DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  ク・デソン(ハンファ、元オリックス)、涙の引退試合 首位SK、4連勝でマジック12

 LG−ネクセン(ソウル・木洞)は、2日の台風により球場の外野フェンスなどが倒れ補修の必要があるため中止。


SK 10−2 トゥサン  (ソウル・蚕室) 
(勝)キム・グァンヒョン 16勝5敗  (敗)ウォーランド 7勝6敗
本塁打) トゥサン : キム・ヒョンス 20号
 SKは1回表、トゥサンの先発ウォーランド(元横浜)から4番イ・ホジュン、6番キム・ガンミン、7番チョン・サンホ、8番チョ・ドンファのタイムリーで6点を先制した。さらに2回表5番チェ・ジョンのタイムリーで1点、4回表2番ナ・ジュファンのタイムリー、4番イ・ホジュンの犠牲フライで2点を追加し、ウォーランドをノックアウトした。トゥサンは5回裏SKの先発キム・グァンヒョンの暴投でやっと1点を返したが、SKは6回表相手のエラーで1点を追加した。
 トゥサンは6回裏3番キム・ヒョンスの2年連続となる20号本塁打で1点を返したが、8回以降チョン・ウラム、オム・ジョンウクの継投で反撃を断ち、首位SKが4連勝で公式戦優勝へのマジックナンバーを12に減らした。7回を2失点に抑えたキム・グァンヒョンは、最多勝争いトップタイとなる16勝目。また、3番捕手でスタメン出場したパク・キョンワンは、プロ20年目にして史上5人目となる通算2000試合出場を達成。3位トゥサンは先発ウォーランドが4回途中9失点でノックアウトされ、打線もわずか3安打に抑えられる完敗だった。4番キム・ドンジュが6回裏の2塁打で、プロ13年目にして史上15人目となる通算1500本安打を達成したのが唯一の明るい話題だった。


(最多勝争いトップタイの16勝目をあげたキム・グァンヒョン。)


サムソン 6−2 ハンファ  (大田) 
(勝)アン・ジマン 9勝3敗9S  (セーブ)イ・ウソン 1勝3敗1S  (敗)ブエノ 2敗
本塁打) サムソン : チン・ガビョン 9号  ハンファ : シン・ギョンヒョン 9号、イ・デス 6号
 この試合は長年チームのために尽くしたベテラン左腕ク・デソン(元オリックス)の引退試合ということで、ハンファの本拠地・大田の野球場は入場無料となり、偉大な投手の韓国での最後のマウンド姿を見ようと大勢のファンが駆けつけた。ク・デソンはハンファの先発として登板し、1回表先頭打者チョ・ドンチャンを外野フライに打ち取ってマウンドを降りた。なお、この試合でハンファの選手たちは全員背中に「臺晟不敗(デソンプルペ、デソンとはク・デソンのこと)」と書かれた特別なユニフォームを着て出場し、5回終了時には試合を中断して20分以上盛大な引退セレモニーが行われ、球場は選手、関係者、ファンすべてが、韓国のみならず日本、米国で活躍した偉大な投手に涙の別れを告げた。ク・デソンは今後オーストラリアプロ野球で現役を続行する予定。韓国での13年間の通算成績は569試合に登板、67勝71敗214セーブ、防御率2.85。

 
 ハンファは2回裏、サムソンの先発チャ・ウチャンから7番シン・ギョンヒョンのタイムリーで1点を先制し、サムソンは3回表、ハンファの2番手の新外国人ブエノから2番ペ・ヨンソプのプロ2年目にして初打点となるタイムリー、ブエノの暴投で2−1と逆転した。ハンファはその裏チャ・ウチャンの暴投で2−2の同点に追いついたが、サムソンは4回表3番チェ・ヒョンウの走者一掃となる3点タイムリーで勝ち越し、代わったハンファの3番手ユン・ギュジンから4番パク・ソンミンのタイムリーで1点を追加した。
 ハンファは高卒新人アン・スンミン、ヤン・フンなどのリリーフ陣が追加点を与えなかったが、2位サムソンは6回から新外国人レディング、3番手イ・ウソンの継投で相手の反撃を断ち快勝した。5回を2失点に抑えたチャ・ウチャンは、最近9連勝で9勝目と先発陣で最も安定した成績を残している。7回から9回まで無失点に抑えたイ・ウソンは、プロ2年目にして初セーブ。最下位ハンファはせっかくのク・デソン引退試合をも勝利で飾れず、3連敗で試合が中止となった7位ネクセンとの差も開き、球団史上初となる2年連続最下位の可能性が高まってきた。なお2010年最終戦となったこのカードは、サムソンが15勝4敗と大きく勝ち越した。

     
ロッテ 10−6 キア  (光州)
(勝)カン・ヨンシク 3勝2敗2S  (敗)ソ・ジェウン 7勝7敗
本塁打) ロッテ : カン・ミンホ 21号、チョン・ジュヌ 17号  キア : キム・サンヒョン 20号、チェ・フルラク 1号
 キアは1回裏、ロッテの先発チャン・ウォンジュンから6番チャ・イルモクへの押し出しの死球で1点を先制し、ロッテは2回表、キアの先発ソ・ジェウンから6番カン・ミンホの2試合連続本塁打、7番チョン・ジュヌの2者連続本塁打で2−1と逆転した。キアもその裏3番ナ・ジワンのタイムリーで2−2の同点とし、3回裏5番キム・サンヒョンの2年連続20号本塁打で3−2と逆転した。ロッテは4回表チョン・ジュヌ、9番ファン・ジェギュンのタイムリーで4−3と逆転し、キアは6回裏ロッテの4番手イ・ジョンミンから2番パク・キナムのタイムリーで再び4−4の同点に追いついた。
 ロッテは7回表相手のフィルダーズチョイスで1点を勝ち越すと、キアの2番手イ・デジン、3番手ユ・ドンフンからカン・ミンホ、チョン・ジュヌへの2者連続の押し出しの死球、ファン・ジェギュンの走者一掃のタイムリーで5点を追加した。キアもその裏相手のエラーで1点、9回裏ロッテの8番手イム・ギョンワンから途中出場の8番チェ・フルラクのプロ6年目にしての初本塁打で1点を返したが、反撃もここまでで4位ロッテが乱打戦を制した。
 6回裏途中から5番手として登板したカン・ヨンシクが、味方の援護により幸運にも3勝目。ロッテ打線ではチョン・ジュヌが3安打1本塁打3打点、ファン・ジェギュンが4打点と活躍。5位キアは先発ソ・ジェウンを引っ張ったが7回表の大量失点につながってしまい、4位ロッテとの差が大きく広がってしまった。2010年最終戦となったこのカードは、ロッテが11勝8敗と勝ち越し、順位争いを有利に進めた。