DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2位SK、球団新記録の12連勝  チョン・ミンチョル(ハンファ、元読売)、涙の引退セレモニー 

キア 9−10 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)キム・サンヒョン 7勝6敗  (セーブ)イ・ヨンチャン 2敗24S  (敗)クァク・チョンチョル 5勝4敗2S 
本塁打) キア : チャン・ソンホ 7号、チェ・ヒィソプ 29号  トゥサン : イ・ウォンソク 9号
 この試合は優勝を期待するキアファンの熱気もあり、試合開始の1時間以上前には入場券が完売し、3万人の大入り満員となった。トゥサンは1回裏キアの先発ロペスから4番キム・ドンジュ、5番チェ・ジュンソクのタイムリーで2点を先制し、3回裏7番イ・ウォンソクの満塁本塁打でリードを広げ、4回裏にも2番イム・ジェチョルの犠牲フライで1点を追加した。キアは5回表トゥサンの先発セデーニョから1番イ・ジョンボム(元中日)のタイムリーで1点、6回表8番チャ・イルモクのタイムリーで2点を返した。トゥサンも6回裏9番チェ・スンファンのタイムリー、1番イ・ジョンウクの内野ゴロで2点を追加した。
 キアは7回表トゥサンの2番手パク・チョンベからチェ・ヒィソプ、5番キム・サンヒョンのタイムリーで3点を返すと、代わったトゥサンの3番手ホン・サンサムから6番チャン・ソンホの2試合連続本塁打となる2ランで8−9と1点差に迫った。そして8回表トゥサンの5番手キム・サンヒョンからチェ・ヒィソプの2試合連続本塁打で9−9の同点に追いついた。トゥサンは8回裏キアの2番手クァク・チョンチョルから3番キム・サンヒョンのタイムリーで1点を勝ち越すと、最後は最近抑えに失敗していたイ・ヨンチャンが抑え乱打戦を制した。イ・ヨンチャンはセーブ王争いトップタイの24セーブ目。打線ではイ・ジョンウク、チェ・ジュンソクが3安打1打点と活躍。首位キアは、怒涛の12連勝と神がかりの勢いが続く2位SKに1ゲーム差と迫られ、首位戦線は残り10試合を切ってまだまだ予断を許さない状況が続いている。打線ではチェ・ヒィソプが3安打1本塁打2打点と活躍。


LG 3−6 SK  (仁川・文鶴)
(勝)グローバー 7勝3敗1S  (敗)ハン・ヒィ 1勝3敗
本塁打) SK : チェ・ジョン 16号、チョン・サンホ 10号
 SKは1回裏LGの先発の高卒新人ハン・ヒィから4番キム・ジェヒョンのタイムリーで1点を先制し、2回裏9番キム・ガンミンのタイムリーで1点、5回裏5番チェ・ジョンの本塁打で3点を追加した。SKの先発グローバー(元読売)は安定した投球を続け、打線も6回裏LGの2番手ノ・ジニョンからチョン・サンホのプロ9年目にして初の2ケタ本塁打となる第10号で1点を追加した。LGは8回表SKの3番手チョン・ビョンドゥから代打アン・チヨン、4番ペタジーニ(元読売)のタイムリー、5番イ・ジニョンの内野ゴロの間に3点を返した。
 チョン・ビョンドゥはこの後の反撃を断ち、2位SKが球団新記録となる12連勝となり、トゥサンに敗れた首位キアとのゲーム差が再び1に縮まり、公式戦終盤で首位奪回の可能性が高まった。7回を無失点に抑えたグローバーは自身5連勝となる7勝目。7位LGは期待の若手ハン・ヒィがSKの勢いをとめることができず5回5失点で降板し、グローバーから何度もチャンスを作った打線も、それを生かすことができず大きくリードされてからようやっと反撃開始と、ちぐはぐさが目立った。


