DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第2回 トゥサンベアーズ

2007年成績 : 70勝54敗2分 公式戦2位 韓国シリーズ準優勝

 2007年は北京五輪予選韓国代表監督にも選ばれたキム・ギョンムン監督がさらに若手の起用を進め、リオスの22勝をあげる超人的な活躍もあって公式戦2位に飛躍し、2年ぶりに韓国シリーズ出場と一定の成果を出した。だが投手陣の大黒柱だったリオスが日本へと移籍し、その穴をいかに埋めるかが最大のテーマだったが、やりくり上手なキム・ギョンムン監督は優勝候補SKを追撃できるだけの戦力を整えてきた。 


投手】 

[先発] ランデル(元読売)、ラス(元東北楽天)※△、キム・ソヌ※、キム・ミョンジェ、イ・スンハク
[中継ぎ] イム・テフン、イ・ジェヨン、イ・ジェウ、イ・ヘェチョン△、チン・ヤゴプ※△
[抑え] チョン・ジェフン
(※は新加入、△は左腕)

 2007年は1人で22勝をあげたリオスの活躍が目覚しかったが、その穴は4年ぶりに復帰したかつての最多勝投手ラス、元メジャーリーガーのキム・ソヌの2人を補強したことで埋まったとする見方が強い。今季韓国4年目を迎えたランデルも2桁勝利が確実に計算できる。将来のエース候補キム・ミョンジェ、米国帰りで韓国2年目のイ・スンハクも活躍が期待でき、先発投手陣の層は厚くなった。
 王者SKとの最大の差は中継ぎを中心としたリリーフ陣の層の薄さだったが、2004,05年に中継ぎとして活躍したイ・ジェヨン、イ・ジェウの2人が兵役から復帰したのは大きい。2007年の新人王イム・テフン、ベテラン左腕のイ・ヘェチョンなどコマはそろっていて、2007年は後半不調に陥った守護神チョン・ジェフンが復活すれば、8球団トップクラスの投手陣が形成される。
 

攻撃

[ベストオーダー]
1.イ・ジョンウク(中)△
2.ミン・ビョンホン(右)
3.コ・ヨンミン(二)
4.キム・ドンジュ(三)
5.キム・ヒョンス(左)△
6.ユ・ジェウン(指)△
7.チョン・ウォンソク(一)
8.チェ・サンビョン(捕)
9.イ・デス(遊)
(△は左打者)

 2007年は8球団最多のチーム盗塁数(161個)を生かした、効率のよい機動力野球が特徴的だった。今季もその戦い方を踏襲すると思われ、イ・ジョンウク、ミン・ビョンホン、コ・ヨンミンの快足の打者を上位に並べ、主砲キム・ドンジュも場面によっては盗塁が求められる。長打が期待できるのはパンチ力もあるコ・ヨンミンと主砲キム・ドンジュくらいで、あとはチームバッティングに徹し得点を奪うようにしたい。
 不安なのは捕手としての出場機会が激減したためトレード志願したものの、今季の正式契約が結ばれず飼い殺し状態になっているかつての正捕手ホン・ソンフン、心身ともに不調とあいまいな理由で戦力外状態になっているアン・ギョンヒョンなど、かつての主力選手が冷遇されている点だ。キム・ギョンムン監督が2006年以降若手重視の選手起用をしていることもあるが、経験豊富な求心力のあるベテラン選手が見当たらないのは、チームの調子が落ちた時に歯止めをかけるのが難しくなりかねない。7年ぶりの韓国シリーズ優勝のためには、チームの一体感が何より不可欠である。
 


本拠地
 ソウル・蚕室野球場
 
 首都ソウルの南東部にある、韓国を代表する3万人収容の大型野球場。1982年のオープン以来、ソウル五輪シドニー五輪予選などの国際大会も行われてきた。トゥサンだけでなくLGの本拠地にもなっていて、ライバル意識の強い両チームの対戦はソウルダービーということで他にない盛り上がりを見せる。また、トゥサン、LGがどちらとも韓国シリーズに出場しなくても、他球場の収容人数は1万人台が多く、観客動員を増やすため第5戦以降はこの球場で試合が行われる。
 両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、大変ホームランの出にくい球場である。だがトゥサンのキム・ドンジュは2000年5月4日のロッテ戦でこの球場のレフト場外へ150mの特大ホームランを打ち、落下地点には記念パネルが埋め込まれている。


[地下鉄総合運動場駅の出口を出ると、球場の正門が目の前に。]


[バックスクリーンのオーロラビジョンには、打席に立つ選手たちの映像が大写しに。写真は攻守の要に成長し、韓国代表のセカンドにも定着したコ・ヨンミン。]


[球場内の通路は広く、バーガーキングなど各種飲食店やグッズを売る売店もある。]


[盛り上がる1累側トゥサン応援席。]


[蚕室野球場はソウルにあるため、ビジターのチームを応援するファンも多い。写真はロッテファンで埋め尽くされた3塁側内野席。]


[交通アクセス]
 ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄で約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。
 仁川(インチョン)空港からは、韓国都心空港ターミナル(KCAT)まで直通のリムジンバスが出ていて、所要時間1時間前後と早くて便利。同ターミナル近くのソウル地下鉄2号線・三成(サムソン)駅から総合運動場駅へは、地下鉄で1駅と大変便利。
 ソウル・金浦(キムポ)空港からは地下鉄5号線、2号線を乗り継いで1時間前後。
(文責:ふるりん)