サムソン ２−３ LA NEW （東京ドーム）
（勝）黄俊中 １勝 （セーブ）魔鋭（モレル） １敗１Ｓ （敗）イム・チャンヨン １敗
（本塁打）サムソン ： ヤン・ジュンヒョク １号 LA NEW ： 林智勝 １号
すでに日本代表・北海道日本ハムが２勝し決勝戦進出を決め、互いにここまで１勝１敗の成績で迎えた韓国代表・サムソンと台湾代表・LA NEWが残り１枚の決勝行きの切符をめぐって対戦した。サムソンの先発はブラウン（元阪神）、LA NEWの先発は呉偲佑で始まった。
サムソンは１回表１番パク・ハニがヒットで出塁し、その後２四球で２死満塁のチャンスを作るが、この大会ここまでの２試合ノーヒットと不振で６番に下げられたヤン・ジュンヒョクが三振してしまう。先発ブラウンも好投し３回までLA NEWに得点を許さない。サムソンは４回表５番キム・ハンスが２塁打で出塁すると、続く６番ヤン・ジュンヒョクが今大会初安打となるライトスタンドへ特大の２ランを放ち、貴重な先制点を奪う。だがLA NEWはその裏すかさずブラウンから連打で無死２,３塁のチャンスを作ると、元メジャーリーガーの４番陳金鋒のタイムリーですかさず２−２の同点に追いつく。
サムソンは５回表あまり調子の良くない呉偲佑から２死１,２塁のチャンスを作るが、４番シム・ジョンスが凡退し勝ち越し点を奪えない。ブラウンは５回裏２死で四球を与えたところでマウンドを２番手イム・チャンヨンに譲る。イム・チャンヨンはここは続く打者を打ち取り、相手に勝ち越し点を与えない。だがLA NEWは６回裏イム・チャンヨンから３番林智勝がレフトスタンドへ特大ホームランを放ち、１点を勝ち越す。
サムソンは８回表LA NEWの４番手魔鋭（元阪神のモレル）から連続四球で２死１,２塁と同点のチャンスを作るが、９番キム・ジェゴルが初球を打ち上げ内野フライに倒れてしまう。サムソンは７回裏は中継ぎエースのクォン・オジュン、８回裏は守護神オ・スンファンが登板し、公式戦と同じ黄金リレーでLA NEWに追加点を許さない。サムソンは９回表魔鋭からこの試合好調の１番パク・ハニが３安打目となるヒットを放ち、同点のランナーを出す。２番チョ・ドンチャンの内野ゴロの間にパク・ハニが進塁し２死２塁とするが、３番パク・チンマンが内野ゴロに倒れLA NEWが勝利し、サムソンは決勝進出に失敗し、準優勝に終わった昨年のアジアシリーズの悔しさを晴らすことはできなかった。
サムソンはこの試合10残塁と拙攻続きでチャンスを潰し続けたのが敗因だった。３番パク・チンマンは２四球を選んだものの無安打で、４番シム・ジョンスは３打席無安打で途中で交代させられるなど、主力打者の不調が目立った。サムソンは今季終盤はけが人が続出し苦しい戦いを強いられ、韓国シリーズもハンファに粘られ第６戦で決着が付いたものの、延長15回の引き分けとなった第５戦を含め３試合が延長戦となり、決着が付いたのは10月29日とアジアシリーズのわずか10日前で激戦の疲労が取れないまま来日し、韓国シリーズで4連勝し余裕があった昨年と比べ調整の時間がじゅうぶんに取れなかった。
それに対しLA NEWは今季の台湾プロ野球を圧倒的な強さで制し、台湾シリーズも4連勝で10月26日に終えることができ、主力選手に故障者がなく最高の状態でアジアシリーズに臨めた。また４番陳金鋒など強打者揃いの打線の迫力は、ホームラン打者の少ないサムソンを完全に上回り、10日の日本ハム戦も逆転負けしたものの、あわや金星をあげるかと大健闘しチームに勢いもあった。
今後も韓国プロ野球の各球団はアジアの頂点を目指すため、切磋琢磨しレベルアップにつとめ、国内だけではなく国際舞台でも勝てる力を身につけてほしい。代表レベルでの強さは3月の第1回WBC（ワールドベースボールクラシック）でベスト４に進出したことによりすでに証明された。だが今度はクラブチームレベルでの強さを見せることが求められる。来年の韓国代表チームの活躍に期待したい。
また、サムソンを倒し決勝に進出したLA NEWは、12日18時より北海道日本ハムと互いに初優勝をかけて戦う。アジア野球のレベルアップのため、そしてアジアシリーズが今後も続けられるようになるためにも、LA NEWの健闘と勝利に期待したい。
（文責：ふるりん）
