DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   準プレーオフ第4戦 ロッテ、延長サヨナラ勝ちでついにプレーオフ進出

2012年 準プレーオフ 第4戦

トゥサン 3−4 ロッテ  (釜山・社稷
(勝)チョン・デヒョン 1勝2S  (敗)ホン・サンサム 2敗
本塁打) トゥサン : ユン・ソンミン 1号
 ロッテが勝てばプレーオフ進出となる準プレーオフ第4戦は、負けたら終わりのトゥサンが先手を取った。2回表、トゥサンはロッテの先発コ・ウォンジュンから4番ユン・ソンミンのプロ9年目でのポストシーズン本塁打で1点を先制した。ロッテも2回裏、トゥサンの先発キム・ソヌから併殺打の後に連打でチャンスを作ったが、無得点だった。コ・ウォンジュンは3回表ピンチを招くと2番手ソン・スンジュンに交代となった。ここでトゥサンはユン・ソンミンのタイムリーで1点を追加した。
 ロッテは4回裏、3番ソン・アソプの2塁打などで満塁のチャンスを作るが、ここはキム・ソヌがしのいだ。ソン・スンジュンはロングリリーフで好投を続け、トゥサンも6回からキム・チャンフン、ピョン・ジンスの継投で相手に反撃を許さなかった。トゥサンは7回表、ロッテの3番手イ・ミョンウから追加点のチャンスを作ったが、ここは4番手キム・サユルが抑えた。トゥサンは8回表、ロッテの5番手キム・ソンベから6番イ・ウォンソクのタイムリーで1点を追加し、勝利を確実にしたかに思われた。
 トゥサンは8回裏、4番手として公式戦では主に先発で起用されていたニッパートをリリーフで登板させた。するとロッテは先頭の9番ムン・ギュヒョンがヒットで出塁すると、1番キム・ジュチャンのタイムリーでまず1点を返した。続く途中出場の2番パク・チュンソのヒットで2塁走者が生還するかに思われたが、外野からの好返球でタッチアウトとなった。しかしさらにピンチは拡大し、トゥサンは5番手ホン・サンサムを登板させたものの、代打ファン・ソンヨンへの押し出しの四球、6番チョン・ジュヌの犠牲フライで3-3の同点に追いついた。
 ロッテは9回から、この準プレーオフ2セーブと好調のチョン・デヒョンを登板させ、勝ち越し点を与えなかった。ホン・サンサムは9回裏も登板し三者凡退に抑え、試合は延長に突入した。チョン・デヒョンは10回表も三者凡退に抑え、ロッテは10回裏、ホン・サンサムから先頭のパク・チュンソがヒットで出塁した。続くソン・アソプはバントで走者を2塁へ進め、トゥサンはここで6番手プロクターに交代させた。4番ホン・ソンフンの打席でプロクターが暴投すると、それを取った捕手ヤン・ウィジの3塁への送球が後ろへそれ、その間に走者が生還しロッテがサヨナラ勝ちを収め、3勝1敗で準プレーオフを勝ち抜き、プレーオフ進出を決めた。

 ロッテは2008年、8年ぶりのポストシーズンとなる準プレーオフでサムソンに3連敗で一蹴されてから、2011年まで4年連続ポストシーズンで敗退し涙を呑んできた。ポストシーズンで勝ち抜いたのは、1999年サムソンとのプレーオフ以来13年ぶりとなった。第1,2戦と連勝しあと1勝としながら、第3戦でトゥサンに敗れたときは、同じような展開で第3戦から3連敗し準プレーオフ敗退となった2010年トゥサンに味合わされた悪夢の再現かとも思われた。特に準プレーオフは本拠地の社稷野球場で勝てず、20年間勝ち星なしの9連敗となった。
 だが第4戦は先発コ・ウォンジュンを早めに見切ると、第1戦で先発したソン・スンジュンをロングリリーフで起用し、必勝体制をとり勝利に見はなされた悪縁を断ち切ろうとした。同点に追いついてからは、2011年までSKの守護神で、韓国代表でも大舞台の経験が豊富なチョン・デヒョンが完璧に抑え、勝利に貢献した。1勝2セーブとリリーフとしては最高の仕事をしたチョン・デヒョンは、準プレーオフMVP(最優秀選手)を受賞した。打線ではホン・ソンフンが3安打と活躍。


(準プレーオフMVPのチョン・デヒョン。)


 一方第3戦で快勝し、第4戦も8回まで3点リードと勝利まで大きく近づき、本拠地・蚕室野球場での第5戦に決着を持ち込もうとしていたトゥサンは、懸念のリリーフ陣の薄さが響き、ニッパートの乱調もあって同点に追いつかれ、勝機を失ってしまった。またポストシーズンに何度も出場しているベテランのキム・ドンジュの不在など、打線に怖さを感じさせなかった。2012年シーズン新監督として指揮をとったキム・ジヌク監督はポストシーズン初采配だったためか、肝心な試合での選手起用のミスと経験不足も出てしまった。リリーフ陣の強化と、打線の世代交代という課題がこの準プレーオフで浮き彫りになり、トゥサンは2012年シーズンの戦いを終えた。

 公式戦2位のSKと、ようやく準プレーオフを突破したロッテとのプレーオフは、10月16日18時よりSKの本拠地・文鶴野球場で開始される。先に3勝したほうが、公式戦優勝のサムソンとの韓国シリーズ(10月24日開幕予定)に出場する。
(文責 : ふるりん