DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第7回  ハンファイーグルス 

 2016年は選手層の薄さゆえに特定の投手を酷使し続け、何とか7位で終えた。名将キム・ソングン監督に率いられ3年目、2014年まで続いてきた最下位争いからは脱却できたものの、2017年シーズンはいよいよポストシーズン進出という結果が求められる。


【投手陣】

〈先発〉 
◎オガンド、◎ビヤヌエバ、イ・テヤン、ペ・ヨンス、ユン・ギュジン、アン・ヨンミョン
〈リリーフ〉
パク・チョンジン、△クォン・ヒョク、△チョン・ウラム、シム・スチャン、ソン・チャンシク、ソン・ウンボム、チャン・ミンジェ

注 : ◎は新加入、△は左腕
 先発投手陣の軸としては高額年俸のオガンド、ビヤヌエバの2人の新外国人選手があげられる。2016年は合計4名の外国人投手と契約したがいずれも期待に応えられなかったため、思い切った投資をしたと言える。20代の韓国人の先発投手がイ・テヤンしかいないのが難であり、思い切った若手の抜擢を期待したい。2016年は不振だったユン・ギュジン、アン・ヨンミョン、ソン・ウンボム、一軍登板のなかったペ・ヨンスなどのベテラン選手の再生も急務である。
 リリーフ陣はクォン・ヒョク、パク・チョンジン、チョン・ウラムのベテラン左腕3名が中心となる。もし先発陣に故障者が出て手薄になった場合、2016年にも見られたようなスクランブル起用が考えられる。


【打撃陣】
〈ベストオーダー〉

1.イ・ヨンギュ(中) △
2.チョン・グヌ(二) 
3.ロサリオ(指)    
4.キム・テギュン(一)  
5.ソン・グァンミン(三) 
6.ハ・ジュソク(遊)
7.ヤン・ソンウ(右)  
8.チョ・インソン(捕)  
9.チャン・ミンソク(左) △  

〈控え〉
(捕手) チャ・イルモク、ホ・ドファン
(内野手) チェ・ユンソク、イ・チャンヨル、シン・ソンヒョン、△カン・ギョンハク、△キム・ジュヒョン
(外野手) △イ・ソンヨル、チョン・ヒョンソク、△キム・ギョンオン、チェ・ジンヘン

注 : △は左打者。
 不動の4番キム・テギュン(元千葉ロッテ)、2016年にチーム最多の33本塁打・120打点を記録した外国人選手ロサリオが打線の軸となるのは変わらない。問題はFAで移籍してきた2014年より不動の上位打線を任されてきたイ・ヨンギュ、チョン・グヌの2人が故障で3月31日の公式戦開幕に間に合わない可能性が高く、復帰するまでの選手起用をどうするかである。好材料としては41歳のベテラン捕手チョ・インソンに復活の気配があることで、プロ野球界屈指のチャンスメイカーの不在を好機に変えられる若手選手たちの台頭を待ちたい。
 キム・ソングン監督は打順を固定せず、相手の先発投手に合わせた柔軟な選手起用が特徴的である。決して厚いとは言えない選手層をどのようにやりくりして勝利に結びつけるのであろうか。


 3年契約の3年目を迎えたキム・ソングン監督にとって、2017年シーズンは背水の陣で臨むことになる。長く最下位続きであったため、1999年以来となる韓国シリーズ優勝よりも、まずは2007年以来10年ぶりとなるポストシーズン進出が最大の目標となる。名将の集大成となるシーズンに注目したい。


本拠地
 大田・ハンファ生命イーグルスパーク
 
 大田(テジョン)は韓国中西部の地方都市で、ソウルから南部への鉄道・高速道路の分岐点と交通の要所にある。1970年代以降はハイテク産業が発展し、大田広域市は人口150万人を超える韓国第5の都市に成長した。北の近隣にはソウルより官公庁の一部が移転した世宗(セジョン)特別自治市がある。1986年の球団創設(1993年までピングレイーグルス)以来本拠地としてきたハンバッ総合運動場野球場は2015年シーズンから、「ハンファ生命イーグルスパーク」の球場名で呼ばれることになった。
 2016年シーズンより、ハンファの応援ステージがライト外野から1塁内野席へ戻っている。8回裏ハンファの攻撃の際、1アウトから応援団長の笛の音だけで「チェ!ガン!ハン!ファ!」と大声でファンが叫ぶ応援が名物となっている。応援団が派遣されないビジターの試合でも、8回表にファンたちが自主的に叫んでいることもある。

 なお、主催試合は大田より40kmほど北の地方都市・清州(チョンジュ)で開催されることもある(高速鉄道KTX・SRT五松駅よりバスで30分程度)。







[交通アクセス]

Korail、大田地下鉄1号線大田駅からバス(111-1番など)、タクシーで10分程度。
大田地下鉄1号線・中央路(チュンアンノ)駅から111番バス、タクシーで5分程度。
2017年3月現在、大田からソウル市内への高速鉄道KTX・SRTの最終列車は0時32分発水西(スソ)行き。ソウル駅行きの最終列車は0時22分発。

(文責 : ふるりん