サムソン 1−9 ロッテ  (釜山・社稷)
(勝)チャン・ウォンジュン 12勝7敗  (敗)クルセタ 8勝9敗 
本塁打) ロッテ : ガルシア 27号、イ・デホ 27号
 ロッテは4回裏サムソンの先発クルセタから8番チャン・ソンウのタイムリーで1点を先制し、5回裏3番ホン・ソンフンの内野ゴロをショートのパク・チンマンがホームに送球したが間に合わず3塁走者が生還し1点を追加した。サムソンは6回表ロッテの先発チャン・ウォンジュンから5番パク・ソンミンの内野ゴロの間に1点を返したが、ロッテはその裏1番キム・ジュチャンのタイムリーで1点を追加した。ロッテは7回裏サムソンの2番手ペク・チョンヒョンから5番イ・デホの3ラン、8回裏ホン・ソンフンのタイムリー、4番ガルシア(元オリックス)の2ランで9−1とリードを広げた。
 5位ロッテは2番手イム・ギョンワンが相手の反撃を断ち、地元釜山で快勝し5連敗から脱出し、4位サムソンと1ゲーム差に迫り、し烈な4位争いはまだ決着がつきそうにない。6回2死まで1点に抑えたチャン・ウォンジュンは、チーム最多タイの12勝目。打線ではホン・ソンフンが3安打2打点と活躍。サムソンは先発クルセタが6回3失点とそこまで悪い内容ではなかったが打線の援護がなく、最近6連敗と元気がない。


(7回裏ダメ押しの3ランを打った主砲イ・デホ。)


ヒーローズ 9−11 ハンファ  (大田)
(勝)トーマス 2勝5敗11S  (敗)チョ・ヨンジュン 1敗1S
本塁打) ヒーローズ : イ・テックン 15号、カン・ジョンホ 19号  ハンファ : イ・ボムホ 24号、パク・ノミン 4号、チェ・ジンヘン 2号、イ・ドヒョン 12号
 この試合は長年ハンファの右のエースとして活躍してきたチョン・ミンチョル(元読売)の引退セレモニーが行われることもあり、一般席は入場無料となり本拠地・大田(テジョン)の野球場は満員となった。ヒーローズは3回表ハンファの先発キム・ヒョンミンから3番イ・テックンの満塁本塁打、6番カン・ジョンホの2ランで6点を先制し、4回表ハンファの2番手パク・ソンホから2番イ・スンヨン、4番クラークのタイムリーで3点を追加した。ハンファはその裏ヒーローズの先発イ・ヒョンスンから3番イ・ボムホの2ラン、6番パク・ノミンの3ラン、8番チェ・ジンヘンの2ランで7点を返し、イ・ヒョンスンをノックアウトした。
 5回終了後すでに現役を引退したかつての同僚たちも集まったチョン・ミンチョルの盛大な引退セレモニーが行われ、球場に詰め掛けたファンたちは無料で配布された「ACE 23」のタオルを掲げ、オープンカーで場内を一周した通算161勝を記録した偉大なる投手に別れを告げ、選手たちは長年チームに尽くしたエースを胴上げし、名残を惜しんだ。なお、チョン・ミンチョルの背番号23は永久欠番となることが決定し、ハンファの本拠地には背番号23をたたえたモニュメントも作られ、その除幕式も行われた。
 試合はこの後マ・ジョンギル、ヤン・フン、ク・デソン(元オリックス)、トーマス(元北海道日本ハム)の継投でハンファが追加点を許さず、ヒーローズも2番手キム・ヨンミンがロングリリーフで8回まで無失点に抑えた。ハンファは9回裏キム・ヨンミンからイ・ボムホのタイムリーで1点差に迫ると、代わったヒーローズの3番手チョ・ヨンジュンから5番イ・ドヒョンの3ランで、9−0からのまさかの逆転サヨナラ勝ちとなり、チョン・ミンチョルの引退に華を添えた。打線ではイ・ボムホが3安打1本塁打3打点と活躍。史上2度目となる9点差での逆転負け(史上最多タイ)を喫した6位ヒーローズは、サムソンに勝った5位ロッテとのゲーム差が1.5に開いたが、4位進出にかろうじて望みを残している。