ＫＢＯ(韓国野球委員会)は21日、9月末に現代ユニコーンスを買収すると報じられたＳＴＸグループに対して、球団買収案を公式に撤回したことを明らかにした。ＳＴＸは近年海運業や重工業を中心に急成長した中堅財閥で、プロゲーマーチームを持ち、サッカーＫリーグ慶南FCのメインスポンサーになるなど、スポーツ界への進出を図ってきた。
ＳＴＸは早ければ10月中にも正式に球団買収を発表する予定だったが、プロ野球を所有する他の企業と比べ経営規模が小さく、赤字覚悟のプロ野球経営ができるかどうか不安視されていた。また本拠地も現代がこれまで本拠地としてきた首都圏の水原(スウォン)ではなく、自社の造船所がある慶尚南道の馬山(マサン)、昌原(チャンウォン)地区を希望し、近くの釜山を本拠地とするロッテとの共存も問題となっていた。
11月になってもＳＴＸ側から正式に返答がなく、ＫＢＯ側が催促しても待ってほしいと言うだけで、結論が先延ばしにされていた。さらに、ＳＴＸの幹部が他企業から企業秘密となる技術を盗用した嫌疑がかけられ、身柄を拘束されるなどの不祥事が発覚していた。
そのためＫＢＯは21日、ＳＴＸ側に現代ユニコーンスの球団売却案を撤回することを公式に伝えた。今後はオフシーズンに突入し2008年のプロ野球開幕までまだ時間があるため、球団経営が可能な資金に余裕のある他企業を探すこととなる。これでＫＢＯは1月の農協への現代ユニコーンス球団売却失敗に続く2度目の失態を犯したことになり、2007年中に問題解決なるかが注目される。
