ハンファイーグルスの本拠地、大田(テジョン)・ハンバッ総合運動場野球場は、大田の中心市街地から1.5kmほど南に離れたところにあり、週末ともなれば地元のファンたちで賑わいを見せるようになっています。球場を訪問した5月1日、ハンファは前日まで5連敗と最下位に沈んでいましたが、土曜日の夕方ということもあって、かなりの混雑を見せていました。チームを支えてきたソン・ジヌ、チョン・ミンチョル(元読売)などのベテラン、日本球界へ移籍したキム・テギュン、イ・ボムホの主軸打者がいなくなったにもかかわらず、大田市民たちは地元のチームを応援することに喜びを感じているようです。近年の韓国におけるプロ野球ブームは、とにかく野球を見て楽しみたいという人々の純粋な感情に支えられています。
選手がだいぶ入れ替わったこともあって、去年までファンたちを出迎えていた野球場正面入り口の選手たちの写真はすべて撤去されていました。
今後はどんな選手たちがこの野球場を彩るのでしょうか。
センターバックスクリーン右横には、35(チャン・ジョンフン、2005年引退)、23(チョン・ミンチョル、2009年引退)、21(ソン・ジヌ、2009年引退)と、ピングレ、ハンファとこの球場で輝いた永久欠番の3人の選手をたたえるモニュメントがあります。韓国は儒教国家で先祖や歴史を大切にしますから、球団を支えてきた先人をたたえる土壌が根付いているのでしょう。そのせいか、時折前身球団やオールドスタイルのユニフォームを着たファンに、どの球場でも出会うことができます。
1塁側の内野応援席は早々と埋まり、ファンたちは外野や3塁側へとどんどん流れていきます。
比較的よく晴れた週末の夕方、国歌の演奏とともにゲームは始まり、サムソンが1回表に3点を先制し、5回で7−1と大きくリードを奪います。
攻守ともにミスの目立つハンファですが、地元のファンたちはスティックバルーンをたたいて声の限り応援を続けます。
2009年と比べ内野テーブル席が増加し、多少自由席が減っていますが、小ぢんまりとした地方球場らしいアットホームな環境は変わっていません。
売店も収容人数1万人台の規模の割には内外野ともに充実していて、うどんやカルククスなどの麺類や、トッポギなど辛い一品料理、韓国風のチキンなどメニューは豊富です。
応援も素朴で覚えやすいですし、ソウルから超特急KTXで1時間あまりで大田まで行けますので、ぜひ1度足を運んでいただきたい野球場です。
(文責 : ふるりん)