DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  新球団ウリ、本拠地開幕戦でサヨナラ勝ち  ロッテ、サムソン開幕3連勝

SK 4−8 ロッテ  (釜山・社稷
(勝)ソン・スンジュン 1勝  (敗)クビアン 1敗
本塁打) SK : パク・チョングォン 1号  ロッテ : カン・ミンホ 2号
 開幕連勝スタートを切ったロッテは、釜山(プサン)・社稷(サジク)野球場での本拠地開幕戦に、2007年に続いて3万人の満員の大観衆が集まり、今季こそはポストシーズン進出を願う釜山市民の熱気であふれていた。SKは1回表ロッテの先発ソン・スンジュンから4番パク・キョンワンのタイムリーで1点を返したが、ロッテはその裏SKの先発の新外国人クビアン(元阪神)から4番イ・デホ、5番の新外国人ガルシア(元オリックス)のタイムリー、6番カン・ミンホの3ランで6点を奪い、クビアンは1アウトも取れず降板した。さらにこの回ロッテはSKの2番手キム・ウォンヒョンから3番パク・ヒョンスンのタイムリーで2点を追加し、打者13人の猛攻で一挙に8点をあげた。
 SKは4回表6番パク・チョングォンの本塁打、1番イ・ジニョンのタイムリーで2点、6回表相手のエラーで1点を返したが、ロッテはその後ペ・ジャンホ、カン・ヨンシクの継投で相手の反撃を断ち、地元の大声援を受けて本拠地開幕戦を勝利で飾った。ロッテでは1回に決勝3ランを打ったカン・ミンホが3安打と活躍。SKは先発クビアンが大誤算で、ロッテと同じ12安打を打ちながら打線がつながらなかった。

[3万人の大観衆で埋まった社稷野球場。]
  

トゥサン 3−0 キア  (光州)
(勝)ランデル 1勝  (セーブ)チョン・ジェフン 2S  (敗)ソ・ジェウン 1敗
 キアの本拠地・光州(クァンジュ)での地元開幕戦となったこの試合は、元メジャーリーガーのソ・ジェウンが地元公式戦で初登板初先発ということで、光州での開幕戦としては5年ぶりに13400人の満員の観衆で埋まった。トゥサンは1回表ソ・ジェウンから5番キム・ヒョンスのタイムリーで1点を先制した。ソ・ジェウンはその後追加点を与えず6回1失点で降板するが、トゥサンの先発ランデル(元読売)も好投し5回まで無失点に抑えた。
 キアは6回裏ランデルから逆転のチャンスを作るが、ここは代わったトゥサンの2番手イム・テフンに抑えられてしまう。トゥサンは9回表キアの3番手ユ・ドンフンから8番チェ・サンビョンのタイムリーで2点を追加すると、最後はチョン・ジェフンが抑え完封リレーで勝利し開幕連勝スタートとなった。キアはこの試合でもわずか5安打しか打てず、開幕後3試合で開幕戦の3得点だけと深刻な貧打に陥り、開幕3連敗。ソ・ジェウンは勧告公式戦初登板で6回を1失点に抑え、今後の活躍を予感させた。

[キアの自動車に乗ってグラウンドに登場するキアの選手たち。]
  

ハンファ 5−6 ウリ  (ソウル・木洞)
(勝)ノ・ファンス 1勝  (敗)トーマス 1敗
本塁打) ウリ : ブランボー 1号
 新球団ウリヒーローズにとってこの試合は本拠地ソウル・木洞(モクトン)野球場での初の公式戦であり、同球場での初のプロ野球公式戦ということで大いに注目されたが、新球団の人気がまだまだ低いこともあり、2万人前後収容できるスタンドに約4800人の観客しか集まらず、やや寂しい雰囲気だった。30日のトゥサンとの開幕戦で敗れたウリは公式戦初勝利を目指したが、2回表先発の新外国人スコービーが9番キム・ミンジェのタイムリーで1点を先制される。
 ウリは3回裏ハンファの先発ユ・ウォンサンから4番の新外国人ブランボー(元オリックス)の球団、そして木洞野球場史上の初本塁打となる3ランで逆転した。ハンファは4回表キム・ミンジェの2打席連続タイムリーで1点を返すと、5回表6番イ・ボムホ、8番シン・ギョンヒョンのタイムリーで5−3と逆転し、スコービーをノックアウトした。ウリもその裏6番ファン・ジェギュンのタイムリーで1点を返した。ユ・ウォンサンは6回4失点で降板し、その後チェ・ヨンピルなどのリリーフ陣が相手を抑えていき、8回裏途中から新ストッパーの新外国人トーマス(元北海道日本ハム)を登板させ万全を期した。
 ウリもソン・シニョン、ノ・ファンスが追加点を許さず粘り強く戦うと、9回裏トーマスからファン・ジェギュンのタイムリーで同点に追いつくと、代打チョ・ピョンホのタイムリーで逆転サヨナラ勝ちし、本拠地での公式戦初試合を球団初勝利で飾った。現代に在籍していた4年間では1軍でヒットを打てなかったチョ・ピョンホは、自身初の1軍初安打が球団初勝利に貢献し、今後の1軍定着に弾みをつけた。ノ・ファンスが現代在籍時の2005年3年ぶりの勝ち星(プロ通算2勝目)をあげ、球団史上初の勝利投手となった。
 ウリでは主砲ブランボーが3安打、新球団でショートのレギュラー定着を狙う若手のファン・ジェギュンが3安打と活躍した。ハンファではイ・ボムホが3安打2打点と活躍したが、新ストッパーのトーマスが抑えに失敗し開幕3連敗となり、手術後のリハビリで復帰が未定の守護神ク・デソン(元オリックス)の穴を痛感させられた。

[チーム史上初勝利を決めるサヨナラタイムリーを打ったチョ・ピョンホ(右)。]


サムソン 6−2 LG  (ソウル・蚕室)
(勝)チョン・ヒョヌク 1勝  (敗)チョン・ジェボク 1敗
本塁打) サムソン : チェ・ヒョンウ 1号  LG : パク・キョンス 1号、チョ・インソン 1号
 LGの本拠地開幕戦となったこの試合では、女子フィギュアスケートキム・ヨナ選手が始球式をつとめた。サムソンは3回表LGの先発パク・ミョンファンの暴投で1点を先制するが、LGは5回裏サムソンの先発の新外国人オバミュラー(元オリックス)から8番パク・キョンスの本塁打で同点とし、7回裏サムソンの2番手アン・ジマンから6番チョ・インソン本塁打で2−1と逆転した。サムソンも8回表LGの5番手チョン・ジェボクから8番チン・ガビョンへの押し出しの四球で同点に追いつき、試合は延長に突入する。
 サムソンは10回表チョン・ジェボクから途中出場の7番チェ・ヒョンウのプロ初本塁打となる2ランで勝ち越すと、代わったLGの6番手の高卒新人イ・ボムジュンから1番パク・ハニ、2番シン・ミョンチョルの連続タイムリーで2点を追加しダメを押した。最後は守護神オ・スンファンがセーブのつかない場面で登板し相手の反撃を断ち、サムソンが延長戦を制し開幕3連勝となった。決勝2ランを打ったチェ・ヒョンウは2002年以来6年ぶりの1軍での安打が、プロ7年目にしての初本塁打となり、熾烈な若手のレギュラー争いで一歩リードした。一方LGは2本塁打を含めてもわずか3安打しか打てず、9回までの投手陣の好投を見殺しにした。

[始球式を行うキム・ヨナ。後ろはLGの先発パク・ミョンファン。]
(文責:ふるりん