DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  イースタンリーグ、ファン・ジェギュン(ロッテ)のタイムリーでサヨナラ勝ち  MVPはホン・ソンフン(ロッテ)  

ウェスタンリーグ 8−9 イースタンリーグ(大邱)
(勝)イ・ヨンチャン  (敗)ソン・スンナク
(本塁打) イースタンリーグ : ホン・ソンフン 1,2号、ガルシア 1,2号(以上ロッテ)、ヤン・ジュンヒョク 1号(サムソン)
 
 2010年プロ野球オールスター戦は、1997年以来13年ぶりにサムソンの本拠地・大邱(テグ)で実施され、8000名程度の観客が真夏の夜の祭典に酔いしれた。

 試合開始前のホームラン競争は、予選と決勝を別々に行っていた従来と違って、7アウト制の一発勝負で行われ、キム・ヒョンス(トゥサン)が新記録となる10本塁打で優勝した。なお、イ・デホ(ロッテ)、チェ・ジンヘン(ハンファ)など本塁打を量産している打者に混じって、リュ・ヒョンジン(ハンファ)、ポン・ジュングン(LG)と2人の投手も特別参加した。


(ホームラン競争で優勝したキム・ヒョンス。)


 始球式の前に、1980年代と1990年代にサムソンで活躍した名選手をポジションごとに集めた「サムソンライオンズ伝説のオールスターベスト10」のイベントが行われ、オールドユニフォームを着た元選手たちに大きな拍手が送られた。特に1980年代サムソンのエースとして活躍したキム・シジン(現ネクセン監督)が始球式をつとめ、打席にはチャン・ヒョジョ(現サムソン2軍首席コーチ)が立ち、韓国プロ野球史上初の打撃三冠王の名捕手イ・マンス(現SK2軍首席コーチ)がマスクをかぶった瞬間は、古くからの野球ファンにはたまらない瞬間であった。


(始球式で投げたキム・シジン監督とイ・マンスコーチ。)


 栄えあるオールスター戦の先発は、イースタンリーグがキム・グァンヒョン(SK)、ウェスタンリーグがリュ・ヒョンジン(ハンファ)と、いまだに公式戦でも実現したことがない韓国を代表する若手左腕同士の対決となった。しかしウェスタンリーグは1回表、2番イ・デヒョン(LG)のタイムリーで1点を先制すると、4番チェ・ヒィソプ(キア)、6番カン・ジョンホ(ネクセン)、9番チョン・ソンフン(LG)のタイムリーで6−0と大量リードを奪い、キム・グァンヒョンはわずか1アウトしか取れず2番手門倉(SK、元読売)に交代した。
 イースタンリーグは3番ホン・ソンフン(ロッテ)、4番ガルシア(ロッテ、元オリックス)の2者連続本塁打で3点を返した。ファン投票歴代最多得票数で選出されたホン・ソンフンは、「最多得票 感謝」と背中にかかれた特注のユニフォームを着て黒い付けひげもつけ、ファンの期待にこたえるアーチをスタンドにかけた。


(「最多得票 感謝」の文字を背中に書き本塁打でファンの期待にこたえるホン・ソンフン。)

 ウェスタンリーグは3回表、イースタンリーグの3番手ヒメネス(トゥサン)からチョン・ソンフンの2打席連続タイムリーで2点を追加し、8−3と5点リードで試合の主導権を握り、3回裏から3番手イ・ドンヒョン(LG)が登板した。イースタンリーグはクォン・ヒョク、チャ・ウチャンと地元サムソン勢がリリーフとして好投し、ウェスタンリーグはポン・ジュングン(LG)、ソン・ヨンミン(キア)、ヤン・ヒョンジョン(キア)が相手の強力打線を封じていった。
 しかしイースタンリーグは7回裏、ウェスタンリーグの6番手クム・ミンチョル(ネクセン)から途中出場の2番ヤン・ジュンヒョク(サムソン)が3ランを打ち反撃したところで流れが変わった。オールスター戦通算14度目の出場で、通算安打数、本塁打数、試合出場数などの数々の記録を持つプロ野球界の「生きる伝説」にふさわしい一発だった。そしてこれにホン・ソンフン、ガルシアがこの試合2度目のアベックアーチを決め、8−8の同点に追いつき試合はわからなくなった。


(7回裏反撃ののろしとなる3ランを打ったヤン・ジュンヒョク。)

 勢いに乗るイースタンリーグは9回裏、同点のままウェスタンリーグの7番手ソン・スンナク(ネクセン)からチャンスを作ると、途中出場の6番ファン・ジェギュン(ロッテ)がタイムリーを打ち、ウェスタンリーグが9−8で5点差をひっくり返しサヨナラ逆転勝ちした。ファン・ジェギュンは本来ウェスタンリーグ三塁手部門でファン投票選出されていたが、オールスター戦の直前の7月22日にネクセンからロッテへの移籍が決まり、イースタンリーグの選手として出場することになったところで、まさかの活躍に本人が一番驚いたことであろう。


(サヨナラタイムリーを打ち祝福されるファン・ジェギュン。)

 さて、2010年プロ野球オールスター戦MVP(最優秀選手)には、4安打2本塁打3打点と大活躍し、ファン最多得票選手にふさわしい成績とパフォーマンスを見せたホン・ソンフンが、2006年以来2度目となる受賞を果たした。その他は3安打2本塁打2打点と活躍したガルシアが優秀打者賞、6回から8回途中まで無失点に抑えたチャ・ウチャンが優秀投手賞を受賞した。


(MVPを受賞し商品の車の上に乗るホン・ソンフン。)

 試合終了後には花火も打ち上げられ、大雨が降るぐずついた空模様の大邱であったが、ファンたちは年に1度の真夏の祭典を大いに楽しみ、2010年プロ野球オールスター戦は幕を閉じた。公式戦は7月27日(火)から再開される。



(ネクセンのマスコット、トクトリは相変わらず… お食事中の方は失礼いたしました…)
 
 

(文責 : ふるりん