サムソンは30日、2005年以降6年間指揮を執ってきたソン・ドンヨル監督(47、元中日)の辞任と、リュ・ジュンイル新監督(47)の就任を発表した。その背景として、12月になり団長と社長の交代という球団の上層部の人事異動により、人心刷新ということでソン・ドンヨル監督も辞任を表明し、リュ・ジュンイル1軍作戦コーチが後任として推薦されたと球団側は述べている。
現役時代国宝級投手として光州を本拠地とするヘテ(現在のキア)、日本プロ野球・中日で素晴らしい成績を収めたソン・ドンヨル監督は、現役時代に大邱(テグ)を本拠地とするサムソンとは何の縁もなかった。しかしヘテ時代の監督で、2000年からサムソンの監督となったキム・ウンニョン監督に誘われ、2004年からサムソンの首席コーチとなった。2005年同監督の勇退後ソン・ドンヨル監督が就任し、キム・ウンニョン前監督は球団社長となり、ヘテ出身者の球団社長、監督という異色の体勢でサムソンは2005,06年と2年連続韓国シリーズ優勝という結果を出した。
その後は優勝争いから遠ざかりやや低迷したが、2010年シーズンは若手への世代交代で2位に浮上し、韓国シリーズでSKに4連敗したものの、2011年シーズンも期待できる内容だった。ところがキム・ウンニョン社長の退任など球団上層部が交代し、その余波をソン・ドンヨル監督も受けることになったと思われる。しかも、ソン・ドンヨル監督は2009年オフ5年契約を結んでいて、4年の契約期間を残したままの退任となった。ソン・ドンヨル監督の監督6年間の通算成績は770試合、417勝340敗13分け、勝率.551。今後は球団運営委員としてサムソンに残る予定。
リュ・ジュンイル新監督は大学卒業後1987年サムソンに入団し、現役時代はショートのレギュラーとして活躍した。現役引退後2000年からコーチに就任し、現役、指導者時代を通じて24年間サムソン一筋で活躍してきた生え抜きであり、地元大邱出身である。2011年を前にして、サムソンには大きな変革の波が訪れた。