DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

 2005年シーズン展望

 韓国プロ野球の2005年シーズンは、ソン・ドンヨル新監督(元中日)のもと大型補強を行ったサムソンを中心に回りそうだ。韓国シリーズで敗れた現代から主砲のシム・ジョンス、ショートのレギュラーだったパク・チンマンをFA移籍で引き抜き、首位打者4度の大打者ヤン・ジュンヒョクも健在で、上位から下位まで切れ目のない打線が続く。投手陣も昨季最多勝とMVPの2冠王ペ・ヨンスを軸に、新外国人ハックマンやバルガス(元中日)も先発ローテーション入りが確実。抑えはFA宣言しながらも海外進出に失敗した昨季のセーブ王イム・チャンヨンと、投打ともに付け入る隙がない。故障者が多発しなければ公式戦を独走しかねない。

 昨季の覇者現代はシム・ジョンスとパク・チンマンがサムソンに移籍し、昨季16勝のフィアリー(元千葉ロッテ)も故障の疑惑があり退団し、首位打者ブランボーは日本のオリックスに移籍した。投打ともにスケールダウンは否めず、韓国シリーズ3連覇は厳しい状況だ。名将キム・ジェバク監督のやりくりと、新外国人投手キャラウェイと外野手サットンの働きにかかっている。あとは昨季まで厚い選手層の中でレギュラーをつかめなかった選手たちの奮起次第だろう。

 戦力的に充実しているのはキアだ。抑えにやや人材を欠くが、昨季最多勝のリオス、2003年に活躍し今季から復帰したジョンソン(元大阪近鉄)、韓国球界を代表する若手投手キム・ジヌなど、先発陣はサムソンにも劣らない。打線もチームリーダーのイ・ジョンボム(元中日)、昨季は大きく期待を裏切った大砲のマ・ヘヨンなど、タレントはそろっている。下馬評の高かった昨季は4位に終わり、2002年、03年も公式戦2位ながらもプレーオフで敗退し韓国シリーズにすら進めていない。この辺の勝負弱さを克服することが、9度の韓国シリーズ制覇の偉業を達成した前身のキア時代の強さを取り戻す最大の近道だ。

 一方昨季5位のSKもキアからパク・チェホン、LGからキム・ジェヒョンなどを補強し、昨季打点王のイ・ホジュン本塁打王パク・キョンワンとタレントがそろっている。投手陣も左腕エースのイ・スンホなど若手を中心に人材は豊富で、優勝争いに絡む可能性は高い。
 
 昨季公式戦3位と健闘したトゥサンは、日本の東北楽天へ移籍した昨季最多勝のラスの穴を埋める見通しが立っていない。昨季奪三振王のパク・ミョンファンは兵役逃れ疑惑でシーズン通しての出場は厳しい。打線もキム・ドンジュ、昨季最多安打のホン・ソンフン頼みで迫力に欠け、今季は厳しい戦いを強いられそうだ。

 昨季まで4年連続最下位のロッテは、投打共に若手の成長が見られ最下位脱出が濃厚だ。投手陣ではチャン・ウォンジュン、打線では大砲のイ・デホに注目したい。4年連続盗塁王のチョン・スグン、エースのソン・ミンハンなど実績のある選手の活躍も期待したい。

 昨季7位のハンファはイ・ボムホキム・テギュンと若き韓国人大砲と新外国人のスミス(元ヤクルト)がクリーンアップに座る打線次第だ。層の薄い投手陣は今季も現役最多勝(182勝)のソン・ジヌ頼りになりそうで、上位進出は厳しい。
 
 8球団1の観客動員数を誇るLGは、6位に終わった昨季同様厳しい戦いを強いられそうだ。打線は主将のイ・ビョンギュこそ健在だが迫力不足で、示範競技好調だった新外国人マテオ、コリアーに期待するしかない。投手陣も2001年MVPのシン・ユノに復活の気配があり、守護神として期待されながらも活躍できなかったチン・ピルジュンが先発転向し明るい話題が見られるが、選手層の薄さは否めない。

 私見だが順位予想は、1位:サムソン、2位:キア、3位:現代、4位:SK、5位:ロッテ、6位:ハンファ、7位:トゥサン、8位:LGとする。


(文責:ふるりん)