DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  ウェスタンリーグ、6年ぶりの勝利  アン・チホン(キア)が新人史上初のMVP

イースタンリーグ 3−7 ウェスタンリーグ  (光州)
(勝)ユン・ソンミン  (敗)キム・グァンヒョン
本塁打) イースタンリーグ : チェ・スンファン  ウェスタンリーグ : アン・チホン、ファン・ジェギュン

 2009年オールスター戦は25日、キアの本拠地・光州で盛大に開かれ、1998年以来11年ぶりの開催ということもあり、12000人の野球ファンで無等野球場は超満員となった。試合開始前から球場内外でさまざまなイベントが開催され、野球ファンたちの耳目を大いに喜ばせた。

 イースタンリーグ(SK、トゥサン、ロッテ、サムソン)の先発はキム・グァンヒョン(SK)、ウェスタンリーグ(ハンファ、キア、ヒーローズ、LG)の先発はリュ・ヒョンジン(ハンファ)で18時半から試合が始まった。ウェスタンリーグは1回裏、キム・グァンヒョンから1番イ・テックン(ヒーローズ)が内野安打で出塁すると、地元光州のファンたちの大歓声を受けた2番イ・ジョンボム(キア、元中日)のタイムリー2塁打で1点を先制した。キム・グァンヒョンは2回裏1死で7番キム・サンフン(キア)にヒットを打たれたところで交代した。対照的にユン・ソンミンは1番キム・ドンジュ(トゥサン)、2番イ・デホ(ロッテ)、3番キム・ヒョンス(トゥサン)とイースタンリーグの強打者たちを2回パーフェクトに抑えた。なお、2回表イースタンリーグの攻撃で4番ホン・ソンフン(ロッテ)が長髪の金髪のかつらをつけて打席に立ち、惜しくもセンターフライに終わりベンチに帰るときかつらをたたきつけて悔しがり、場内の爆笑を誘う場面もあった。



ウェスタンリーグの先発ユン・ソンミン。)


(金髪のかつらをかぶったホン・ソンフン。)


 イースタンリーグの2番手チョン・ヒョヌク(サムソン)、3番手ソン・スンジュン(ロッテ)は4回まで追加点を許さず、ウェスタンリーグの2番手ヤン・ヒョンジョン(キア)は3回と4回の2イニングを無失点に抑え、地元キアの選手が活躍を続けた。ウェスタンリーグは5回裏、イースタンリーグの4番手コ・ヒョジュン(SK)から先頭の8番イ・ヒョンゴン(キア)がヒットで出塁すると、史上初となる高卒新人でのファン投票で出場が決まった9番アン・チホン(キア)が2ランを打ちリードを広げ、球場のボルテージは最高潮に達した。さらにこの回ウェスタンリーグは代打パク・ヨンテク(LG)、5番チェ・ヒィソプ(キア)のタイムリーで2点を追加した。


(5回裏アン・チホンが2ランを打つ。)


ホームラン競争で優勝したイ・デホ。)

 
 5回終了時には、試合開始前に予選を行ったホームラン競争の決勝戦が行われ、イ・デホ(ロッテ)がチェ・ヒィソプ(キア)を5−1でやぶり、見事優勝を飾った。イースタンリーグは6回表ウェスタンリーグの4番手イ・ヒョンスン(ヒーローズ)からホン・ソンフンの犠牲フライで1点、7回表5番手ヤン・フン(ハンファ)から代打チェ・スンファンの本塁打で2点を返し、3−5と2点差に迫り試合はわからなくなった。だがその裏ウェスタンリーグはイースタンリーグの6番手ホン・サンサム(トゥサン)から途中出場のファン・ジェギュン(ヒーローズ)の2ランでリードを広げた。なおこの際ヒーローズの人気マスコット・トクトリが、ファン・ジェギュンがホームインする前にレッドカーペットを敷く本拠地木洞野球場でおなじみのパフォーマンスを見せた。またトクトリは自身の着ぐるみの頭の部分をホン・ソンフンにかぶせたり、変な衣装で3塁コーチャーズボックスに立ったりするなど、相変わらずのひょうきんな姿を見せ光州でもその存在感は際立っていた。



コーチャーズボックスに立つトクトリ。左側のヒーローズのキム・シジン監督も苦笑い。)


 この後ウェスタンリーグは8回を6番手リュ・ヒョンジン(ハンファ)、9回を7番手ポン・ジュングン(LG)と、韓国を代表する左腕の豪華リレーで無失点に抑え、7−3で2003年以来6年ぶり(2008年まで西軍)に勝利し、オールスター戦での連敗を5で止めた。 

 注目のオールスター戦MVP(最優秀選手)には、5回裏試合の流れを決めた2ランを打ったアン・チホンが、新人としては史上初めて受賞した。史上最年少の19歳でのオールスター戦MVPとなったアン・チホンは2009年シーズン高卒新人ながらセカンドのレギュラーに定着し、7月23日現在12本塁打を記録し、新人王候補の1人として注目されている。その他2回を6人でパーフェクトに押さえたユン・ソンミンが優秀投手賞、史上最多の13回目のファン投票選出を記録し、3安打1打点と大活躍を見せたキアの精神的支柱イ・ジョンボムが善球会賞を受賞と、7名が出場した地元キア勢の活躍が目立った。なお優秀打者賞は途中出場で2安打を記録したシン・ミョンチョル(サムソン)が受賞した。


(見事史上初の新人でのオールスター戦MVPを受賞したアン・チホン。)

 
 開幕前のWBC(ワールドベースボールクラシック)や、まれに見る大混戦の優勝争いにより、例年になく盛り上がる2009年シーズンを象徴するような真夏の夜のオールスター戦は、華やかな雰囲気の中で無事に幕を閉じた。今後ますますヒートアップするであろうし烈なペナントレースに戻る選手たちには、さらに野球ファンたちの関心と熱気を呼び起こすような戦いを期待したい。


(文責 : ふるりん