DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   プロ野球開幕  王者SK、延長11回裏サヨナラ勝ち  ロッテ、ハンファ相手に打線爆発 

ウリ−トゥサン(ソウル・蚕室)は雨天中止。 
LG 4−5 SK  (仁川・文鶴)
(勝)チョン・デヒョン 1勝  (敗)ウ・ギュミン 1敗
本塁打) SK : チョン・サンホ 1号
 2007年の王者SKは、あいにくにも強い雨が降りしきる中2年ぶりに本拠地で開幕戦を迎えた。試合前には開幕セレモニーが行われ、ユ・インチョン文化体育観光部長官が始球式を務めた。LGは2回表SKの開幕投手レイボーン(元広島)から8番オ・テグンの内野ゴロの間に1点を先制し、3回表満塁の場面で5番イ・ジョンヨルの3点タイムリー3塁打で4−0とリードを広げた。2年連続の開幕投手となったレイボーンは3回4失点で降板した。
 SKは3回裏LGの開幕投手の新外国人ブラウン(元阪神)から2番チョ・ドンファのタイムリーで1点を返すと、5回裏1番チョン・グヌ、4番パク・チョングォンのタイムリーなどで4−4の同点に追いついた。サムソン在籍時の2007年に続いて、2年連続開幕投手を務めたブラウンもここでノックアウトされた。LGは6回途中から期待の高卒新人チョン・チャンホンを3番手で登板させ、何度か逆転のピンチを招くが見事9回まで相手を無得点に抑えた。
 SKも4回以降はチョン・ウラム、ユン・ギルヒョン、カ・ドゥギョム、チョ・ウンチョンの継投で勝ち越し点を与えず、試合は延長戦に突入する。SKは10回表から守護神チョン・デヒョンをマウンドに送ったが、1死1,3塁のピンチを招いてしまうものの何とかしのいだ。LGも10回裏から守護神ウ・ギュミンをマウンドに送ったが、11回裏先頭の代打チョン・サンホにレフトポール際へ特大のサヨナラ本塁打を打たれ、SKが4時間半以上の雨中の激闘に終止符を打った。
 開幕戦でのサヨナラ本塁打プロ野球が始まった1982年のMBC(現LG)のイ・ジョンド以来26年ぶり2度目で、代打でのサヨナラ本塁打は史上初だった。次代の正捕手候補チョン・サンホは最高の結果を出し、SKの選手層の厚さを見せ付けた。SKではチョン・グヌが3安打1打点、LGではイ・ジョンヨルが4安打3打点と活躍。

[史上初の開幕戦代打サヨナラ本塁打を打ったチョン・サンホ。]


ロッテ 11−1 ハンファ  (大田)
(勝)ソン・ミンハン 1勝  (敗)リュ・ヒョンジン 1敗
本塁打) ロッテ : カン・ミンホ 1号、チョン・ボミョン 1号
 開幕投手はハンファが2年連続で左腕リュ・ヒョンジン、ロッテが4年連続で右腕ソン・ミンハンと、かつての最多勝投手のエース対決となった。だがリュ・ヒョンジンは1回表から調子がおかしく、先頭のキム・ジュチャンから連続四球を与えると3塁へ盗塁を許し、3番パク・ヒョンスンの併殺打の間にロッテが1点を先制した。ロッテは2回表1番キム・ジュチャンの犠牲フライで1点、4回表9番パク・キヒョクのタイムリーで1点を追加した。ロッテの先発ソン・ミンハンは毎回のように走者を出すものの、粘り強い投球で得点を許さない。
 ロッテは6回以降打線が爆発し、6回表リュ・ヒョンジンから追加点のチャンスを作ると、代わった2番手ヤン・フンからキム・ジュチャン、パク・ヒョンスン、4番イ・デホのタイムリーで4点、7回表ハンファの4番手キム・ペンマンからパク・キヒョクのタイムリーで1点、8回表6番カン・ミンホ、7番チョン・ボミョンの連続本塁打で3点を追加した。ハンファは7回裏相手のエラーで1点を返したが、その後ナ・スンヒョン、キム・ヨンスのリリーフ陣が反撃を断ち、ロッテが先発全員安打の16安打と打線の爆発で2007年わずか4勝しかできなかった苦手のハンファに快勝し、ロイスター新監督に公式戦初勝利をプレゼントした。
 3月に北京五輪予選に出場したリュ・ヒョンジンは、プロ3年目にして自己最悪の1試合7四球を与えてしまい今季も開幕戦で勝てず、チームも大敗してしまった。ソン・ミンハンは6回途中で降板したが、リュ・ヒョンジンとの投げあいに勝ち見事開幕戦を白星で飾った。その他ロッテではイ・デホが4安打1打点、キム・ジュチャンが3打点、兵役から復帰したチョ・ソンファンが3安打と活躍した。ハンファは主砲キム・テギュンが負傷で開幕1軍から外れ、わずか6安打しか打てず完敗。

 
キア 3−4 サムソン  (大邱
(勝)ユン・ソンファン 1勝  (セーブ)オ・スンファン 1S  (敗)ユ・ドンフン 1敗
本塁打) キア : キム・サンフン 1号
 今季もサムソンは本拠地大邱(テグ)で開幕戦を迎え、1982年の球団創設当時の選手やコーチたちが出席しサイン会など各種イベントが行われ、球場は満員の観衆でにぎわった。サムソンの開幕投手はひじの手術のリハビリから復活したエースのペ・ヨンスで、キアは話題の大物新外国人リマだった。
 サムソンはエースの復活にこたえるべく、1回裏3番ヤン・ジュンヒョク、4番シム・ジョンスの内野ゴロの間に2点を先制した。ペ・ヨンスは1回表のピンチをしのぐと4回まで無得点に抑えていたが、キアは5回表8番キム・サンフンの本塁打で1点を返すと、ペ・ヨンスの暴投で2−2の同点に追いついた。なおも続くピンチでサムソンは2番手クォン・ヒョクをマウンドに送ったが、4番の大卒新人ナ・ジワンに逆転の犠牲フライを打たれてしまう。
 サムソンは6回裏リマから5番の新外国人クルーズのタイムリーで3−3の同点に追いつくと、8回裏キアの2番手ユ・ドンフンからチャンスを作り、代わった3番手のヤン・ヒョンジョンからクルーズの2打席連続タイムリーで逆転した。6回以降アン・ジマン、ユン・ソンファンなどの中継ぎ陣が相手に得点を許さず、最後は守護神オ・スンファンが1打逆転の場面を招いたが何とか抑え、前王者サムソンが開幕戦勝利と王座奪回へ向かって第一歩を踏み出した。期待の新外国人クルーズが決勝タイムリーを含む2打点、1番パク・ハニ、2番シン・ミョンチョルが3安打と活躍。キアは1番イ・ヨンギュが3安打と活躍したが、チーム全体では6安打と後が続かなかった。

[満員の観衆で埋まるサムソンの開幕戦。]
(文責 : ふるりん)