年、サムソンライオンズへ入団し新人ながら一軍で60試合に出場したが、トレードで2001年よりロッテジャイアンツに移籍した。ロッテでは俊足を生かし主力の外野手として活躍、2010年には自身最多のシーズン65盗塁を記録した。2012年シーズン終了後にFA(フリーエージェント)となり、2013年よりキアと4年契約を結び移籍した。

 キアではロッテ在籍時より一塁を守ることが多くなり、2016年には自身最多の23本塁打、101打点を記録しゴールデングラブ賞外野手部門を受賞した。2017年シーズン終了後に2度目のFAとなり、キアと契約期間最大3年間で再契約した。2018年は121試合、2019年は100試合に出場したが、2020年はユ・ミンサン、ファン・デインなどが一塁手として起用されたった7試合の出場だったが、打率.333、1本塁打、2打点を記録した。プロ21年間の通算成績は1778試合に出場、打率.300、1887安打、138本塁打、782打点、388盗塁。2021年3月には満40歳となるキム・ジュチャンは現役続行を希望しているとされる。

 

(文責 : ふるりん