サイパン、日本・鹿児島県での春季キャンプを終えたロッテは28日、日本プロ野球・福岡ソフトバンクとヤフージャパンドーム(日本・福岡市)で親善試合を行った。これはロッテの本拠地・釜山広域市と福岡市が姉妹都市であり、スポーツ交流事業の一環として、日本海を挟んだ釜山と福岡を本拠地とするロッテとソフトバンクの定期交流戦を、2009年から1年に1度、両都市が交互に開催することになったことによる。2009年8月の前回は両チームともにプロ野球公式戦の最中だったため、2軍選手のみが出場し釜山・社稷野球場で実施されたが、今回は公式戦開幕前ということで、オープン戦の一環として位置づけられ、ともに1軍の選手が出場した。始球式は日本での知名度が高い女優チェ・ジウがつとめた。
(始球式をつとめるチェ・ジウ。)
試合はロッテの先発が先発三本柱の一人ソン・スンジュン、福岡ソフトバンクの先発は大隣で始まった。2009年オフ、ハンファからソフトバンクに移籍した新外国人イ・ボムホも先発7番サードで出場した。福岡ソフトバンクは1回裏4番小久保の犠牲フライで1点を先制し、ロッテは3回から2番手として左腕チャン・ウォンジュンを登板させた。ロッテは4回まで大隣に無得点に抑えられていたが、5回表福岡ソフトバンクの2番手高橋秀聡からパク・キヒョクの2点タイムリー2塁打、相手の暴投で3−1と逆転した。福岡ソフトバンクはその裏、ロッテの3番手ハ・ジュンホから本多の併殺打の間に1点を返した。
(再会するイ・ボムホとパク・キヒョク。1981年生まれの2人は、同じ大邱の出身。)
ロッテは6回表、福岡ソフトバンクの3番手森福からファン・ソンヨンの2ランでリードを広げ、その後は新外国人サドースキーも4番手として登板し、反撃を許さなかった。福岡ソフトバンクは8回裏ロッテの5番手イ・ミョンウから1点を返したが、ロッテは9回表福岡ソフトバンクの5番手水田からチャン・ソンウのタイムリーで1点を追加した。9回裏はイム・ギョンワン、イ・ジョンフンの継投で無得点に抑え、ロッテが6−3で逆転勝ちした。
両チームともに公式戦開幕を約1ヵ月後に控えている調整の時期らしく、両チームともに先発は主力選手を出しても、後半は若手選手を多く起用したが、リードしたロッテは最終回イム・ギョンワン、イ・ジョンフンの抑え候補を出す必勝リレーだった。またソン・スンジュン、チャン・ウォンジュン、サドースキーなど、先発ローテーション入りが有力視される選手の調整の場となった。最優秀選手には、6回表ロッテの勝利を決定付けた2ランを打ったファン・ソンヨンが選ばれた。2009年オフ、軍から除隊されロッテに復帰し外野のレギュラーを狙うファン・ソンヨンにとって、大きな自信となった。
釜山、福岡の両都市の交流のため、2011年以降もこの2チームの親善試合が実施され、ますます日韓のプロ野球界の交流が進むことを願う。ヤフードーム内には、地元の福岡ソフトバンクのファンのみならず、ところどころにロッテジャイアンツを応援するファンたちの群れができ、釜山特有の社稷野球場の熱気を少しではあるが福岡の地に伝えていた。