DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  SK、キム・グァンヒョンの好投で中日に歴史的勝利

SK 6−3 中日  (日本・東京ドーム)
(勝)キム・グァンヒョン 1勝  (敗)中田 1敗
本塁打) 中日 : 井上 1号
 アジアシリーズ2007の韓国代表・SKの緒戦は、優勝候補の筆頭日本代表・中日が相手となった。始球式は日本でも人気のある韓国人俳優リュ・シウォンが行った。SKの先発は高卒新人キム・グァンヒョン、中日の先発はチーム最多勝(14勝)の中田だった。
 中日は1回裏キム・グァンヒョンから1番荒木が2塁打で出塁し、その後1死1,3塁と先制点のチャンスを作った。だがここで4番中村紀洋が併殺に倒れ、ピンチをしのぐとキム・グァンヒョンは2回、3回で2三振ずつを奪い三者凡退に抑え、調子を上げていった。SKは2回表1死満塁のチャンスを作ったが、8番パク・キョンワンのいい当たりが併殺となり先制点のチャンスを逃した。しかし4回表先頭の3番キム・ジェヒョンが2塁打でチャンスを作ると、1死後5番イ・ジニョンは内野ゴロに倒れたかに見えたが、一塁の新井が送球をこぼしてしまい、その間に走者が生還しSKが1点を先制した。
 SKは6回表3番キム・ジェヒョン、5番イ・ジニョンのタイムリーで2点を追加し、中田をこの回限りでノックアウトした。キム・グァンヒョンは4回、5回ともにピンチを迎えるがしっかりと抑え、快刀を続けていく。SKは7回表中日の3番手高橋聡文から2死2塁のチャンスを作り、代打イ・ジェウォンの内野ゴロを3塁森野が1塁へ悪送球し、その間に2塁走者チョン・グヌが気迫のヘッドスライディングで生還し、1点を追加した。さらにこの回4番イ・ホジュンのタイムリー、相手の暴投で2点を追加した。
 キム・グァンヒョンは7回2死を取ったところで降板し、2番手チョ・ウンチョンにマウンドを譲る。中日はこの回チョ・ウンチョンから代打井上の2ランで反撃を開始し、8回裏2番井端の犠牲フライで1点を返した。SKは8回裏左のカ・ドゥギョムを登板させ、9回表途中から守護神チョン・デヒョンを投入し、相手の反撃を断ちSKが緒戦で勝利し、韓国勢悲願の初優勝に向けて順調なスタートを切った。2005年千葉ロッテ、06年北海道日本ハムが無敗優勝している日本代表にとって、これが大会初の敗戦となった。
 この歴史的勝利の立役者は、何と言ってもSKの先発キム・グァンヒョンである。今季即戦力として期待されながらシーズン中はわずか3勝しかあげられなかったものの、韓国シリーズ第4戦で好投し初優勝に大きく貢献し、さらにアジアシリーズという国際大会の大舞台でも堂々たるマウンド度胸で中日打線を抑えた。また相手がミスをすると果敢な走塁で隙をついて得点につなげた。シーズン中は不振だったが韓国シリーズMVPとなったキム・ジェヒョンも、2塁打2本1打点と好調を維持し勝利に貢献した。
中日は先発中田が序盤の不安定な内容から立ち直れず、打線がつながらなかっただけでなく、名手の二塁荒木、ショート井端を除いて肝心な場面での守備のミスが出てしまい、日本シリーズで優勝した時の卒のなさが見られなかった。なお、中日の韓国人選手イ・ビョンギュ(元LG)とSK投手陣の対決は、キム・グァンヒョンなど苦手の左腕を送られ続けたこともあり、4打数無安打とSKが完勝した。
 なお、8日は統一(台湾代表)−チャイナスターズ(中国プロ野球選抜)の試合も行われ、統一が9−5で勝利した。









(東京ドームにて:11月8日・SK−中日戦)
 
 SKは9日12時半からチャイナスターズと対戦し、大会2勝目を狙う。今回のチャイナスターズは8日格上の統一相手に7回までリードを奪うなど善戦し、前回よりもはるかにレベルアップしており、油断できない相手となっている。