DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   サムソン、SK延長12回引き分け  五冠王リュ・ヒョンジンの今季初勝利でハンファが単独首位に

サムソン 1−1 SK  (仁川・文鶴)
 試合はサムソンの先発ブラウン(元阪神)、SKの先発の新外国人ロマノ(元広島)の投手戦となった。サムソンは2回表1死1,2塁のチャンスで7番チョ・ヨンフンが内野ゴロに倒れ、2塁へ送球された際ベースカバーに入っていたショートのチョン・グヌが悪送球し、1点を先制する。だがその後はロマノに抑えられてしまう。
 SKはブラウンの前に6回まで無得点に抑えられていたが、7回裏8番チェ・ジョンのタイムリーで1−1の同点に追いつく。ロマノは8回を1失点に抑えたが打線はサムソンの2番手クォン・ヒョクから得点を奪えず、サムソンは9回表の勝ち越しのチャンスを逃し、試合は延長戦に入る。
 SKはチョン・デヒョン、ユン・ギルヒョンらのリリーフ陣がサムソンに得点を許さず、打線は11回、12回とサヨナラ勝ちのチャンスを作ったが、オ・サンミン、オ・スンファンなどサムソンのリリーフ陣に抑えられ、4時間17分にも及んだ試合は12回終了時点で規定により引き分けに終わった。SKにとっては早くも今季2度目の引き分け。

[12回裏、試合終了直前の文鶴(ムナク)野球場のスコアボード。]
    

ハンファ 2−1 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)リュ・ヒョンジン 1勝  (セーブ)チェ・ヨンピル 1S  (敗)キム・スンフェ 1敗
 本拠地・蚕室野球場でまだ勝利のないトゥサンは3回裏、1死1,3塁のチャンスで2番ユン・ジェグクの打球をハンファの先発リュ・ヒョンジンがエラーし1点を先制した。ハンファは4回表トゥサンの先発ランデル(元読売)から、4番キム・テギュンの犠牲フライで1−1の同点に追いつく。リュ・ヒョンジンは好投しトゥサンに得点を許さなかったが、ランデルも好投し7回を1失点に抑えた。
 1−1で迎えた9回表、ハンファはトゥサンの2番手キム・スンフェから2死3塁とチャンスを作ると、代打ペク・チェホの打球をサードのキム・ドンジュが悪送球し、1点を勝ち越した。9回裏はチェ・ヨンピルが抑え、ハンファが逆転勝ちで投手戦を制し、今季4勝1敗1分としLGに敗れたロッテに代わって単独首位に浮上した。
 2006年高卒新人で投手三冠、新人王、MVPの五冠に輝いたリュ・ヒョンジンは8回1失点と、SKにノックアウトされた6日の開幕戦の悪夢を吹き飛ばす今季初勝利をあげ、2年目のジンクスの不安を覚える周囲の声を静めることに成功した。トゥサンは3連敗で、今季1勝4敗とスタートダッシュに失敗し最下位転落。


現代 0−2 キア  (光州)
(勝)チョン・ウォン 1勝  (セーブ)ハン・ギジュ 1敗1S  (敗)イ・ヒョンスン 1敗
 試合はプロ初先発となったキアの新人左腕ヤン・ヒョンジョン、現代の先発でプロ2年目の左腕チャン・ウォンサムの投手戦となった。2人の若手左腕は互いに6回途中まで無失点に抑えた。キアは8回裏現代の3番手イ・ヒョンスンから1死1,2塁のチャンスを作ると、代わった4番手ファン・ドゥソンから7番ソン・ジファンのタイムリーでやっと1点を先制し、続く途中出場のチャ・イルモクのバントでもう1点を追加した。
 キアはシン・ヨンウン、チョン・ウォンの中継ぎ陣、新守護神ハン・ギジュが現代に反撃を許さず、完封リレーで勝利した。現代はソン・ジマン、イ・テックン、ブランボー(元オリックス)、チョン・ソンフンなどの中軸打者が全員無安打と、打線がまったく機能しなかった。

[プロ初先発で好投したヤン・ヒョンジョン。]
        

LG 7−5 ロッテ  (釜山・社稷
(勝)ハリッカラ 1勝1敗  (セーブ)ウ・ギュミン 2S  (敗)チャン・ウォンジュン 1勝1敗 
LGは1回表ロッテの先発チャン・ウォンジュンから2番イ・ジョンヨルの内野ゴロの間に1点を先制すると、2回表8番チョ・インソンのタイムリーで2点、3回表6番マ・ヘヨンの犠牲フライと7番キム・サンヒョンのタイムリーで2点を追加し、チャン・ウォンジュンをノックアウトした。さらに4回表ロッテの2番手パク・ソクチンなどから2番イ・ジョンヨルのタイムリー、3番パク・ヨンテクの犠牲フライで2点を追加し、7−0と大きく突き放した。
 ロッテは4回裏LGの先発ハリッカラから4番イ・デホ、5番カン・ミンホのタイムリー、7番ソン・インホの犠牲フライで3点を返した。ハリッカラはその後も同点のピンチを迎えたが相手の拙攻に助けられ、リードを守ったまま7回途中で降板した。ロッテは8回裏LGの3番手シム・スチャンから6番パク・ヒョンスン、代打チェ・ギョンファンのタイムリーで2点を返したが、この回途中から登板した守護神ウ・ギュミンが反撃を断ち、13安打を記録したLGが前日11日の逆転負けの借りを返す勝利をあげた。
 ハリッカラはサムソンからの移籍後初勝利。外野のレギュラー定着を目指す俊足の1番イ・デヒョンが3安打で勝利に貢献した。ロッテは主砲イ・デホ、ベテラン内野手パク・ヒョンスンが3安打と活躍したが、序盤の大量失点が響いた。今回の3連戦は白熱した試合展開が多く、ロッテの本拠地釜山のファンを熱狂させたが、両チームともに失策や拙攻が多く、今後上位争いを繰り広げる可能性をあまり感じさせなかった。
(文責:ふるりん)