2009年 韓国シリーズ 第1戦
SK 3−5 キア (光州)
(勝)ロペス 1勝 (セーブ)ユ・ドンフン 1S (敗)イ・スンホ 1敗
(本塁打) SK : チョン・サンホ 1号
1997年以来12年ぶりに韓国シリーズへ進出したキアの本拠地、光州・無等野球場は、周辺に午前中の朝方から長蛇の列ができ、9回の韓国シリーズ優勝を達成した前身のヘテ時代の威光に吸い寄せられるかのように13400人の超満員の観衆で埋まった。キアファンたちの思いはただひとつ、10回目の韓国シリーズ優勝であり、2007、08年と韓国シリーズ2連覇を達成し黄金時代を築きつつあるSKとの対決は、光州市民のみならず韓国中の注目を集めていた。
試合はキアの先発が最多勝投手のロペス、SKの先発がプレーオフで好投した門倉(元読売)と、外国人投手どうしの対決となった。立ち上がりはロペスが1回、2回に2三振ずつ、門倉が1回に三者連続三振を奪う力投で、緊迫した試合展開を予想させた。SKは3回表先頭の7番ナ・ジュファンがヒットで出塁すると、次の8番チョン・サンホがバントで2塁に送り、続く9番キム・ガンミンの内野ゴロの間に走者は3塁へ進んだ。そして1番パク・チェホンのタイムリーで1点を先制した。さらにSKは4回表先頭の3番チョン・グヌがレフト線際に2塁打を放つと、プレーオフMVPを受賞した絶好調の4番パク・チョングォンのタイムリーでもう1点を追加した。
キアは4回裏先頭の2番キム・ウォンソプが四球を選び、続く3番チャン・ソンホが門倉からチーム初ヒットを打ち、1,2塁とチャンスを拡大した。ここで4番チェ・ヒィソプはレフトフライに倒れたが、2塁走者は3塁へきっちり進塁し、キアは5番キム・サンヒョンの犠牲フライで1点を返した。SKは6回表2死からパク・チョングォンがヒットとエラーで2塁へ進塁し、5番チェ・ジョンも四球を選び1,2塁と追加点のチャンスを作ったものの、6番キム・ジェヒョンは凡退しチャンスを逃した。
SKは5回1失点と好投した門倉を、まだ73球しか投げていなかったが6回から2番手コ・ヒョジュンに交代させた。キアは先頭の1番イ・ヨンギュが四球を選び、キム・ウォンソプがバントで2塁に送るが、続く代打ナ・ジワンは内野ゴロに倒れ走者は3塁へ進んだ。そしてチェ・ヒィソプ、キム・サンヒョンの2人の大砲はともに四球で歩き、1死満塁のチャンスを向かえ打席にはヘテ時代の栄光を知る6番イ・ジョンボム(元中日)が立った。ここでSKはマウンドに3番手ユン・ギルヒョンに交代させたが、イ・ジョンボムは2球目を左中間へ運び、2点タイムリーでキアが3−2と逆転した。
(6回裏イ・ジョンボムが2点逆転タイムリーを打つ。)
SKは7回表1死、ロペスからチョン・サンホが3−3と同点に追いつく本塁打を放ち、両者ともに相譲らない。キアはその裏SKの4番手イ・スンホ(背番号20)からイ・ヨンギュがヒットで出塁し、2死にもかかわらず果敢に2塁へ盗塁を決め、勝ち越しのチャンスを作ったが、これを生かすことはできなかった。
(7回表チョン・サンホが同点本塁打を打つ。)
キアは8回裏1死でチェ・ヒィソプがイ・スンホから四球を選ぶと、ここでSKは5番手チョン・デヒョンに交代させたが、キム・サンヒョンのヒットで1死1,3塁とチャンスは広がった。続くイ・ジョンボムはバントの姿勢で2球目を当てに行ったがバットを引っ込め、その間に1塁走者が2塁へ盗塁を決めた。このとき判定はボールだったが、SK側はストライクではないか抗議したものの、判定は覆らなかった。するとイ・ジョンボムはこの打席でライトへ勝ち越しタイムリーを打ち、キアが4−3と試合の均衡を破った。さらにこの回7番キム・サンフンのタイムリーで1点を追加した。
(8回裏イ・ジョンボムが決勝タイムリーを打つ。)
9回表は守護神ユ・ドンフンが三者凡退に抑え、キアが熱戦を制し優勝した1997年以来12年ぶりとなる韓国シリーズでの勝利をあげた。1993、97年とヘテ時代に2度の韓国シリーズMVPを受賞したチームの精神的支柱、イ・ジョンボムがタイムリー2本の3打点と活躍し、光州のキアファンたちを熱狂させた。ロペスは8回を3失点、122球の力投で韓国シリーズ初勝利。
プレーオフでトゥサンに2連敗後3連勝し、勢いに乗っていたSKは、試合前半こそ2点をリードし試合の主導権を握ったが、エースのキム・グァンヒョンを欠き先発が手薄なため、6回から早めの継投に出たがそれが裏目に出てしまい、逆転を許してしまった。特に6回と8回ともにイ・ヨンギュ、チェ・ヒィソプ、キム・サンヒョンなどキアの主力打者たちに粘られ、四球を出してピンチを招き、イ・ジョンボムに打たれてしまった。
注目の第2戦は光州で17日14時から開始され、予告先発はキアがユン・ソンミン(27試合、9勝4敗7S、防御率3.46)、SKがソン・ウンボム(31試合、12勝3敗、防御率3.13)と発表された。
注 : ( )内は2009年公式戦の成績。