DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  現代の選手団、新球団に合流しキャンプ参加に同意  新球団設立作業は本格化

 現代ユニコーンズを買収しスポンサーを募集して球団を経営することになった投資会社センテニアルインベストメント(以下センテニアル社)が、先日選手の雇用継続を保証せず、加入金120億ウォン(約13億5900万円)を払う前にイ・グァンファン新監督を決めた件に現代の選手たちが反発した件で、10日、11日とハ・イルソンKBO(韓国野球委員会)事務総長がソウル郊外の高陽(コヤン)にある現代の練習場を訪れ、選手たちを長時間にわたって説得した。そして主将イ・スンヨン、チョン・ミンテなど現代の選手たちはセンテニアル社に対する誤解を解き説得に応じ、12日新球団のパク・ノジュン団長との対面式に臨んだ。対面式は6日にも行われる予定だったが、上記の理由で選手たちは拒否した。
 当初5名の選手を整理対象にしていたセンテニアル社側も選手の要望に応じ、現代の選手67名全員を継続雇用することを決定した。またチョン・ミンテ(元読売)、チョン・ジュンホ、キム・ドンス、ソン・ジマン、イ・スンヨンなどベテラン選手を中心とした3億ウォン(約3400万円)以上の高額年俸選手は、これまでのプロ野球の万年赤字体質を脱却し黒字経営を目指す新球団での年俸削減にも同意している。なお、コーチ陣は8名が新球団に合流することとなり、整理対象となった4名中2名はKBOが次の仕事を保障するとことになった。チームの黄金時代(韓国シリーズ4回優勝)を築いたキム・ジェバク(現LG監督)の跡を継ぎ、2006年オフ2代目にして最後の現代ユニコーンズ監督に就任したキム・シジン監督は、新球団で投手コーチを打診されたが固辞し、惜しまれつつ一旦グラウンドを去ることになった。
 選手たちは13日中にも新球団がキャンプ地として用意した済州(チェジュ)島・西帰浦(ソグィポ)に出発し、14日から3月初旬までキャンプを行う。センテニアル社は新球団のユニフォームの作成に取り掛かっているが、当分の間選手は現代のユニフォームやトレーニングウェアを着て練習を行うと見られる。なお、ユニフォームに名前が書かれ球団名となるメインスポンサーはまだ決定していないが、パク・ノジュン団長は現在5−6社と交渉中であると明らかにした。
 今後2月18日か19日に開かれるKBO理事会で、センテニアル社は他球団から新球団設立を正式に承認される見込み。問題となった加入金120億ウォンの一部は15日にKBOへと支払われる予定。また加入金の一部は、新球団から整理対象となったフロントの職員への退職金や、2006年、2007年に高校、大学を卒業し現代へ入団したが契約金が支払われていない選手への契約金として利用されることも考えられている。
 今後センテニアル社はフロントなど新球団の組織作りを進め、本格的な球団設立へと動くと思われる。現代ユニコーンズ存続問題もあり、例年だったら2月初旬までに発表されている今季の示範競技、公式戦の試合日程は12日現在発表されていない。今季は北京五輪に韓国代表が3月の世界最終予選を突破し出場することになれば、大会期間中の8月に公式戦を中断するため、例年より早い3月末の公式戦開幕が予定されている。
(文責:ふるりん)