DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  サマーリーグ初代MVPはシム・ジョンス(サムソン)

 KBO(韓国野球委員会)は20日、記者投票により7月15日から8月14日まで行われたプロ野球史上初のサマーリーグMVP(最優秀選手)にシム・ジョンス(サムソン)を選出した、と発表した。シム・ジョンスは同リーグ期間中打率.319、7本塁打、23打点を記録し、サムソンの初代サマーリーグ優勝に大きく貢献した。
 2004年オフ現代からサムソンへ4年総額最大60億ウォンで移籍したシム・ジョンスは、年俸7億5000万ウォンと韓国プロ野球史上最高年俸の選手となったが、2005年28本塁打を記録しサムソンの韓国シリーズ優勝に貢献したものの、2002年46本塁打、2003年53本塁打を記録した実績から考えると年俸に見合った成績とは言えず、その年のオフには肩の手術を受けた。その影響もあり、2006年はシーズンの大半を棒に振りわずか1本塁打に終わった。今季は打率こそ.252にとどまっているが、本塁打(25本)、打点(82点)の2冠王となり、復活を印象付ける1年となっている。シム・ジョンスには賞金500万ウォン(約61万円)が送られる。
 なお、優秀打者賞には同リーグ期間中打率.431と、最下位に低迷するチームの中で気を吐き続けているイ・ヒョンゴン(キア)が選ばれた。イ・ヒョンゴンは現在打率.341でシーズンを通しても首位打者に立っている。優秀投手賞には抑えとして10セーブをあげチームの同リーグ優勝に貢献したオ・スンファン(サムソン)が選ばれた。オ・スンファンは現在31セーブで、シーズンを通してもセーブ王争いトップに立っている。両選手には賞金200万ウォン(約24万4000円)が送られる。
 なお、今季初の試みとして導入されたサマーリーグは、オールスター戦(7月17日)前最後の3連戦の最終戦(7月15日)から始まり、3連戦の最初の試合(8月14日)で終了したことからもわかるように、事務的に設定された中途半端な時期に行われた。また全23試合と他の7球団と均等に試合を行ったわけでもなかった。要は公式戦126試合の一部を無造作に切り取っただけだった。
 そのため、優勝したとしてもチームに賞金2億ウォンが送られるだけで、年間総合順位には何の影響も与えないため、各球団の関係者や選手たちのやる気を起こさせず、ファンの関心を引くこともできなかった。各球団もサマーリーグに合わせたイベントなどを行ったわけでもなかった。その点ではサマーリーグは大失敗であり、来季以降もこの企画を行うのであれば、米国・大リーグのインターリーグや、日本プロ野球のセパ交流戦のようなしっかりした形式のものにし、年間総合順位やポストシーズンに何らかの影響を与えるものにする必要があろう。