DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   準プレーオフ開幕  サムソン、19安打12得点でまず1勝

プレーオフ 第1戦

サムソン 12−3 ロッテ  (釜山・社稷
(勝)ペ・ヨンス 1勝  (敗)ソン・スンジュン 1敗
 2008年プロ野球の年間総合優勝を決めるポストシーズン、その第1ステージに当たる準プレーオフが8日、ロッテの本拠地である釜山・社稷野球場で開幕した。2000年以来8年ぶりのポストシーズン出場ということで、主に熱狂的なロッテファンにより3万人の超満員の観客で社稷野球場は埋め尽くされた。なお、ロッテのロイスター監督とは旧知の仲である、日本プロ野球千葉ロッテのバレンタイン監督が視察に訪れた。


(満員の観客で埋まり、かもめの大きな風船が飛んだ社稷野球場。)


(釜山社稷野球場を視察しに訪れた千葉ロッテのバレンタイン監督。)

 試合はサムソンの先発がペ・ヨンス、ロッテの先発がソン・スンジュンで始まった。サムソンは1回表ソン・スンジュンの立ち上がりを攻め立て、先制点のチャンスで4番チン・ガビョンのライト前ヒットで1点を先制かと思いきや、ガルシア(元オリックス)の好返球でホームで走者がタッチアウトとなり、この回は無得点に終わった。するとロッテは2回裏5番ガルシアが2塁打でチャンスを作ると、7番ソン・グァンミンのタイムリーで1点を先制した。
 しかしサムソンは3回表ソン・スンジュンを打ち崩し、2番パク・ソンミンのタイムリーでまず同点とし、6番パク・チンマンの犠牲フライで逆転すると、7番チェ・テインのタイムリーで1点を追加した。ソン・スンジュンは次の8番キム・チャンヒィ相手にストライクが入らず途中で2番手イ・ヨンフンに交代した。サムソンの勢いはとどまることを知らず、この回9番チョ・ドンチャンへの押し出しの四球、打者一巡して1番パク・ハニ、パク・ソンミンのタイムリーで4点を追加し、7−1と一気に試合をひっくり返した。
 サムソンは5回表3番ヤン・ジュンヒョクのタイムリーで2点を追加し、ロッテもその裏8番パク・キヒョク、1番キム・ジュチャンのタイムリーで2点を返した。さらにサムソンは7回表ロッテの3番手キム・イスルからパク・ソンミン、チン・ガビョンのタイムリーで3点を追加し、6回以降アン・ジマン、チョン・ビョンホ、クォン・ヒョクの継投で相手の反撃を断ち、19安打12得点と打線の爆発で、準プレーオフの緒戦に大勝し、プレーオフ進出まであと2勝とした。なお、過去17度の準プレーオフでは、第1戦に勝利したチームがそのままプレーオフにも進出していて、サムソンは是が非でも手にしたい緒戦での勝利をしっかりと手にした。


(盛り上がる地元のロッテファン。)


(敵地釜山でも大勢ファンが集まったサムソン応援席。)

 サムソンは普段クリーンアップを打っていたパク・ソンミンを2番に、6番以降を打つことが多かった経験豊富な正捕手チン・ガビョンを4番に起用するなど、思い切った選手起用が功を奏し、パク・ハニが4安打2打点、パク・ソンミンが4安打3打点、ヤン・ジュンヒョクが3安打2打点、チン・ガビョンが3安打2打点と、上位打線の4人だけで14安打も記録した。ポストシーズンにこれまで何度も出場した先発ペ・ヨンスも打線の援護もあり何とか5回を3失点に抑え、リリーフ陣も大差がついたこともあり守護神オ・スンファンを出さない余裕を見せつつ、ロッテの勢いを完全に断った。
 サムソンは戦力的に劣るとの下馬評だったが、12年連続ポストシーズン進出の経験と地力を最大限に発揮し、ポストシーズン出場経験者が少ないロッテの足元をすくった。またパク・ソンミン、チェ・テインとポストシーズン初出場の若手選手たちも、ベテラン選手たちのあとを追うようにはつらつとした姿を見せた。


(4安打3打点、タイムリー3本と活躍し第1戦MVPとなったパク・ソンミン。)


 一方ロッテは初回からピリッとしなかった先発ソン・スンジュンが3回途中で早々と降板してしまったのがすべての誤算で、2番手イ・ヨンフンもつかまり相手に完全に流れを渡してしまい、熱狂的な地元のファンたちの前で情けない姿をさらしてしまった。打線では先制タイムリーを打った売出し中の若手ソン・グァンミンが3安打1打点と活躍。

 注目の準プレーオフ第2戦は、9日18時から社稷野球場で、ロッテの先発がソン・ミンハン(12勝4敗)、サムソンの先発がエニス(1勝3敗)で開始されることとなった。サムソンがプレーオフ進出に王手をかけるか、あるいはロッテが1勝し決着を第4戦以降にもっていくか、大いに注目が集まる。
(文責:ふるりん