DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2022年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

プレーオフ:KTウィズ-トゥサンベアース、11月9日に第1戦

 2020年ポストシーズンプレーオフへと進み、レギュラーシーズン2位:KTウィズと準プレーオフ勝者のトゥサンベアース11月9日より全試合中立地の高尺スカイドームで対戦する。5戦3先勝制で先に3勝したチームが11月17日より韓国シリーズでレギュラーシーズン1位:NCダイノスと対戦し年間総合優勝を争う。

 

【2020年プレーオフ:KTウィズ-トゥサンベアース 日程】

全試合高尺スカイドームで開催

第1戦:11月9日18時半

第2戦:11月10日18時半

第3戦:11月12日18時半

第4戦:11月13日18時半

第5戦:11月15日14時

注:延長は15回までで引き分けの場合は翌日以降に再試合となる。

 

 第1戦の予告先発KTが高卒新人ソ・ヒョンジュン(※26試合・13勝6敗・防御率3.86)、トゥサンフレクセン(※21試合・8勝4敗・防御率3.01)と発表された。

※ 2020年レギュラーシーズンの成績。

 

プレーオフ展望】

 拡張により2015年に一軍参入を果たしたプロ野球10番目の球団は2017年まで3年連続最下位と戦力不足に苦しんだが、2018年に9位となり最下位を脱出すると2019年は6位と上昇気流に乗ってきた。そして2020年は7月から上位争いに加わり、し烈な2位争いを何とか勝ち抜いて初のポストシーズン進出となった。特にシーズン前半72試合の勝率(.535)と比べ後半72試合の勝率(.597)が高いのが特徴で、10球団1位だった。

 勢いに乗るKTではあるが、特殊な短期決戦で経験値が勝敗を大きく分ける初出場のプレーオフで、レギュラーシーズンと同じ戦いができるかは未知数である。近年では2013年のネクセン(現キウム)、2014年のNCともに初出場のポストシーズンでは勝ち抜けなかった。しかも相手は6年連続韓国シリーズ出場を狙う2019年を含め過去5年で3度の韓国シリーズ優勝と勝ち慣れているトゥサンベアースである。

 

 KT投手陣ではレギュラーシーズンで4名の先発投手が10勝以上を記録した。チーム最多勝は韓国1年目の外国人選手デスパイネ(15勝)で、リーグ最多の207回と3分の2を投げたイニングを稼げる投手である。韓国2年目の外国人選手エバも10勝と安定した成績を残した。韓国人選手では19歳の高卒新人ソ・ヒョンジュンが打線の援護にも恵まれ13勝を記録し、注目を集めた。特にトゥサン戦では6試合で3勝1敗、防御率2.51と比較的相性が良いため、プレーオフでは第1戦の予告先発の大役を任された。緊張せずに実力を発揮し経験豊富な打者が並ぶトゥサン打線を抑え込めるかが注目される。2年連続で10勝を記録した右腕ペ・ジェソンは24歳でポストシーズン初出場となり、活躍は未知数である。機能するかはさておき、4枚の先発がそろっているのは短期決戦では非常に大きい。

 リリーフではリーグ最多登板(77試合)、最多ホールド(31)の右腕チュ・グォンが中継ぎの柱として機能していた。25歳のチュ・グォンはポストシーズン初出場のため、ともに34歳で他チームでのポストシーズン出場経験のあるユ・ウォンサンイ・ボグンの2名の中継ぎの負担が増すかもしれない。左の中継ぎではチョ・ヒョヌが軸となっている。また抑えは6月からキム・ジェユンが務め21セーブを記録したが、これまたポストシーズンは30歳で初出場と不安が残る。

  

 攻撃陣の中心は本塁打(47)、打点(135)と打撃2部門で個人タイトルを受賞した外国人選手ロハスである。打率も.349と高くチャンスメークに徹することもでき、21歳の若き4番打者カン・ベッコ、ベテランのファン・ジェギュンユ・ハンジュンなどの打者たちも打点を稼ぐことができた。チームの躍進が著しかった2020年、特に成長を遂げたのはレギュラーシーズン全144試合に出場した外野手ペ・ジョンデである。俊足の1番打者として22盗塁を記録、特に9月から10月にかけて4試合もサヨナラ勝ちを決めるなど勝負強さも光った。また下位打線では正捕手チャン・ソンウが13本塁打、79打点と勝負強さを発揮し、ペ・ジョンデと同じく144試合に出場したリーグ最多盗塁(35)の内野手シム・ウジュンは上位打者へのつなぎとチャンス拡大の役割を見事に果たした。キム・ミンヒョクムン・サンチョルなどの控え野手も充実しており、経験豊富なトゥサン打線に十分対抗できる戦力をそろえている。

 

 2年連続レギュラーシーズン優勝から2020年は3位に甘んじたトゥサンは、LGとの準プレーオフを11月5日に2試合で終わらせ、中3日の休養で余裕をもってKTとのプレーオフに臨む。第1戦の予告先発は準プレーオフ第1戦(11月4日)で6回無失点と好投した外国人選手フレクセンであり計算が立てやすい。しかしレギュラーシーズンでは20勝で最多勝の個人タイトルを受賞するも準プレーオフ第2戦で5回途中4失点で振るわなかった外国人選手アルカンタラに不安が残る。状態によっては10勝を記録したチェ・ウォンジュンユ・ヒィグァンの韓国人の先発投手2名の負担が増すことになる。幸い抑えのイ・ヨンハ、中継ぎのイ・スンジンパク・チグクなどが安定している。

 攻撃陣に関してはKTに全く見劣りがしない。準プレーオフでも外国人選手フェルナンデスキム・ジェファンオ・ジェイルパク・コヌパク・セヒョクホ・ギョンミンキム・ジェホなどの2019年の韓国シリーズ優勝に貢献した野手陣は存分の働きを見せた。特に準プレーオフMVPを受賞した35歳のオ・ジェウォンは下位打線で4打点と活躍し、チーム全体の経験値の高さを見せた。だが代走要員のイ・ユチャンを除くと、主力に負傷者が出た場合の控えの層が厚くないのが問題点である。

 

 ポストシーズンでは初の組み合わせとなる初出場のKTウィズと、近年最も勝利の味を知っているトゥサンベアースとの対戦は、先発投手陣の質ではKTが上回るもリリーフ陣、攻撃陣は互角と言ってよく、トゥサンに経験不足を突かれてしまうと苦しい戦いになるかもしれない。だが投手コーチとしてキア、トゥサンなど韓国シリーズに出場したチームで経験を積んできたKTのイ・ガンチョル監督の手腕が発揮されれば、KTの初の韓国シリーズ出場が見えてくる。白熱の勝負を期待したい。参考までに、レギュラーシーズンでの対戦成績はKTが9勝7敗と勝ち越した。

 

(文責 : ふるりん