DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第2回 SKワイバーンズ

 2011年はシーズン途中でのキム・ソングン監督解任劇で揺れたが、公式戦3位から準プレーオフプレーオフを勝ち抜き、史上初の5年連続韓国シリーズ出場と地力の高さを見せたSKワイバーンズ。監督代行だったイ・マンス監督が正式に就任し、新体制となったSKは2年ぶりの韓国シリーズ優勝を狙う。

【投手陣】

〈先発〉 
◎ロペス、◎マリオ、ユン・ヒィサン、イ・ヨンウク、△キム・グァンヒョン、ソン・ウンボム、◎イム・チヨン
〈中継ぎ〉
◎イム・ギョンワン、オム・ジョンウク、イ・ジェヨン、△イ・スンホ、△パク・ヒィス、パク・チョンベ、△ホ・ジュンヒョク、△キム・テフン
〈抑え〉
チョン・ウラム

注 : ◎は新加入、△は左腕
2011年は心身の不調で不振から立ち直れなかったキム・グァンヒョン、オフにひじの手術を受けたソン・ウンボムがまだリハビリ中で、開幕に間に合いそうもない。左右の投手陣の柱であるこの2人が早く戻ってこないことには、先発陣が安定しない。外国人投手は2009年キアで最多勝をとった実績のあるロペス、まだ27歳と今後に伸びる可能性を秘めたマリオと、ドミニカ共和国出身の2人も先発として活躍が期待される。だが当面の先発の頭数が足りず、開幕後もさまざまな選手を試していくことになりそうだ。大卒新人のサイドハンド右腕イム・チヨンに期待がかかる。
 リリーフ陣ではロッテへ移籍した左腕イ・スンホ、チョン・デヒョンの2名の穴をいかに埋めるかである。幸い2011年は左のパク・ヒィスが台頭し、イ・ジェヨン、オム・ジョンウクの実績ある選手が復活の気配を見せた。そしてFA(フリーエージェント)でロッテから右のアンダースローのイム・ギョンワンを補強した。抑えはここ数年左の中継ぎの柱で、年間チーム最多登板を記録することも多かったチョン・ウラムとなりそうだ。キム・ソングン前監督と同じような細かい継投で勝利を拾っていく展開が予想される。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉
1.チョン・グヌ(二) 
2.パク・チェサン(左) △
3.チェ・ジョン(三) 
4.アン・チヨン(右) 
5.パク・チョングォン(一)△ 
6.チョ・インソン(捕)◎
7.チョン・サンホ(指) 
8.キム・ガンミン(中)
9.パク・チンマン(遊)

〈控え〉
(捕手) パク・キョンワン、チェ・ギョンチョル
(内野手) イ・ホジュン、チェ・ユンソク、アン・ジョングァン、キム・ソンヒョン、クォン・ヨングァン、ホン・ミョンチャン
(外野手) △チョ・ドンファ、イム・フン、パク・チェホン、◎△ユ・ジェウン、△チョン・ジンギ

注 : ◎は新加入、△は左打者。

 2012年シーズンの目玉は、LGからFA(フリーエージェント)で移籍してきたチョ・インソンである。2011年正捕手となったチョン・サンホとの併用が予想されるが、41歳となるベテラン捕手パク・キョンワンの復活も待たれる。不動の4番打者がいないのが悩みだが、2011年シーズン後半チャンスに強い打撃でレギュラーに定着したアン・チヨンが面白い存在だ。その他チョン・グヌ、パク・チェサン、チェ・ジョン、パク・チョングォンなどここ数年レギュラーとして活躍している選手たちも健在で、打線の破壊力は確実に増した。
 代打ではイ・ホジュン、パク・チェホンなど経験豊富なベテランたちもそろっている。若手野手にとってレギュラーの座を狙うのは厳しいものがあるが、イ・マンス監督の大胆な抜擢に期待したい。

 イ・マンス監督は、猛練習で知られ3度の韓国シリーズ優勝に導いたキム・ソングン前監督とは違い、個人の自律を重んじる野球を志向しているといわれる。近年最高の結果を残しているSKの選手たちは、自己の役割を全うできる大人の集団である。エース級投手の不在で苦しい先発投手陣のやりくりさえめどがつけば、2012年シーズンも以前と同様優勝争いに加わることであろう。


【本拠地】 仁川・文鶴野球場

 2002年に開場した、総天然芝の美しい野球場。2007年から「Spo-tainment」のキャッチフレーズを掲げ、球場のテーマパーク化を進め、球場内の通路には子供のための遊戯施設もある。年々場内施設は進化を続け、2010年にはレフト外野に芝生席の「グリーンゾーン」も設置された。球場の南側に小高い山があり、緑豊かな環境のため、地球にやさしい「グリーンスポーツ」をテーマとして、年々施設の拡充を図っている。2012年はグラウンドの芝生を植え替え、雰囲気がまた変わっている。
 2012年シーズンの入場料金は、2011年と大きな変化はない。一般席8000ウォン(子供料金は4000ウォン)、※椅子指定席12000ウォン(15000ウォン)、※テーブル指定席20000ウォン(25000ウォン)、※応援指定席10000ウォン(12000ウォン)など。※内野ファミリーゾーンは1人当たり15000ウォン(18000ウォン)、※外野ファミリーゾーンは1人当たり10000ウォン(12000ウォン)。ファミリーゾーンは内外野ともに4人席か5人席。バーベキューゾーンは1人当たり18000ウォン(4人から8人席)。外野パーティデッキは1人当たり12000ウォン(4人・6人・8人)。※カップル席(2人)は20000ウォン(25000ウォン)。
注:※の( )内は土日・祝日料金。




[交通アクセス]
 仁川地下鉄1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅から徒歩5分。すぐ裏には文鶴競技場(2002年サッカーW杯会場)がある。
 ソウル駅からは仁川方面への首都圏電鉄線の電車に乗り、富平(プピョン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換えて1時間程度で到着。仁川国際空港からは、空港鉄道(A`REX)に乗り桂陽(ケェヤン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換え、1時間10分程度で到着。また、文鶴競技場前のバス停留所に止まる仁川空港からのバスもある(所要時間1時間前後)。ソウル・金浦(キムポ)空港からも空港鉄道と仁川地下鉄1号線で行くことができ、所要時間45分程度。
 また、国内各都市から近くの仁川総合バスターミナルまで高速バスの便があり、同ターミナルから文鶴競技場駅までは仁川地下鉄1号線で1駅しか離れていないため、大田や光州などの地方都市へのアクセスがよい。また球場周辺には目だった飲食店や店舗はなく、文鶴競技場駅付近には野球開催日になると屋台が軒を並べる。 
(文責 : ふるりん