ロッテは1日、2008年7月釜山で泥酔し一般市民に暴行を働きKBO(韓国野球委員会)から無期限失格処分を受けたが、2009年6月解除され復帰したチョン・スグン(32)を、電撃的に退団させた。理由は8月31日夜、チョン・スグンが釜山市内のホフ(韓国では一般的なビールを中心とした酒類を出す居酒屋のような飲食店)で騒ぎを起こしたと警察に通報があったことによる。現場に警察が到着したころチョン・スグンはその店を去っていて、従業員の証言と警察への通報との間に食い違いがあることと、チョン・スグン本人がこの事件を否定していることもあり、真相ははっきりしていないが、夜遅くまで飲食店で酒を飲んでいること自体がプロ野球選手としての所作をわきまえていないことと、過去とよく似た騒動を再び起こしたこともロッテ球団やプロ野球全体の著しいイメージ低下につながったとして、チョン・スグンを退団させることにした。
チョン・スグンは高校卒業後1995年ＯＢ(現トゥサン)に入団し、韓国を代表する快足の外野手として1998年から2001年まで4年連続盗塁王に輝く一流選手だった。しかし飲酒によるトラブルも多く、2003年にはキャンプ先の米国・ハワイで暴行事件を起こし、現地の裁判所で罰金刑を受けている。ロッテ移籍後の2004年には一般市民に対して暴行事件を起こし、KBOより出場停止処分を受けた。3度目の暴行事件を起こした2008年7月には無期限失格処分を受け、事件を十分に反省したとして2009年6月に処分が解除され、8月12日には1軍復帰を果たしていた。そして8月30日まで15試合に出場し、打率.237、1本塁打、7打点、3盗塁の成績を残し、復活をアピールしていた。なお、すでに2009年シーズンの他球団への移籍が可能なウェーバー公示期限(7月24日まで)を過ぎているため、チョン・スグンは2010年シーズン以降でないと他球団でのプレーはできない。しかし過去にこれだけの問題を起こした選手を獲得する球団があるかどうかはかなり微妙な状況でもある。なお、KBOでは事件の真相を把握し、賞罰委員会を開きチョン・スグンの処分を決定する予定。
（文責 ： ふるりん）
