2010年 準プレーオフ 第５戦
ロッテ ４−１１ トゥサン （ソウル・蚕室）
（勝）キム・ソヌ １勝 （敗）ソン・スンジュン １敗
（本塁打） ロッテ ： カン・ミンホ １号
勝ったほうがプレーオフ進出となる準プレーオフ第5戦は、蚕室野球場に27000人の超満員の観客を集め、斗山の先発がキム・ソヌ、ロッテの先発がソン・スンジュンで開始された。
トゥサンは1回裏先頭の1番イ・ジョンウクへの死球をきっかけに2死1，2塁と先制のチャンスを作るが、生かすことができなかった。ロッテは2回表1死後5番ホン・ソンフンのヒットでチャンスを作ろうとしたが、6番ガルシア(元オリックス)の当たりがファーストの正面のライナーとなり、ダブルプレーで流れを作れない。するとトゥサンはその裏7番イム・ジェチョルのセーフティーバントをきっかけに1死1，2塁のチャンスを作ると、9番ヨン・ドカンのタイムリーで2点を先制した。
ロッテも3回表7番チョン・ジュヌ、8番カン・ミンホのヒットで無死1，3塁のチャンスを作ったが、ここで9番ファン・ジェギュンのサードゴロで3塁走者が本塁へ突っ込んでしまいアウトとなった。このあと1番キム・ジュチャンへの四球で満塁となるが、結局キム・ソヌの暴投で1点を返しただけで、同点に追いつくことはできなかった。するとトゥサンはその裏、この回途中で代わったトゥサンの2番手イ・ジョンフン、3番手サドースキーから5番キム・ドンジュ、8番ソン・シホンのタイムリー、ヨン・ドカンの犠牲フライ、イ・ジョンウクのタイムリーで一気に5点を追加し、7−1とリードを広げた。
(3回裏ソン・シホンのタイムリーなどでトゥサンが一気にリードを広げる。)
トゥサンは5回裏サドースキーから途中交代の3番チョン・スビン、4番チェ・ジュンソクのタイムリーで2点を追加したが、ロッテも6回表3番チョ・ソンファンのタイムリーで1点を返しキム・ソヌを交代させると、トゥサンの2番手コ・チャンソンから4番イ・デホのタイムリーでもう1点を返した。だがこの回の反撃もさらに代わったトゥサンの3番手ウォーランド(元横浜)によって断たれた。トゥサンはその裏2死1，3塁の場面で1塁走者が盗塁を試みたら、セカンドのベースカバーに誰もいなかったため捕手の送球が外野へとそれ、3塁走者が生還しもう1点を追加すると、さらに2番オ・ジェウォンのタイムリーで11−3と8点差に広げた。
ロッテは7回表カン・ミンホの本塁打で1点を返し、なお2死1，2塁のチャンスを作ったがウォーランドに抑えられた。トゥサンは8回途中から4番手チョン・ジェフンを登板させ、ロッテの反撃を完全に断ち11−4で大勝し、第1，2戦と連敗したが第3戦からの3連勝と大逆転劇で2007年以来4年連続のプレーオフ進出を決めた。6回途中まで1失点に抑えたキム・ソヌが勝利投手。またウォーランドが6回途中から8回途中まで1失点の好リリーフで流れを呼び寄せた。
(勝利に貢献したウォーランドとヨン・ドカン。)
16安打と爆発したトゥサン打線ではヨン・ドカンが3安打3打点、ソン・シホンが3安打2打点と活躍。特に公式戦では目立たない控え捕手だったが、準プレーオフ第4戦で途中出場し、2試合連続で3安打、そして決勝タイムリーを打つ活躍を見せたヨン・ドカンが、準プレーオフMVPに選ばれた。公式戦終盤調子が上がらなかった3位トゥサンは、ロッテの勢いの前に第1，2戦と連敗したが、第3戦の接戦を制すると息を吹き返し、過去数年間のポストシーズンでの勝利の経験を生かし、第4戦以降は地力の差を見せ付けた。特に不調のイ・ソンヨル、コ・ヨンミンなどの主力選手を途中から外し、キム・ギョンムン監督が起用したヨン・ドカン、チョン・スビンなどの控え選手が活躍し、大逆転劇を演出した。
(準プレーオフMVPに輝いたヨン・ドカン。)
対照的に公式戦終盤は好調だったロッテは、その勢いのまま第1，2戦と連勝したが、大舞台で勝利した経験がないがために選手、ベンチともども堅くなってしまい、第3戦以降悪夢の3連敗で、2008年以来3年連続で準プレーオフ敗退となってしまった。特に故障明けで状態が万全でなかったと思われるホン・ソンフンの器用にこだわり、打線に絶好調時の爆発力がなく、打順や先発メンバーをいじる柔軟性もなかった。また第1，2戦は機能したリリーフ陣も、この第5戦ではどんどん傷口を広げるだけで、相手を三者凡退に抑えた回が1つもなかった。3年連続で勢いだけでは勝てないことを嫌というほど思い知らされたロッテは、2010年限りで契約期間が終わるロイスター監督の去就が注目される。
ＳＫとの韓国シリーズ(10月15日開幕予定)出場がかかったプレーオフ：サムソン−トゥサンの第1戦は、7日18時よりサムソンの本拠地・大邱で開始される。
