DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  イム・チャンヨン、東京ヤクルト移籍で合意

 サムソンのサイドハンド右腕イム・チャンヨン(31)は最近日本プロ野球東京ヤクルトと入団交渉を行っていると報じられていたが、5日代理人パク・ユヒョン氏がヤクルト側と基本的には2年、オプションで1年と合計3年契約で合意に達したと明らかにした。年俸は1軍最低補償額レベルの13万6000ドル(約1500万円)とだが、オプション契約により試合に登板し好成績をあげると出来高により最大100万ドル(約1億1030万円)の報酬が支払われる仕組みになっている。2年目以降の年俸は1年目の成績に応じて決まる。
 イム・チャンヨンは高校卒業後1995年ヘテに入団し、97年26セーブを記録し抑えとして活躍した。98年に自身初の最優秀救援投手となり、99年サムソン移籍後も2年連続で30セーブ以上を記録し、特に99年には最優秀防御率のタイトルを獲得した。2001年先発転向後は3年間で合計44勝をあげ、02年にはチームの韓国シリーズ初優勝に貢献した。04年には38セーブでセーブ王のタイトルも獲得した。国際舞台でも活躍し、2000年シドニー五輪、02年アジア大会、03年アテネ五輪予選韓国代表などに選ばれてきた。
 2004年オフFA取得後、日本などへ海外進出を図ったが失敗し結局サムソンと再契約した。だが2005年シーズン途中でひじ痛のため戦線離脱し、秋に手術を受けリハビリのため06年は公式戦に1試合しか登板できなかったものの、韓国シリーズ、アジアシリーズでは中継ぎとして活躍した。今季は先発としては結果を残せず、中継ぎやロングリリーフで登板したが成績は40試合に登板、5勝7敗、防御率4.90と過去の実績からするとさびしい数字だった。プロ13年間の通算成績は534試合に登板、104勝68敗168セーブ、防御率3.25。今季は史上4人目の通算100勝100セーブを達成している。
 2006年オフに契約期間2年で再契約したが、海外進出を希望する場合契約を解除できるという条項があり、サムソンを退団するに当たっても違約金などの問題は発生しない。2005年以降は故障に苦しみ、かつての球威は見られなくなり、成績不振によりマイナスオプション発生により年俸5億ウォン(約5970万円)のうち2億ウォン(約2390万円)を返上したイム・チャンヨンは、韓国にいれば5億ウォン前後の年俸が保障されるが、金銭面よりも心機一転のため新天地を日本に求めた。
 東京ヤクルトは今季キアから移籍し、セントラルリーグ最多勝に輝いたグライシンガー(韓国での呼称はグレイシンガー)が来季の年俸交渉で決裂し、退団が決まり外国人枠に余裕ができた。東京ヤクルトは投手陣の不振により今季21年ぶりのセントラルリーグ最下位に転落した。イム・チャンヨンは弱体化した東京ヤクルトの救世主になれるか。7日東京で入団記者会見が行われる予定。

 また、東京ヤクルトは今季オフFAを取得し、トゥサンとの交渉後日本プロ野球進出を図っているキム・ドンジュとも契約する方針を固めた、と日本のマスコミが報じていて、今後の動向が注目される。
(文責:ふるりん