DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  ウェスタンリーグ、イ・ビョンギュ(LG、元中日)のタイムリーで延長10回逆転サヨナラ勝ち

イースタンリーグ 4−5 ウェスタンリーグ  (ソウル・蚕室)
(勝)パク・ヒョンジュン(LG)  (敗)オ・スンファン(サムソン)
本塁打) イースタン : チェ・ヒョンウ(サムソン)  ウェスタン : チョ・インソン(LG)

1982年のプロ野球創設から30年目に当たる2011年シーズンのオールスター戦は、23日超満員の観客を蚕室野球場に集めて盛大に行われた。球場の内外で多様なイベントが実施され、試合開始前の昼間から野球ファンたちが大勢集まり大変な賑わいを見せた。
 
 球場内ではホームラン競争予選だけでなく、初の試みとなる野手スピードガンコンテストが実施され、高校時代投手として活躍し、2009年には1軍でも登板したチェ・ジョン(SK)が優勝した。


(豪快なフォームから時速147kmの速球を投げたチェ・ジョン。)


 試合開始前にはファン投票で選出された過去の名選手が集まるレジェンドオールスター10名の表彰が行われ、ファンたちの拍手喝采により30周年のオールスター戦を例年にない独特の空気が包み込んだ。そしてレジェンドオールスター捕手部門で最多得票のイ・マンス(現SK2軍監督)が投球し、その球を同投手部門のソン・ドンヨル(前サムソン監督、元中日)が受けるという粋な計らいで始球式が行われ、熱戦の火ぶたが切られた。


(始球式を行うイ・マンスソン・ドンヨルの逆バッテリー。)


 試合はイースタンリーグ(SK、サムソン、トゥサン、ロッテ)の先発がチャ・ウチャン(サムソン)、ウェスタンリーグ(キア、LG、ネクセン、ハンファ)の先発がユン・ソンミンで開始された。ウェスタンリーグは1回裏3番イ・ボムホ(キア、元福岡ソフトバンク)、4番イ・ビョンギュ(LG、元中日)のタイムリーで2点を先制し、2回裏7番チョ・インソン(LG)の本塁打で1点を追加した。チャ・ウチャンは2回3失点とオールスター戦の先発としては不満の残る内容だったが、ユン・ソンミンは2回途中まで無安打無失点で降板し、2番手ロペス(キア)に交代した。
 イースタンリーグは3回から2番手キム・ソヌ(トゥサン)を登板させ、さらに普段は内野を守るイ・デホ(ロッテ)がレフトの守備につき、ファンたちを大いに楽しませた。また毎年パフォーマンスを披露してくれるホン・ソンフン(ロッテ)は、3回表の打席でネクセンの人気マスコット・トクトリのTシャツを着て打席に立ち、代わりにトクトリがホン・ソンフンのユニフォームを着るというユーモラスな場面が見られた。


(レフトで飛球を追うイ・デホ。)


 イースタンリーグは4回表、ウェスタンリーグの3番手ヤン・フン(ハンファ)から6番チョン・グヌの犠牲フライで1点を返し、5回表1番チェ・ヒョンウの2ランで3−3の同点に追いついた。5回裏にはホームラン競争の決勝が行われ、パク・チョングォン(SK)がチェ・ヒョンウ(サムソン)を下し初優勝となった。

 イースタンリーグは4回以降チャン・ウォンジュン(ロッテ)、ニッパート(トゥサン)、チョン・ウラム(SK)の継投で得点を与えず、ウェスタンリーグもパク・チョンジン(ハンファ)、キム・ソンテ(ネクセン)、ジュキッチ(LG)の好投で逆転を許さなかった。試合は9回を終えても3−3の同点だったため、無死1,2塁の場面で開始されるタイブレーク方式の延長戦となった。イースタンリーグは10回表、ウェスタンリーグの7番手パク・ヒョンジュン(LG)からパク・チョングォンの内野ゴロの間に1点を勝ち越したが、追加点を奪えなかった。


(帽子を斜めにかぶりファンキーさを演出したパク・ヒョンジュン。)


 するとウェスタンリーグは10回裏、イースタンリーグの7番手オ・スンファン(サムソン)からチョン・ソンフン(LG)のタイムリーで同点に追いつくと、続くイ・ビョンギュのタイムリーで5−4とサヨナラ逆転勝ちした(通算ではウェスタンリーグの13勝22敗)。


 試合後は各表彰が行われ、最大の注目を集めたオールスター戦MVP(最優秀選手)は2安打1打点、10回裏のサヨナラタイムリーを打ったイ・ビョンギュが受賞した。韓国でのプロ生活12年目、36歳での受賞は史上最年長。
 

(自身初のオールスター戦MVPを受賞したイ・ビョンギュ。)


 こうしてプロ野球30周年の記念すべきオールスター戦は、例年以上の盛り上がりの中幕を閉じた。昨今になく隆盛を極めるプロ野球において、特にファンたちの脳裏にいつまでも刻まれるであろうすばらしい一夜限りの真夏の祭典となった。