DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第8回 LGツインズ

【2006年成績】 
47勝75敗4分 勝率.385 公式戦8位
 
 2006年は、3年連続6位に終わった前年よりさらに低迷し、球団史上初の最下位に終わった。投打ともに戦力不足でチーム打率は.246、防御率は4.22と8球団中最低の数字だった。6月にはイ・スンチョル監督が成績不振をとって辞任したが浮上の気配はなく、ロッテとの最下位争いに終始した。また1990年の創立以降ずっと守ってきた観客動員数1位の座も、近年の低迷によりついに同じソウルの蚕室野球場を本拠地とするトゥサンに奪われてしまった。
 この危機的状況を打開するため、オフには現代から名将キム・ジェバクを新監督に迎え、パク・ミョンファンポン・ジュングンなど投手陣を中心に補強を進めたが、チームの要イ・ビョンギュが日本プロ野球・中日へ移籍してしまった。

 投手陣だが、2006年と比べ顔ぶれは大きく変わった。トゥサンから総額4年40億ウォン(約5億円)の大型契約でエースのパク・ミョンファンがFA移籍し、ドラフトで元大リーガーの左腕ポン・ジュングン(元レッズ)を獲得した。またサムソンで2006年12勝をあげた外国人投手ハリッカラとも契約した。先発は主に韓国を代表する右腕投手の1人パク・ミョンファン、ハリッカラと2006年チーム最多勝の10勝をあげたシム・スチャン、7勝をあげ大きく成長したチョン・ジェボク、かつての左腕エースだが近年ひじの故障で精細を欠くイ・スンホなどからなり、層が厚くなった。
 中継ぎ陣はキム・ミンギなどがいるが層が薄く、2006年抑えとして17セーブをあげたサイドハンドのウ・ギュミンが中継ぎに回り、ポン・ジュングンが抑えを任されることも考えられる。2006年は精彩を欠いたシン・ユンホ、チェ・ウォンホ、チン・ピルジュンなどの実績ある投手もまずは中継ぎで再起を図りたい。また、あまり有望な若手が見当たらないので新人の育成にも力を注ぐ必要がある。

 野手陣は長年チームの顔で攻守ともに要であったイ・ビョンギュの穴を埋めるのが急務だ。新外国人として日本プロ野球福岡ダイエーで活躍し、2006年はメキシカンリーグで好成績を残したバルデスが入団し、4番を任されると思われる。イ・ビョンギュとともに外野の一角を担ってきた中距離打者パク・ヨンテクも、今季はチームの支柱としてより重い責務がかかる。チョン・ウィユン、イ・デヒョンらの若手も攻守ともにレベルアップし、外野のレギュラーに定着したい。
 内野は人材不足で、2006年キアから移籍したが期待にこたえられずいったんはウェーバー公示にされ退団したベテランの強打者マ・ヘヨンを呼び戻したくらいである。マ・ヘヨンの復活に期待したいが、現在37歳という年齢を考えると微妙だ。イ・ジョンヨル、チェ・ドンスなどのベテランもピークは過ぎており、パク・キョンスなどの若手、チェ・ギルソンなどが一皮向けて主軸にならないと、今季のみならず今後も厳しい状況が続くであろう。捕手はベテランのチョ・インソンが中心となるが、左打者で長打力のあるイ・ソンヨルの台頭も期待される。
 
 現代を11年間で4度の韓国シリーズ優勝に導いたキム・ジェバク監督は、バントやエンドランの多用など独自の野球スタイルを持ち、それがLGのチームカラーに合うかは微妙である。大型補強はしたものの選手層の薄さは相変わらずで不安要素も多く、今季の示範競技でも最下位に終わった。名将がいかに自分の野球をチームに浸透させ、失墜した人気球団を再建させ上位に進出させていくかに注目したい。
  
【本拠地】
ソウル・蚕室(チャムシル)総合運動場野球場
ソウル特別市ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅下車すぐ、ソウル駅から地下鉄で40分、東大門市場(トンデムンシジャン)付近から地下鉄で30分、新村(シンチョン)から地下鉄で約50分、ソウル高速ターミナルから地下鉄で約15分
(文責:ふるりん