DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  プレーオフ : SK−ロッテ 展望

 この2チームは2011年プレーオフでも対戦していて、2年連続同じカードとなった。公式戦3位準プレーオフからの出場で不利だったはずのSKが、経験の差でロッテをかろうじて上回り、決着は第5戦までもつれ込み3勝2敗で韓国シリーズ進出を決めた。今度は公式戦2位のSKが待つ側と有利な立場である。

 SK投手陣のチーム防御率は3.82(8球団中4位)と、ロッテに対して優位に立っているわけではない。特に先発投手陣の層がやや薄く、リリーフ陣に負担がかかっていた。シーズンを通してローテーションを守っていたのが、チーム最多の10勝をあげたユン・ヒィサンだけだった。プレーオフ第1戦の予告先発となったキム・グァンヒョンは、本来のエースとしての役割を十分に果たせず8勝どまりだった。だが幸いロッテ戦には比較的好投していて、相性の良さで起用されたと思われる。後半好調だったソン・ウンボム(8勝)、夏場に2か月戦線を離脱した外国人投手マリオ(6勝)などがその他の先発候補である。なお、シーズン途中の6月に契約したがあまり期待に添えなかったブッシュは、プレーオフの出場選手登録から外れた。
 その代わり、SKはシーズンホールド記録(34)を塗り替えたパク・ヒィス、自身初の30セーブをあげたチョン・ウラムと、2人の頼れる左腕リリーフがいる。ただ右のリリーフはやや安定感を欠き、イ・ジェヨン、オム・ジョンウク、チェ・ヨンピル、パク・チョンベなどその時の調子を見て起用することになりそうだ。またロングリリーフではチェ・ビョンニョンが主に起用されると思われる。
 
 不安な投手陣を補っているのが、チーム本塁打数(108)は8球団1と一発のある打線だ。打線の核は主に3番を打つチェ・ジョンで、2012年シーズンは自己最高の26本塁打、84打点を記録し勢いに乗っている。ポストシーズンで毎年効果的な一発を打っているパク・チョングォン、4番を任されたベテランの強打者イ・ホジュンなど中軸の破壊力は相手を上回る。一時期ほどの勢いはないが不動の1番打者チョン・グヌ、外野の要キム・ガンミン、強打の捕手チョ・インソンポストシーズンの経験が豊富なショートのパク・チンマンと、上位から下位まで気の抜けない打線となっている。なお、ポストシーズンに強く「カウルドンファ(秋の童話)」の異名を持つ俊足の外野手チョ・ドンファも、シーズン後半から試合に出場するようになり、準備は万端だ。

 2008年から2011年まで4年連続ポストシーズンに出場しても、短期決戦特有の戦い方を身につけられずファンを落胆させてばかりいたロッテも、ようやく5年目にして準プレーオフを突破し、次の段階に進むことができた。第4戦で決着をつけることができたため、激戦の疲れを少し取ってプレーオフに臨めるのは大きい。第1戦は必勝を期して、チーム最多勝(13勝)のユーマンを予告先発で起用する。第2戦以降はソン・スンジュン、コ・ウォンジュンなどが先発すると思われる。準プレーオフ第3戦で先発した外国人投手サドースキーは、プレーオフの出場選手登録から外れた。イ・ミョンウ、カン・ヨンシク、チェ・デソン、キム・サユルなどのリリーフ陣の最後に控えているのは、2011年までSKの守護神だったチョン・デヒョンである。SKとしてはチョン・デヒョンを出す展開だけは避けたい。
 打線では準プレーオフ第1戦で負傷したカン・ミンホの状態が最大の関心事である。準プレーオフは控え捕手のヨン・ドカンの活躍があったが、打撃で正捕手カン・ミンホに大きく劣る。ソン・アソプ、チョン・ジュヌ、ホン・ソンフンなどのタレントはいるが、SKほどの迫力はないため、ロッテとしては細かな継投で逃げ切る野球を図りたい。

 6年連続ポストシーズン出場、2011年まで5年連続韓国シリーズ出場と、勝ち方を知っているSKが有利ではあるが、ロッテとの戦力差がそこまで大きいわけではない。第5戦までもつれる好勝負を期待したいが、それはこの2チームを総合力で大きく上回り韓国シリーズで待ち構えているサムソンを喜ばせるだけである。なお、2012年シーズンの直接対決はロッテが10勝9敗と勝ち越しているがほぼ互角といっていい。