DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国シリーズ第6戦  サムソン、史上初の韓国シリーズ・公式戦4連覇


2014年 韓国シリーズ 第6戦

サムソン 11−1 ネクセン  (ソウル・蚕室)
(勝)ユン・ソンファン 2勝  (敗)オ・ジェヨン 1敗
本塁打) サムソン : ナバーロ 4号


 サムソンが優勝まであと1勝とした韓国シリーズ第6戦は、2015年シーズンより1軍へ参入する新球団ktウィズのマスコットの始球式で始まった。


 サムソンは3回表、ネクセンの先発オ・ジェヨンから8番イ・ジヨンがチーム初ヒットで出塁すると、9番キム・サンスの送りバントをオ・ジェヨンがエラーしチャンスが広がった。続く1番ナバーロが送りバントを決めて走者が進塁し、2番パク・ハニへの四球で1アウト満塁となった。ここで3番チェ・テインのタイムリーでサムソンが2点を先制し、ネクセンはすかさず2番手ムン・ソンヒョンに交代させた。だがサムソンはこの回4番チェ・ヒョンウのタイムリーで2点を追加した。
 ネクセンは4回裏、サムソンの先発ユン・ソンファンから2番イ・テックンのタイムリーで1点を返した。サムソンは5回表チェ・テインへの四球、5番パク・ソンミンのヒットでチャンスを作ったが、代わったネクセンの3番手チョ・サンウが抑えた。だがサムソンは6回表イ・ジヨンへの四球に続き、チョ・サンウのエラーもありノーアウト1,2塁とすると、ナバーロの3ランでリードを広げた。さらに7回表、ネクセンの4番手キム・デウ、5番手キム・ヨンミンから代打ウ・ドンギュン、ナバーロのタイムリーで3点を追加した。
 サムソンは7回からシム・チャンミン、アン・ジマンの継投で相手の反撃を断ち、9回表、ネクセンの6番手ハン・ヒョンヒィからナバーロのタイムリーで1点を追加した。最後は4番手イム・チャンヨン(元東京ヤクルト)が抑え、サムソンが大勝し4勝2敗で2011年から4年連続7度目の韓国シリーズ優勝(年間総合優勝は8度目)を達成した。過去に韓国シリーズ4連覇は1986-89年のヘテ(キアの前身)の例があるが、4年連続公式戦・韓国シリーズともに完全優勝は史上初の偉業となった。



(韓国シリーズMVPを受賞したナバーロ。)


 
 6回を1失点に抑えたユン・ソンファンは韓国シリーズ2勝目。打線ではナバーロが3安打1本塁打5打点と活躍しただけでなく、韓国シリーズ6試合で4本塁打と爆発し、シリーズMVP(最優秀選手)も受賞した。試合後は見事4連覇を達成したリュ・ジュンイル監督の体が宙に舞い、グラウンド上でシャンパンファイトも繰り広げられた。投打ともに選手層が厚く、経験も豊富でベテランだけでなく次世代を担う選手たちも少しずつ登場してきている王者サムソンは、2015年は韓国シリーズ5連覇という未知の領域に挑む。


 惜しくも敗れたネクセンは韓国シリーズ初出場だったが、選手層、特に投手陣がサムソンと比べて手薄で、第5戦で9回裏2アウトからまさかの逆転サヨナラ負けを喫してしまうと、それを引きずってしまったのか第6戦では大敗を喫してしまった。1番ソ・ゴンチャン、主軸のパク・ピョンホ、カン・ジョンホなど強力打線があまり機能せず、勝ちなれているサムソンの牙城を崩すことはできなかった。だが球団創設7年目にしてたどりついた初の大舞台は、まだまだ若いチームにとって今後さらなる高みを目指すための糧となったことに違いない。


 こうして2014年シーズンのプロ野球は、サムソンライオンズの4連覇という形で幕を閉じた。2015年シーズン(開幕日未定)は、既存の9球団に新球団KTウィズが加わり、10球団による熾烈な争いが繰り広げられることになる。
 

(文責 : ふるりん