韓国シリーズ 第３戦
ＳＫ ３−２ トゥサン （ソウル・蚕室）
（勝）チョン・ウラム ２勝 （セーブ）チョン・デヒョン ２Ｓ （敗）イ・ヘェチョン １敗
（本塁打） ＳＫ ： チェ・ジョン １号 トゥサン ： チェ・スンファン １号
1勝1敗で迎えた韓国シリーズの第3戦は、舞台を第2戦までの仁川・文鶴野球場から、トゥサンの本拠地のソウル・蚕室野球場に移して、3万人の超満員の観衆を集めた。
(盛り上がる1塁側トゥサン応援席。)
試合はＳＫの先発レイボーン(元広島)、トゥサンの先発イ・ヘェチョンの投手戦となった。3回までは互いに走者をなかなか出せず、得点チャンスを作れなかった。ＳＫは4回表2番イ・ジニョンが2塁打を打つと、左のイ・ヘェチョン用に起用された3番イ・ジェウォンがセンター前にタイムリーを打ち、1点を先制した。続く4番パク・チェホンも四球でチャンスを広げたが、後続を断ちここは1点でしのいだ。トゥサンは4回裏4番キム・ドンジュのヒットなどで2死2，3塁のチャンスを作ると、レイボーンの暴投で3塁ランナーが帰り同点に追いついた。
トゥサンは5回裏レイボーンから8番チェ・サンビョンがヒットで出塁すると、代わったＳＫの2番手チョン・ウラムから1番イ・ジョンウクのヒットで2死1，2塁のチャンスを作るが、ここは2番コ・ヨンミンが三振に倒れる。ＳＫは6回表イ・ジェウォンがヒットで出塁し、1死後トゥサンは2番手イ・ジェウをマウンドに送る。しかし5番チェ・ジョンに初球をレフトスタンドに運ばれてしまい、チェ・ジョンにとってはプロ4年目にしてのポストシーズン初本塁打が、最高の場面での勝ち越し2ランとなった。
(6回表勝ち越し2ランを打ったチェ・ジョン。)
トゥサンは6回裏、1死後チョン・ウラムから交代したＳＫの3番手ユン・ギルヒョンからキム・ドンジュ、5番ホン・ソンフンの連打や代打チェ・ジュンソクへの四球で満塁のチャンスを作る。ここでＳＫは4番手チョ・ウンチョンを送り、チェ・サンビョンから三振を奪いピンチを脱した。
トゥサンは7回裏、チョ・ウンチョンからこの回先頭の9番チェ・スンファンが、プロ9年目にしてポストシーズン初本塁打を打ち、3−2と1点差に迫った。ここで登板したＳＫの5番手イ・スンホは第2戦に続いて好投し後続を断ち、トゥサンに流れを渡さなかった。イ・ジェウはチェ・ジョンに2ランを打たれた後は、気迫の投球でＳＫに追加点をおろかチャンスすらも与えない。ＳＫは8回裏から守護神チョン・デヒョンを登板させ、先頭のキム・ドンジュにヒットを打たれ3塁まで進められるが、途中出場の7番キム・ジェホを打ち取り同点打を許さなかった。
トゥサンは9回裏チョン・デヒョンから、途中出場の8番ユ・ジェウン、イ・ジョンウク、コ・ヨンミンのヒットで1死満塁のチャンスを作った。ここで打席には今季首位打者ながら、この韓国シリーズでは第1戦のタイムリー1本以外無安打が続いているキム・ヒョンスが立った。キム・ヒョンスを徹底的に警戒していたＳＫは、キム・ヒョンス用の守備シフトを敷き、しかも注文通りゴロを打ってくれたこともあって併殺打に打ち取り、1点差を守りきった。これでＳＫが韓国シリーズの対戦成績を2勝1敗と一歩リードし、韓国シリーズ連覇に一歩近づいた。チョン・デヒョンは韓国代表に選ばれた北京五輪決勝のキューバ戦で、9回裏1点をリードした1死満塁の絶体絶命のピンチで登板し、併殺打に打ち取り胴上げ投手となったが、それを思い起こさせるような第3戦の幕切れだった。
ＳＫでは第2戦に続いて対左用の中継ぎとして登板したチョン・ウラムが勝利投手となり、先発レイボーンは5回持たず降板したが、合計6人の投手リレーで接戦を制し、リリーフ陣の豊富さを見せ付けた。また打線はわずか5安打に抑えられたが、イ・ジェウの代わり端をたたいたチェ・ジョンが決勝2ランを打った場面のように、ここ一番での勝負強さと集中力は、公式戦を圧倒的な強さで制したチームらしいものだった。
(第2戦に続いて勝利投手となった左のチョン・ウラム。)
対照的にトゥサンは6回、9回と満塁のチャンスを2度作ったがいずれも無得点に終わり、11安打を記録しながら残塁は12と拙攻が響いた。特に今季初の首位打者と活躍したキム・ヒョンスの不振は深刻で、3試合を通してヒットは1本だけしか打てず、この試合も5打席で四球1つ以外はすべて凡退し、満塁の場面で併殺打と最後の打者にもなってしまった。その後を打つ4番キム・ドンジュが3安打と当たっていただけに、キム・ヒョンスの打てない姿がより浮き彫りになった。
またトゥサンは、サムソンに勝ち優勝した2001年の韓国シリーズ第5戦、サムソンに4連敗した2005年韓国シリーズ第3戦以降、07年のＳＫとの韓国シリーズでも第3戦から5戦までの3連敗を含め、本拠地・蚕室野球場で7年越しのシリーズ7連敗となってしまった。韓国シリーズ第4戦は30日18時から蚕室野球場で開始され、予告先発はトゥサンが第1戦に先発し好投したランデル(元読売)、ＳＫがソン・ウンボムと発表された。ＳＫが韓国シリーズ優勝に王手をかけるか、それともトゥサンが2勝2敗のタイに戻し、決着を第6戦(11月2日)以降に持ち込むのであろうか。
