DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国シリーズ第7戦 サムソンが3連勝で初の3連覇達成


2013年 韓国シリーズ 第7戦

トゥサン 3−7 サムソン  (大邱
(勝)アン・ジマン 1勝  (敗)ハンキンス 1勝1敗1S
本塁打) トゥサン : ソン・シホン 2号  

 対戦成績3勝3敗で迎え、勝った方が優勝となる韓国シリーズ第7戦は、サムソンの本拠地・大邱で女優のソン・イェジンを始球式に迎え盛大に始まった。


(始球式を務めた女優ソン・イェジン。)


 トゥサンは1回表、サムソンの先発チャン・ウォンサムから1番イ・ジョンウクの2塁打でチャンスを作り、2番チョン・スビンの送りバントで3塁へ走者を進めた。ここで3番キム・ヒョンスのタイムリーでトゥサンが1点を先制した。サムソンは1回裏、トゥサンの先発ユ・ヒィグァンから2番パク・ハニ、3番チェ・テインの連打、4番チェ・ヒョンウへの四球で満塁とすると、5番パク・ソンミンの犠牲フライで1-1の同点に追いついた。トゥサンは2回表盗塁失敗、サムソンは2回裏併殺打でそれぞれチャンスをつぶした。
 トゥサンは3回表イ・ジョンウクへの四球、キム・ヒョンスのヒット、相手のエラーで1アウト満塁とすると、5番ヤン・ウィジの犠牲フライで1点を勝ち越した。サムソンも3回裏満塁のチャンスを作ったが、同点に追いつけなかった。チャン・ウォンサムは4回、5回を続けて三者凡退に抑えた。サムソンは5回裏パク・ハニ、チェ・テインの連打、チェ・ヒョンウへの四球で満塁とし、1アウト後トゥサンは2番手ハンキンスに交代させた。すると6番イ・スンヨプ(元オリックス)のタイムリーでサムソンは2-2の同点に追いついた。

(5回裏イ・スンヨプのタイムリーで同点に追いつく。)


 チャン・ウォンサムは6回途中2失点で2番手アン・ジマンに交代した。サムソンは6回裏先頭の9番チョン・ビョンゴンがヒットで出塁し、次の打者はバント失敗したもののパク・ハニの2塁打で1アウト2,3塁のチャンスを作った。チェ・テインは敬遠され満塁となり、チェ・ヒョンウの内野ゴロをサードのイ・ウォンソクがとり、本塁へ送球したら走者に当たってしまい大きくそれ、その間に2人が生還しサムソンが2点を勝ち越した。さらにこの回パク・ソンミン、7番キム・テワンのタイムリーで3点を追加した。
 トゥサンは7回表2番ソン・シホンの本塁打で1点を返したが、ここでサムソンは3番手チャ・ウチャンに交代させ反撃を断った。ピョン・ジンス、ホン・サンサムが追加点を許さなかったが、チャ・ウチャンは8回表も無失点に抑えた。最後は守護神オ・スンファンが9回表トゥサンの攻撃を三人で抑え、サムソンが第5戦からの3連勝で通算7度目の年間総合優勝、球団史上初の韓国シリーズ3連覇を達成した。これは1986年から1989年まで韓国シリーズ4連覇を達成したヘテ(キアの前身)に次ぐ記録である。



(9回表登板したオ・スンファン。)


 サムソンは2011年から2013年まで公式戦、韓国シリーズともに優勝という史上初の快挙を成し遂げ、リュ・ジュンイル監督の体が本拠地・大邱の夜空に大きく舞った。なお、韓国シリーズMVP(最優秀選手)にはこの試合も3安打と活躍し、第5戦での決勝2点タイムリー、第6戦でのダメ押し3ランと活躍が目立ったパク・ハニが受賞した。サムソンは第1戦、第2戦と本拠地で連敗という苦しい展開でスタートしたが、故障者も多く不振だった打線に少しずつ当たりが戻り、あと1敗もできない厳しい状況のもとで、経験豊富なチームは得意の集中打と守護神オ・スンファン、左腕チャ・ウチャンを中心とした層の厚いリリーフ陣で逃げ切った。


(韓国シリーズMVPのパク・ハニ。)

 トゥサンは史上初となる公式戦4位からの優勝を狙い、第4戦を終えて3勝1敗と12年ぶりの優勝まであと1つとなったが、まさかの3連敗で涙を飲んだ。韓国シリーズの途中まで機能していた投手陣が疲労で打たれるようになり、攻撃でもミスが目立ちあと1勝が届かなかった。韓国シリーズで第4戦までに3勝したチームが初めて優勝できなかったという不名誉も被ったが、前評判は高くなかったもののネクセンとの準プレーオフ、LGとのプレーオフを勝ち抜き、韓国シリーズも第7戦まで粘り強く戦ったチームの団結力には惜しみない賞賛を送りたい。第7戦ではキム・ヒョンスが4安打1打点と活躍。

 試合後、サムソンの選手たちはグラウンド上でシャンパンファイトを始め、勝利の美酒に酔いしれた。

 今後サムソンは、韓国代表としてアジアシリーズ2013(11月15日より台湾で開催)に大会史上初の3年連続で出場することとなり、2年ぶり2度目の優勝を目指して台湾シリーズ優勝チーム・統一セブンイレブンライオンズやヨーロッパチャンピオン・ボローニャ(イタリア)などと対戦する。

(文責 : ふるりん