DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  大会展望

 今大会から出場チームが6に増えたため、総当たり戦ではなく、グループA(サムソン、Lamigo、チャイナスターズ)、グループB(ロッテ、読売、パース)の2つに分けてそれぞれの1位が決勝で対戦する。
 グループAは2011年大会で韓国からの出場チームとして初優勝をとげたサムソンライオンズが本命である。2012年シーズン、圧倒的な強さで韓国シリーズ2連覇を達成し、アジアシリーズも大会初の連覇を狙う。タルボット、ゴードンの両外国人、ひじの痛みで参加できない先発陣の一人ユン・ソンファンを除き、大半の主力選手が参加する。一番の強敵は、前身のLa new以来6年ぶりの出場となった台湾王者Lamigo(9日に対戦)であり、2006年大会での直接対決でサムソンは敗れ決勝進出を逃している。Lamigo戦の先発は、2011年大会で台湾代表・統一相手に好投したペ・ヨンス(12勝)が予想される。林智勝、陳冠任、林泓育といった台湾を代表する強打者がそろった攻撃陣は要注意だ。
 そして2戦目の若手主体のチャイナスターズ戦は、チャ・ウチャンや2012年シーズン不振だった若手チョン・イヌクなどの起用が予想される。打線は精神的支柱のイ・スンヨプ(元オリックス)、パク・ソンミン、チェ・ヒョンウ、パク・ハニ、チン・ガビョンなど主力がそろい、ほぼシーズン通りの手堅く勝つ方法を知り尽くした野球が展開できる。
 グループBで、開催地枠として参加するロッテはやや厳しい状況だ。公式戦を4位で終え、3位トゥサンとの準プレーオフには勝利したが、2位SKとのプレーオフで敗れ、韓国シリーズ出場すらならなかった。ユーマン、サドースキーの両外国人が参加しないため、先発陣がソン・スンジュン、コ・ウォンジュンの2人だけとなっている。またチョン・デヒョン、カン・ヨンシクといった信頼できるリリーフ陣が故障のため出場しない。だがカン・ミンホ、ホン・ソンフン、ソン・アソプ、チョン・ジュヌなどの主力打者はそろい、得点力は高い。まず緒戦のパース戦でソン・スンジュン(7勝)が登板し、確実に勝利をものにしたい。しかしパースには、かつてハンファで活躍し、近年はオーストラリアリーグ・シドニーに所属しているベテラン左腕ク・デソンが特別参加するため、知り尽くした韓国の地でロッテ相手に投げることも予想される。
 サムソンに並ぶ優勝候補とされるのが、2012年セントラルリーグを圧倒的な力で制し、3年ぶりの日本シリーズ優勝をとげた読売である。内海、杉内、ホールトンなど主力先発投手陣が参加しないが、阿部、坂本、長野、村田といった主力野手たちはこぞって参加し、大会6チーム中最強の打線となっている。特に10日の決勝進出をかけた一戦となる可能性が高いロッテ−読売は、日韓屈指の人気球団であるジャイアンツ対決として注目を浴びている。ロッテの先発はコ・ウォンジュン(3勝)、読売の先発は澤村(10勝)ではないかと予想される。
 
 もし予想通りサムソン、読売が決勝に進出した場合、サムソンの先発は2012年最多勝投手(17勝)のチャン・ウォンサム、読売は若手右腕の宮国(6勝)ではないか、と予想される。サムソン、ロッテといった地元韓国勢の2年連続優勝なるか、初出場の読売が前年福岡ソフトバンクが失ったアジアプロ野球の王座を日本に取り戻すか、そしてLamigo、パース、チャイナスターズといった他勢力の大番狂わせはあるのか、アジアの頂点の座をかけた戦いから目が離せない。
(文責 : ふるりん