韓国シリーズ 第４戦
ＳＫ ４−１ トゥサン （ソウル・蚕室）
（勝）カ・ドゥギョム １勝 （セーブ）チェ・ビョンニョン １Ｓ （敗）ランデル １勝１敗
ＳＫが2勝1敗と一歩リードした韓国シリーズの第4戦は、第3戦までと同じく、ソウル・蚕室野球場に3万人の超満員の観衆を集めた。
試合はＳＫが1回表トゥサンの先発ランデル(元読売)から2番パク・チェサンがヒットで出塁し、2塁へ盗塁を試みた際、捕手チェ・サンビョンの悪送球で3塁まで進むと、3番キム・ジェヒョンの内野ゴロの間に1点を先制した。さらにこの回4番パク・チェホンもヒットで出塁し2塁へ盗塁したが、ここはランデルが抑えた。トゥサンは2回裏ＳＫの先発ソン・ウンボムから4番キム・ドンジュ、5番ホン・ソンフンの連打で無死1，3塁のチャンスを作ると、6番オ・ジェウォンの併殺打の間に1−1の同点に追いついた。
トゥサンは3回裏8番チョン・サンヨルが死球で出塁し、牽制悪送球で2塁まで進塁すると、1死後ＳＫはソン・ウンボムを2番手カ・ドゥギョムに交代させた。ここで1番イ・ジョンウクの外野の前に落ちるかと思われた打球をセカンドのチョン・グヌが好捕し、2塁走者もアウトとなりピンチを免れた。するとＳＫは4回表、パク・チェホンが四球で出塁すると、5番チェ・ジョンのタイムリー2塁打で1点を勝ち越した。トゥサンはその裏3番キム・ヒョンスの打球がサードライナーとなり1塁走者も刺されアウトとなるなど反撃の機会が摘み取られ、代わったＳＫの3番手イ・ヨンウクに5回も無得点に抑えられた。
(3試合ノーヒットに終わったキム・ヒョンス。)
力投を続けるランデルは6回表2死2，3塁と追加点のピンチを招いたが、ＳＫの6番チョン・グヌを三振に切って取った。ＳＫは6回裏4番手の左腕チョン・ウラムを登板させ、イ・ジョンウク、キム・ヒョンスとトゥサンの攻撃の核となる左打者を抑えた。するとＳＫは7回表ランデルから7番ナ・ジュファン、9番キム・ガンミンのヒットで1死1，3塁とチャンスを作り、1番イ・ジニョンの打球はショートゴロ併殺打かと思いきや、セカンドのコ・ヨンミンが1塁へ悪送球を犯してしまい、1点を追加した。
トゥサンは7回裏ＳＫの5番手チョ・ウンチョンから無死1，3塁のチャンスを作ると、ＳＫはここで韓国シリーズで好投を続ける6番手の左腕イ・スンホをマウンドに送る。イ・スンホはオ・ジェウォン、7番チェ・サンビョンを連続三振に仕留めるが、代打チェ・ジュンソクを四球で歩かせてしまい満塁のピンチを招く。だがここで代打イ・デスをサードゴロに打ち取り、ピンチを脱した。トゥサンは8回裏ＳＫの7番手で第2戦に先発したチェ・ビョンニョンからキム・ドンジュのヒット、ホン・ソンフンへの死球で2死満塁のピンチを招くが、途中出場の6番ユ・ジェウンを三振に切って取り、またもやＳＫが絶体絶命のピンチを脱し、トゥサンは2回連続の満塁のチャンスを逃した。
ＳＫは9回表トゥサンの3番手イ・ヨンチャンから2死3塁のチャンスを作ると、ここでイ・ヨンチャンの暴投で1点を追加した。トゥサンは9回裏ＳＫのチェ・ビョンニョンからランナーを出すものの得点は奪えず、ＳＫが4−1で勝利し、第2戦以降3連勝で韓国シリーズ連覇に王手をかけた。ＳＫは今季8勝をあげ先発の一角を担っていた右腕ソン・ウンボムを早々と3回途中であきらめ、以降は左右順番に6名の投手を細切れにつぎ込む継投策で相手の反撃を断った。
2番手として登板したベテラン左腕カ・ドゥギョムはプロ17年目にしてポストシーズン初勝利。最後を締めくくったチェ・ビョンニョンは、普段の公式戦では先発として活躍しているが、プロ8年目にしてポストシーズン初セーブ。なおこの試合のMVPには、6番手として登板し7回裏満塁のピンチをしのいだ今季長いリハビリから復活したイ・スンホが選ばれた。また悪送球など相手のミスに付け入る攻撃は健在で、決勝タイムリーを打ったチェ・ジョンは、第3戦での決勝2ランに続く活躍で、まだプロ4年目の21歳と若さに似合わぬ勝負強さを見せた。
一方3連敗となり、2001年韓国シリーズ第5戦以来の本拠地・蚕室野球場での韓国シリーズ8連敗となったトゥサンは、先発ランデルは7回3失点と好投したものの、要所要所で守備のミスが出てしまい主導権を握れず、2度の満塁のチャンスで無得点と、2007年の韓国シリーズ同様深刻なタイムリー欠乏症に陥った。特に3番キム・ヒョンスの不振はより深刻化し、第2戦以降3試合連続ノーヒットと首位打者に輝いた公式戦での輝きはまったく見られない。またトップバッターのイ・ジョンウクも5打数無安打とＳＫの徹底した継投策に完全に抑えられ、打線に火がつかなかった。
注目の韓国シリーズ第5戦は、31日18時からソウル・蚕室野球場で開始され、予告先発はＳＫが20歳の若きエースのキム・グァンヒョン(※ 16勝4敗)、トゥサンがキム・ソヌ(※ 6勝7敗)と発表された。ＳＫが一気に4連勝で韓国シリーズ連覇を達成するのか、それともトゥサンが何とか1勝し決着を仁川・文鶴野球場での第6戦(11月2日)以降に持ち込むのか。
注 ： ※は今季公式戦成績。
（文責：ふるりん）
