DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  特別指名はイ・スンホ、ソン・シニョン、コ・チャンソンなど8名

 KBO(韓国野球委員会)は15日、プロ野球8球団が提出した保護対象選手20名を除く選手から、2013年シーズン1軍へ参加する新球団NCが各球団1人ずつ特別に指名し、契約できる選手8名を発表した。


【NC 特別指名選手一覧】

サムソン : キム・ジョンホ(外野手) 
SK : モ・チャンミン(内野手)
トゥサン : コ・チャンソン(投手)
ロッテ : イ・スンホ(投手)
キア : チョ・ヨンフン(内野手)
ネクセン : イ・テヤン(投手)
LG : キム・テグン(捕手)
ハンファ : ソン・シニョン(投手)

 
 NCは今回指名した選手と契約する場合は、1名につき10億ウォンの補償金を前所属球団に払わなくてはならない。そのため8名すべてと契約したら80億ウォンという巨額の費用がかかる。また、この指名選手が他球団とのトレード材料になることも否定できない。
 特に目立った選手としては、2011年シーズンオフFA(フリーエージェント)を行使し、移籍して1年がたったイ・スンホ(31)、ソン・シニョンである。左腕イ・スンホは2000年高校卒業後SKに入団し、同年10勝をあげ新人王を受賞した。先発、リリーフともに起用され、2000年シドニー五輪、2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)といった国際大会出場歴もあるが、2012年シーズンFAで移籍したロッテでは41試合に登板、2勝3敗1ホールド、防御率4.70とやや物足りない成績で、20名の保護対象選手から外されてしまった。
 ソン・シニョン(35)は大学卒業後2000年現代へ入団し、2001年以降右サイドハンドの中継ぎとして活躍を続けてきた。現代解散後はヒーローズ(2010年よりネクセンヒーローズ)へ移籍し、2011年シーズン途中、LGへトレードされ同年オフにFAでハンファに移籍した。だが2012年シーズンは24試合に登板、1勝3敗2ホールド、防御率4.94と物足りない成績に終わり、2013年シーズンの主力選手の構想から外れてしまったと思われる。
 その他にはかつてトゥサンの中継ぎ陣に欠かせない存在で、2010年広州アジア大会韓国代表にも選ばれたが、近年成績が悪化した右サイドハンドのコ・チャンソン(27)、2012年9月軍から除隊され2年ぶりに復帰し、内野の控えとして韓国シリーズにも出場登録されたモ・チャンミン(27)、2012年シーズン途中にサムソンから起亜へトレードされ、長打力を買われ後半戦ファーストで多く起用されたチョ・ヨンフン(30)が実績のある選手だ。
 なお正捕手不在のLGで2012年シーズン100試合に出場したキム・テグン(22)、2010年フューチャースオールスター戦MVP(最優秀選手)受賞歴があるが、選手層の厚いサムソンでは出番に恵まれなかったキム・ジョンホ(28)、高卒2年目の若手で1軍未勝利のイ・テヤン(19)など、将来性を考えた指名も見られる。8名の選手を指名したNCだが、まだまだ選手層は薄く、今後2012年シーズンFAを行使した選手と交渉して戦力強化を図ると思われる。

(11月15日現在の為替レート:1億ウォンが743万6000円。)

(文責 : ふるりん