DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  公式戦総合

 2005,06年は韓国シリーズで連覇した王者サムソンが首位を走り続け、それを他球団が追いかけるという展開の優勝争いだった。だが、その王者サムソンも2006年シーズン終盤から勢いに陰りが見え始め、ハンファとの韓国シリーズも4勝1敗1分けで優勝したが、3度も延長戦にもつれこみ苦戦した試合が多く、2005年トゥサン相手に無傷の4連勝で優勝したときの強さは感じられなかった。その後のアジアシリーズでも、台湾プロ野球を圧倒的な力で制したが格下と見ていたLa Newに接戦の末敗れ、決勝進出を逃した。今季の示範競技でも成績は振るわなかったところを見ると、サムソンにかつての他球団を圧倒する程の力はなく、これまでのように絶対的な優勝候補とは言い切れなくなってきている。
 だが、ソン・ドンヨル監督率いるサムソンは投手陣を中心に選手層が厚く経験豊富な選手が多いので、今季も優勝争いに絡んでくることは確実だ。8球団1の強力打線のハンファ、キム・ソングン監督就任で若手が伸び投打ともにレベルアップしたSKも優勝争いの中心となり、三つ巴の争いが予想される。ハンファは2006年高卒新人ながら投手三冠王になったリュ・ヒョンジンを中心とした投手陣に、SKは新人や若手、新外国人投手レイボーン、ロマノ(両名とも元広島)への依存度が高いなど不安要素があり、首位を独走するチームは出てきにくいと思われる。
 その他の5球団はし烈な4位争いを演じると思われる。2006年公式戦2位だった現代は球団売却騒動によるグラウンド外の不安要素が大きく、キム・シジン新監督の手腕も未知数だ。2006年公式戦4位のキア、同5位のトゥサンは戦力的に大きな上積みはない。
 最下位争いを続けたロッテは示範競技が好調で投手陣が強化され、LGも球団史上初の最下位からの巻き返しを図るため、キム・ジェバク新監督を現代から迎え、例年にない大型補強をした。下位チームの底上げにより、4位以降は2006年とは順位ががらっと入れ替わってもおかしくはない。ただ、この5チームから公式戦優勝チームが出る見通しは低い。
 韓国シリーズ優勝のためには圧倒的に有利な立場の公式戦優勝をどの球団も狙ってくるため、各球団の力が拮抗してきた今季は最後まで見逃せない展開となるだろう。白熱した優勝争いにより、例年になく盛り上がり多くのプロ野球ファンが球場に詰め掛け、韓国プロ野球復興の1年となることを期待したい。
(各球団の戦力分析は、3月26−4月2日付記事を参照)