2009年シーズンオフFAを申請し、現所属球団のハンファと12日まで交渉してきたが、海外へ進出したいという本人の希望もあり、ハンファと合意に至らなかったキム・テギュン内野手(27)が13日、日本プロ野球・千葉ロッテと3年契約、契約金1億円、年俸1億5000万円、オプション1億5000万円の総額最大7億円で合意した、と発表された。
キム・テギュンは高校卒業後2001年ハンファへ入団し、その年規定打席未満ながら88試合に出場、打率.335、20本塁打、54打点を記録し、新人王を受賞した。その後はファーストのレギュラー、ハンファの主砲として活躍し続けたが、イ・スンヨプ(読売)がいたせいもあり、ポジションの重なるキム・テギュンには韓国代表での出番は少なかった。2006年WBC(ワールドベースボールクラシック)の韓国代表に選ばれたが、イ・スンヨプの控えという立場で出場機会も少なかった。
ハンファでも2006年から07年にかけて少し精細を欠いたシーズンが続いたものの、2008年31本塁打を記録し初の打撃タイトルとなる本塁打王を獲得したが、この年の北京五輪もイ・スンヨプが選ばれたため、韓国代表からは選外となった。しかしイ・スンヨプが韓国代表を退くことを表明した2009年WBCでは、韓国代表の主砲として打率.345、3本塁打、11打点を記録し、準優勝に大きく貢献した。
だが2009年シーズンは、4月26日のトゥサン戦で走塁中に本塁付近で捕手と激突し、脳しんとうを起こした影響もあり、欠場が長引き7月まで打撃は本調子を取り戻せず、チームも6月から最下位を独走しつづけた。それでも95試合に出場、打率.330、19本塁打、62打点、0盗塁の成績とそれなりの結果は出した。韓国でのプロ9年間の通算成績は1031試合に出場、打率.310、1091安打、188本塁打、701打点、18盗塁。
過去に千葉ロッテには2004年から05年までイ・スンヨプが在籍していたこともあり、2人目の韓国人選手となるキム・テギュンには、2009年WBCで見せたような勝負強いバッティングで主軸としての働きが求められる。
13日午前中にキム・テギュンは、千葉ロッテの球団社長など関係者と会談し契約を結び、午後にはソウルで入団記者会見を行い、その期待の高さをうかがわせた。またプロ入り後9年間活躍してきた古巣ハンファには、午前中関係者に電話を入れ別れを告げ、12日にFA史上最高額の大型契約を提示されたがそれを断るなど、海外進出に関してはかなり悩んだことも明らかにした。
2009年シーズン圧倒的最下位に沈み、ハン・デファ新監督を迎えたハンファは、もう一人の主軸打者イ・ボムホもFAを申請し他球団との交渉に入ることになり、戦力の大きな流出に頭の痛いところである。