DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2月3日  キアタイガース (宮崎県日向市・お倉ヶ浜総合公園野球場)

 かつて大阪近鉄バファローズ(2004年限りで解散)が長年使用してきた日向市・お倉ヶ浜総合公園は、2007年からキアタイガースが春季キャンプ地として利用しています。
 お倉ヶ浜総合公園は日向灘に面した広い砂浜に近く、野球場や補助グラウンドのみならず、サンドーム日向という室内練習場までそろっています。


 ところが野球場の施設がやや貧弱で、選手用のロッカールームがなく、あまり客席も広くありません。
 これでは日本のプロ野球チームが使いたがらないのもしかたがありません。

 それでもキアは温暖な気候の日向市で毎年練習を重ねていて、市民たちの間でも春季キャンプが風物詩となりつつあります。
 

 1月は日向市でも寒い日々が続いたそうですが、管理人が訪れた2月3日はよく晴れ気温も上がり、選手にとっては練習しやすかったと思われます。

 2月3日は、旧暦の元旦に当たるため、練習開始前の午前9時からは新年の挨拶があったそうです。
 午前中はグラウンド、ブルペンで野手、投手が個人練習にいそしんでいました。
 1月末にキアと契約した大型内野手イ・ボムホ(元福岡ソフトバンク)もすでに合流していて、WBC(ワールドベースボールクラシック)に2度韓国代表として出場したため、イ・ヨンギュ、チェ・ヒィソプなど韓国代表だった選手たちと親しく、チームにすっかり溶け込んでいました。


(背番号25がイ・ボムホ。隣はチェ・ヒィソプ。)


 さて、2011年からキアには平野謙打撃コーチ、高橋雅裕守備コーチと2人の日本人コーチがやってきました。
 午前中の練習で、平野コーチは選手のフリー打撃をじっと見守り、高橋コーチはサブグラウンドで若手選手にノックを浴びせるなど、威勢のいい声を張り上げ続けていました。


(ノック中の高橋雅裕コーチ。)

 平野コーチ、高橋コーチともに韓国での指導経験はないため、選手や監督、他のコーチとの会話は通訳さんに頼る形となります。
 こちらは日本語通訳の1人ソ・ヨンモクさんで、韓国そのものに慣れていないお2人のコーチにとって公私ともども頼れる存在であります。


 この日は午後から、春季キャンプ初の紅白戦がありました。
 
 白組の先発は高卒新人のホン・ゴンヒィです。

 赤組の先発は中継ぎで活躍するキム・ヒィゴルです。


 初の紅白戦の先発に指名され、大いに期待されていたと思われるホン・ゴンヒィは、緊張からかストライクが入らず、キム・サンヒョン、チェ・ヒィソプなどの主力野手がそろった赤組に簡単に点を奪われ、2回3失点と散々な結果でした。
 

 しかし白組もイ・ヨンギュ、シン・ジョンギルなどの活躍でキム・ヒィゴルからすぐに2点を奪い、6回まで行われた試合は接戦となり4−3で赤組が勝ちました。
 この試合、まだキアに合流して日が浅いイ・ボムホは出場せず、ユン・ソンミン、ヤン・ヒョンジョン、ロペス、ソ・ジェウン、新外国人トラビスなど先発ローテーション入りが確実な投手たちも登板しませんでした。
 ですが速球に力のあるクァク・チョンチョルが最後に登板するなど、抑えとしての適性を見るなどのテストもあったように思います。
 試合中には高橋コーチの声が球場に響き渡り、日本語で選手たちを叱咤激励し続けていました。


 試合は午後4時前に終わり、選手はブルペン、グラウンドなどに散り練習を続けました。


 キアの日向市でのキャンプは2月24日まで続き、13日にはトゥサン(お倉ヶ浜)、18日には読売(宮崎市ひむかスタジアム)、19日には東京ヤクルト(西都原運動公園)との練習試合も予定されています。
 2月末は鹿児島市周辺でロッテジャイアンツなどとの練習試合が行われますので、九州南部にお住まいの方はぜひ一度キアのキャンプもご覧になってはいかがでしょうか。

 
(文責 : ふるりん