DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   準プレーオフ第1戦 ロッテ、チョン・ジュヌの一発で逆転勝ち

2010年 準プレーオフ 第1戦

ロッテ 10−5 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)キム・サユル 1勝  (敗)チョン・ジェフン 1敗
本塁打) ロッテ : チョン・ジュヌ 1号
 
 プロ野球、2010年シーズンの総決算であるポストシーズンは、29日ソウル・蚕室野球場での準プレーオフ第1戦:ロッテ−トゥサンで幕を開けた。入場券は試合前に早々と完売し、18時開始のころには目立っていた空席も徐々に埋まり、超満員の熱気であふれかえり、試合も終盤までもつれる接戦となった。先発はロッテがソン・スンジュン(14勝)、斗山がヒメネス(14勝)と、両チーム右の先発の柱どうしが投げ合うことになった。始球式は女性アイドルグループのmiss-Aがつとめた。


(盛り上がるロッテ、トゥサンの応援席。)

 トゥサンは1回裏、先頭の1番イ・ジョンウクが四球で出塁すると内野ゴロや外野フライの間に3塁まで進んだが、サードのイ・デホの好守備もあり得点にいたらなかった。するとロッテは2回表無死満塁のチャンスを作り、7番ガルシア(元オリックス)は最悪の併殺打に終わったものの、次の8番チョン・ジュヌの打席の際ヒメネスの暴投で1点を先制し、さらにチョン・ジュヌのタイムリーで1点を追加した。トゥサンも3回裏1死1,3塁と同点のチャンスを作ったが、2番コ・ヨンミンの内野ゴロで3塁走者が飛び出してしまい、走者2人がアウトとなりまさかのミスでこの回の攻撃を終えてしまった。
 トゥサンは4回裏、2死満塁のチャンスで先ほど走塁死した8番ソン・シホン、9番イム・ジェチョルのタイムリーで3−2と逆転した。だがロッテに5回表1死1,2塁のチャンスで2番ソン・アソプのタイムリーで同点に追いつくと、4番イ・デホのタイムリーで4−3と逆転した。トゥサンはその裏ソン・スンジュンから2死2,3塁のチャンスを作ったが、6番イ・ソンヨルはここで三振に倒れてしまった。
 トゥサンは6回裏イム・ジェチョルのタイムリーで同点に追いつきソン・スンジュンをマウンドから引き摺り下ろすと、この回代わったロッテの2番手カン・ヨンシクから1番イ・ジョンウクのセーフティーバントでチャンスを広げ、2番コ・ヨンミンのタイムリーで5−4と逆転した。しかし続くチャンスで代わった3番手キム・サユルが4番チェ・ジュンソクを併殺打に打ち取り、まだ試合の行方はわからなくなった。

 トゥサンは6回当初から2番手コ・チャンソンを登板させロッテの勢いを断ったかに見えたが、ロッテは7回表トゥサンの3番手チョン・ジェフンから2死2塁のチャンスで3番チョ・ソンファンのタイムリーで5−5の同点に追いつき、3番手キム・サユルが7回、8回と無失点の好投を続けた。
 するとロッテは9回表、先頭のチョン・ジュヌがチョン・ジェフンから勝ち越しのソロ本塁打を打つと、代わったトゥサンの4番手イム・テフン、5番手キム・スンフェからチョ・ソンファンへの押し出しの四球、イ・デホのタイムリー、5番ホン・ソンフンの犠牲フライや相手のエラーで4点を追加した。5点のリードがあった9回裏はホ・ジュンヒョク、イム・ギョンワンの継投で相手の反撃を断ち、ロッテが終盤に突き放し逆転勝ちを収め、乱打戦となった準プレーオフ緒戦を制し、プレーオフ進出に一歩前進した。


(プロ12年目にしてポストシーズン初勝利のキム・サユル。)


 プロ12年目にしてポストシーズンで初登板となったキム・サユルは6回途中から8回までを無失点と好投すると、9回表味方が勝ち越し点を奪ったため、記念すべきポストシーズン初勝利を記録し、手薄だと言われていたロッテのリリーフ陣の救世主となった。打線では9回表決勝本塁打を売ったチョン・ジュヌが3安打2打点と活躍。
 一方トゥサンはポストシーズンでの経験は相手を上回っているはずだが、カンジンなところでチャンスを生かしきれず、中継ぎの柱チョン・ジェフンも安定感がなく2点を失い敗戦投手となり、悪い流れを断ち切れなかった。また3番キム・ヒョンス、4番チェ・ジュンソクが無安打で2三振ずつと中軸にも当たりがなく、相手をたたみかけられなかった。

 注目の準プレーオフ第2戦は、第1戦と同じく蚕室野球場で30日18時から開始となり、ロッテはサドースキー(27試合、10勝8敗)、トゥサンはキム・ソヌ(28試合、13勝6敗)が予告先発となっている。 
 
(文責 : ふるりん