DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国シリーズ第5戦  サムソンが5年ぶり4度目の優勝  アジアシリーズ2011出場決定

2011年 韓国シリーズ 第5戦

SK 0−1 サムソン  (ソウル・蚕室)
(勝)チャ・ウチャン 2勝  (セーブ)オ・スンファン 3S  (敗)ゴードン 2勝2敗
本塁打) サムソン : カン・ボンギュ 1号

 サムソンが優勝に王手をかけた韓国シリーズ第5戦は、中立地の蚕室野球場に満員の観客を集め、2010年バンクーバー冬季五輪女子フィギュア金メダリストのキム・ヨナの始球式で始まった。



(金メダリストのキム・ヨナによる始球式。)


 SKは1回表、サムソンの先発チャ・ウチャンから2死後3番チェ・ジョンがヒットで出塁したが、けん制に引っ掛かり塁間で挟まれアウトとなってしまった。サムソンも1回裏、SKの先発ゴードンから1番ペ・ヨンソプの四球、4番チェ・ヒョンウのヒットでチャンスを作ったが生かせなかった。SKは2回表5番アン・チヨンの四球、6番チェ・ドンスの2塁打、7番キム・ガンミンの四球で1死満塁のチャンスを作ったが、ここはチャ・ウチャンが8番チョン・サンホ、9番パク・チンマンを連続三振に取り、またもピンチを切り抜けた。
 SK、サムソンは3回もともにチャンスを生かせず、SKは4回表7番キム・ガンミンの2塁打でチャンスをつくったが、ここでまたもパク・チンマンが三振に倒れた。すると4回裏、サムソンは6番カン・ボンギュのソロ本塁打で1点を先制した。チャ・ウチャンは5回表を初めて三者凡退に抑えると、SKは5回裏から2番手オム・ジョンウクを登板させ継投策に出た。



(4回裏カン・ボンギュの本塁打で1点先制。)


(無失点に抑えたチャ・ウチャン。)


 このあとサムソンは7回表、サードのパク・ソンミンが見事に併殺打を完成させるなど好守備もあり、SKにチャンスを作らせない。チャ・ウチャンは7回を無失点に抑え、8回から2番手アン・ジマンが登板した。しかしSKは先頭の1番チョン・グヌが内野安打で出塁し、2番パク・チェサンがきっちりバントで2塁へ送り、1死2塁としたがここでチェ・ジョンは三振に倒れた。4番パク・チョングォンは敬遠され、ここで守護神オ・スンファンが登場となった。そしてアン・チヨンは初球を打ち上げ、SKはまたもチャンスを生かせなかった。オム・ジョンウクも5回から8回まで無失点と、こちらも力投した。

 結局オ・スンファンは9回表を三者凡退で抑え、サムソンが4勝1敗で2006年以来5年ぶり4度目の韓国シリーズ制覇(年間総合優勝は通算5度目)を成し遂げた。また、リュ・ジュンイル監督は、2005年のソン・ドンヨル監督(元中日、当時サムソン監督)に次いで新人監督として史上2人目となる韓国シリーズ優勝を達成した。なお、韓国シリーズMVP(最優秀選手)は勝利した4試合すべてに登板し、3セーブを記録したオ・スンファンが2005年に次いで2度目の受賞となった。



(韓国シリーズMVPを受賞したオ・スンファン。)

 サムソンはこの韓国シリーズ、8得点を記録した第4戦を除いてすべて接戦であり、豊富な先発陣、オ・スンファンを中心とした鉄壁のリリーフ陣で見事に守り抜いた。強力な打者はいなかったが、勝負所を知る選手たちが多かった。

 また、公式戦3位ながらキアとの準プレーオフ、ロッテとのプレーオフを勝ち抜き5年連続で韓国シリーズ進出を果たしたSKは、投手陣は奮闘したが2試合も完封負けを喫するなど、打線がことごとくサムソンの投手陣に抑えられ、サムソン相手に無傷の4連勝で優勝を果たした2010年とは逆の立場となってしまった。だが8月のキム・ソングン監督の突然の更迭後チームを率いてきたイ・マンス監督代行はその手腕を高く評価され、今後、正式に監督就任となる見込みであり、2012年シーズンは王座奪回を目指すこととなる。


(SKを韓国シリーズまで導いたイ・マンス監督代行。)


 これで2011年シーズンのプロ野球は幕を閉じることになる。だが韓国シリーズ優勝を果たしたサムソンは、2008年以来3年ぶりに開催が決まっているアジアのプロ野球ナンバー1を競う「アジアシリーズ2011」(11月25-29日、台湾・桃園など)に韓国チャンピオンとして出場が決まり、次なる戦いに備えることとなる。サムソンは韓国代表として最多3度のアジアシリーズ出場となり、韓国のチームとして初のアジアシリーズ優勝を目指す。