DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2次ラウンド緒戦、メキシコ戦の先発はリュ・ヒョンジン(ハンファ)

 2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)2次ラウンド1組に入った韓国代表は韓国時間15日(現地時間14日)、会場となる米国・カリフォルニア州サンディエゴのペトコパークで公式練習を行った。また試合前日の記者会見で、緒戦のメキシコ戦(韓国時間16日12時開始)の予告先発はリュ・ヒョンジン(ハンファ)と発表された。一方メキシコ代表はオリバー・ペレス(ニューヨークメッツ)が予告先発されている。

 2006年の前大会の2次リーグでも両チームは対戦し、このときは韓国代表がイ・スンヨプ(読売)の2ランとソ・ジェウン(キア)、パク・チャンホ(フィラデルフィアフィリーズ)の好投などで2−1と勝利し、勢いに乗ると次の米国戦、日本戦にも勝利し準決勝進出を決めた。2大会連続でベスト4進出を狙う韓国代表にとって、メキシコは縁起のいい相手でもある。

 1次ラウンドで2度のコールド勝ちを記録したメキシコ代表は、ホルヘ・カントゥ(フロリダマーリンズ)、エイドリアン・ゴンザレス、スコット・ヘアストーン(以上サンディエゴパドレス)など米国・メジャーリーグで活躍する強打者がそろっているが、要注意人物は何と言っても韓国をよく知るロッテの大砲カリーム・ガルシア(元オリックス)である。ガルシアは2次ラウンド進出をかけたオーストラリア戦での2本塁打など、1次ラウンドで3本塁打を放ち波に乗っている。リュ・ヒョンジンとの対決が注目される。
 ただメキシコが1次ラウンドを戦ったメキシコシティエスタディオ・フォロ・ソルは、標高2000m以上の高地にあり、打球が飛びやすいためどの試合でも本塁打が乱れ飛んだ。2次ラウンドの会場ペトコパークは、グラウンドが広く打球が飛びにくいため投手有利の球場であり、1次ラウンドの結果はあまり参考にならない部分がある。メキシコ打線は一旦火がつくと止まらない爆発力があるが、1次ラウンドで2度のコールド負けを喫したことからも、気持ちが切れると淡白な打撃になってしまう。また、投手陣は特にリリーフ陣が弱く、安定した試合運びができていない要因となっている。ただ、2008年シーズン終盤ロッテに在籍したデービッド・コルテスがいて、韓国の打者の特徴が伝わっている可能性は十分にあり、決して油断はならない。

 韓国代表は米国到着後、サンディエゴパドレス、ロサンゼルスドジャースと練習試合を2試合行い、連敗し投打ともに課題を残した。投手陣は1次ラウンドとそう大きく起用法を変えないと思われるが、先発の柱として期待していたキム・グァンヒョン(SK)が現状では先発を任せられる状態にないのが痛い。そのため第2戦以降の先発は米国での練習試合で投げていないポン・ジュングン(LG)、ユン・ソンミン(キア)だと思われる。特に9日、日本との1次ラウンドA組決定戦で好投した左腕ポン・ジュングンへの期待が大きい。リリーフ陣は左の中継ぎが弱く、チャン・ウォンサム(ヒーローズ)やイ・スンホ(SK)をワンポイントで使っていくしかなさそうだ。チョン・デヒョン(SK)、イム・チャンヨン(東京ヤクルト)などの実績ある抑えまで、終盤何とかリードを保ったままつなげていきたい。
 打線はなかなか起用法が見えてこない。1次ラウンドではひじの痛みや調整不足で目立った活躍ができなかった唯一のメジャーリーガー、チュ・シンスをどう起用するかが悩みの種である。打撃はそこまで悪くないがサードの守備で足を引っ張る巨漢イ・デホと、指名打者での限定的起用がインディアンズ側から課せられているチュ・シンスの併用が難しい。1次ラウンドは4番キム・テギュン(ハンファ)が活躍し打線を引っ張ったが、2次ラウンドで徹底マークされるようだと厳しい。1番イ・ジョンウク(トゥサン)、2番チョン・グヌ(SK)の快足の上位2人はほぼ確定的だが、つなぎの3番を2008年の首位打者キム・ヒョンス(トゥサン)にするか、慣れた米国の地で復調を期待しチュ・シンスにするかで、大きく運命が分かれそうだ。

 韓国代表はメキシコ戦に勝利すると、日本−キューバ戦(韓国時間16日5時開始)の勝者と韓国時間18日12時(現地時間17日)より準決勝進出をかけて戦う。もし敗れた場合は韓国時間17日12時(現地時間16日)より、日本−キューバ戦の敗者と敗者復活戦を行う。1次ラウンドでコールド負けと完封勝ちに終わった宿敵・日本、北京五輪の決勝で熱戦を繰り広げた優勝候補キューバと、どちらにしても厳しい相手である。韓国代表の準決勝進出への道のりは、2次ラウンド進出への道と比べてはるかに険しい。