プレーオフ 第6戦
サムソン 2−5 トゥサン (ソウル・蚕室)
(勝)チョン・ジェフン 3勝 (セーブ)イ・ジェウ 2S (敗)ユン・ソンファン 1勝1敗
トゥサンが3勝2敗とリードし、韓国シリーズ進出に王手をかけたプレーオフ第6戦は、ソウルでは午後から雨が降り延期になるかと思われたが、夕方に雨がやみ予定通り18時に開始され、3万人の超満員の観衆が集まった。トゥサンは1回裏サムソンの先発ユン・ソンファンから無死1,3塁とチャンスを作ると、3番キム・ヒョンス、6番コ・ヨンミンの犠牲フライで2点を先制した。トゥサンは2回裏四死球を連発するユン・ソンファンから追加点のチャンスを作るが、ここは代わったサムソンの2番手チャ・ウチャンが2番オ・ジェウォンを併殺に打ち取る。3回裏の攻撃が始まる前、一旦止んだはずの雨がまた強く振り出し、試合は51分間中断した。
(試合開始のため、係員が総出でグラウンドの水を雑巾でふき取っている。)
試合再開後の4回表、サムソンはトゥサンの先発イ・ヘェチョンから6番パク・チンマンの犠牲フライで1点を返すが、トゥサンはすかさずその裏サムソンの3番手チョン・ヒョヌクから1番イ・ジョンウクのタイムリーで1点を追加し、代わったサムソンの5番手アン・ジマンから4番キム・ドンジュが押し出しの四球を選び、4−1とリードを広げた。サムソンは5回表2死で3番パク・ソンミンのタイムリーで4−2と2点差に迫り、イ・ヘェチョンは勝利投手まであと1人だったがここまで5四球と制球が定まらず、ここでマウンドを2番手チョン・ジェフンに譲った。サムソンはここで代打ヤン・ジュンヒョクを送ったが、チョン・ジェフンの前に三振に倒れチャンスを逃した。
(プレーオフ3勝を記録したチョン・ジェフン。)
サムソンは6回表、相手のエラーもあり2死満塁のチャンスを作ったが、ここでチョン・ジェフンは2番シン・ミョンチョルをファールフライに打ち取りピンチを脱した。トゥサンは7回途中から3番手イ・ジェウを登板させ、サムソンに反撃の糸口すら与えない。追加点のほしかったトゥサンは8回裏、サムソンの6番手チョ・ジンホからバントと内野安打でチャンスを作ると、代わったサムソンの7番手チョン・ビョンホからイ・ジョンウクのバントで1点を追加した。
9回表のマウンドにもイ・ジェウが立ち、8回に続いて三者凡退に抑え、トゥサンが第4戦以降プレーオフで3連勝し対戦成績を4勝2敗とし、2年連続7度目の韓国シリーズ出場を決めた。5回途中から7回途中まで何とか無失点に抑えたチョン・ジェフンが、プレーオフ3勝目。この試合では総じてこれまで不安定だったリリーフ陣が、相手の拙攻もありチョン・ジェフン、イ・ジェウの好投で無失点に抑え、勝利に大きく貢献した。
トゥサン打線は8安打だったが、持ち味のバントや的確な走塁で確実にチャンスをものにした。なお、プレーオフ全体のMVPは、6試合で29打数15安打と5割を超える高打率を残し、トップバッターとしてチームを引っ張ったイ・ジョンウク(トゥサン)が2年連続で受賞した。
準プレーオフでロッテ相手に3連勝し、万全の体制でプレーオフに臨んだサムソンは、第3戦まで2勝1敗とリードしたものの、その後3連敗し力尽きた。先発として起用されていた外国人投手エニスが負傷により戦線離脱するなど、不安定な先発陣により試合のリズムが作れず、最強守護神オ・スンファンまでつなげなかった。また準プレーオフで活躍したヤン・ジュンヒョク、チン・ガビョンなどのベテランの打者たちや、トップバッターのパク・ハニが不調に陥り、ここ一番のチャンスを生かせなかった。だがパク・ソンミン、チェ・ヒョンウ、チェ・テインなどの若手野手たちが主軸として大きく成長し、公式戦は4位にとどまったが、覇権奪回に向けて1年を通して少なくない収穫があった。
第4戦以降得意の機動力野球を生かし状態が上向きになってきたトゥサンは26日から、2年連続で公式戦を独走優勝したSKと、年間総合優勝をかけて韓国シリーズを戦う(先に4勝したほうが優勝)。
(文責:ふるりん)