DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第5回 LGツインズ

2007年成績 : 58勝62敗6分 公式戦5位

 2007年は球団OBの名将キム・ジェバク監督が就任し、2006年の最下位から5位への浮上に成功した。だがそれはイ・スンチョル前監督の下でくすぶっていたベテラン勢の奮起によるところが大きく、肝心の若手育成にはあまり成果が見られなかった。現代を4度韓国シリーズ優勝に導いた名将の真価が問われる1年となる。LGは2002年名将キム・ソングン監督が公式戦4位ながら韓国シリーズに導いたあと、5年連続でポストシーズン進出を逃している。今季こそ韓国プロ野球ナンバー1の観客動員数にふさわしい成績を収めることを、ファンたちは切に願っている。


投手】 

[先発]  パク・ミョンファンオクスプリング(元阪神)、ブラウン(元阪神)※、ポン・ジュングン△、チェ・ウォンホ
[中継ぎ]  シム・スチャン、チョン・ジェボク、リュ・テッキョン△、チョン・チャンホン※、イ・ボムジュン※
[抑え] ウ・ギュミン
(※は新加入、△は左腕)

 投手陣の柱は、今季もパク・ミョンファンである。トゥサンからFA移籍した2007年は、チーム最多の10勝を記録し先発ローテーションを1年間守った。今季も2ケタ勝利が期待される。パク・ミョンファンに続く2番手投手が見当たらないため、今季の外国人選手は2007年シーズン途中から在籍したオクスプリングだけでなく、サムソンを自由契約となったブラウンとも契約し2名とも投手となった。2007年はわずか6勝と期待を裏切った元メジャーリーガーのポン・ジュングンも、韓国2年目となる今季は左の先発として活躍してもらわないと困る。
 注目を集めているのは高卒新人チョン・チャンホンで、示範競技では4試合に登板し無失点と好投し、今後先発として起用されることも予想される。同じ高卒新人のイ・ボムジュンにも期待がかかる。チョン・ジェボク、シム・スチャンなどもチーム事情によっては先発に回ることもある。守護神は北京五輪予選にも出場したアンダースローのウ・ギュミンで、今季も30セーブ前後を期待したい。 


攻撃

[ベストオーダー]
1.イ・デヒョン(中)△
2.イ・ソンヨル(右) △
3.パク・ヨンテク(左)△
4.チェ・ドンス(一)
5.チョ・インソン(捕)
6.キム・サンヒョン(指)
7.パク・キョンス(二)
8.イ・ジョンヨル(三)◎
9.クォン・ヨングァン(遊)
(△は左打者、◎は両打ち)

 2007年主軸打者として活躍した外国人打者バルデス(元福岡ダイエー)が去り、打線の迫力は低下した。キャンプや示範競技でも若手野手の台頭が見られず、他チームと比べややさびしい顔ぶれとなっている。2007年自身初の盗塁王に輝いたイ・デヒョンが今季も核弾頭となる。3年連続全試合出場を達成したパク・ヨンテクがポイントゲッターとして、より一層の活躍が求められる。勝負強さで4番の座を手にしたベテラン、チェ・ドンス、スイッチヒッターのイ・ジョンヨルなどの後継者が待たれる。
 また強肩の捕手、チョ・インソンはリードだけでなく勝負強い打撃で2007年はチーム一の打点をあげ、今季も攻守の要として大きな存在感を放っている。チームの浮上のためにはイ・ソンヨル、パク・キョンスなど数年前から1軍にいるが主力に成長しきれていない選手たちの奮起も必要だ。 


本拠地
 ソウル・蚕室野球場
 詳細は第2回を参照。
 同じ球場を本拠地とするライバル、トゥサンとの一戦は非常に盛り上がる。両チームが対決する際は、どちらの主催試合とは関係がなくトゥサンが一塁側、LGが三塁側ベンチを使用する。韓国随一の人気球団だけあり、LGの応援席がチームカラーの赤に染まり、ファンたちがキャッチフレーズ「無敵(ムジョク)LG」の黄色いボードやタオルを掲げて応援する風景は必見である。また2007年から主力選手たちの背番号とキャッチフレーズを背中に書いたTシャツが販売され、ファンたちの間に非常に人気がある。
(例) 1 CLOSER=ウ・ギュミン、27 ACE=パク・ミョンファン、32 大器晩成=チェ・ドンス、33 COOL GUY=パク・ヨンテク、41 FOREVER=キム・ヨンス(引退、かつてのLGの守護神で永久欠番)


(球場のライト外野席入り口付近に、LG、トゥサン両チームのグッズショップがある。)


(バックスクリーンにLGの選手が大写しで紹介される。写真はチェ・ドンス。)


(真っ赤に染まるLG応援席。毎年5月5日のこどもの日はトゥサン−LG戦が行われ、両チームのファンで球場は埋め尽くされる。)


(LG側内野応援席のステージ付近。チアガールたちがダンスしファンたちを盛り上げる。)


(試合終了後は、場外の屋台でファンたちが騒ぐことも。)


[交通アクセス]
 ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄で約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。
 仁川(インチョン)空港からは、韓国都心空港ターミナル(KCAT)まで直通のリムジンバスが出ていて、所要時間1時間前後と早くて便利。同ターミナル近くのソウル地下鉄2号線・三成(サムソン)駅から総合運動場駅へは、地下鉄で1駅と大変便利。
 ソウル・金浦(キムポ)空港からは地下鉄5号線、2号線を乗り継いで1時間前後。


(文責:ふるりん)