DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  SK、中日との激闘の末に準優勝

中日 6−5 SK  (日本・東京ドーム)
(勝)鈴木 1勝  (セーブ)岩瀬 2S  (敗)ロマノ 1勝1敗
本塁打) 中日 : 井上 3号、イ・ビョンギュ 1号  SK : キム・ジェヒョン 1号、イ・ジニョン 1号
 プロ野球アジアナンバー1チームを決めるアジアシリーズ2007の決勝戦は、予選リーグを3連勝した韓国代表・SKと、8日SKに敗れ2勝1敗で決勝に進出した日本代表・中日との対戦となった。日本代表と韓国代表との決勝戦は、千葉ロッテ−サムソンの対戦となった2005年以来2大会ぶり。試合はSKの先発がチーム最多勝(17勝)のレイボーン(元広島)、中日の先発が日本シリーズ第5戦で歴史に残る好投を見せた山井で始まった。

[試合開始前の選手整列。]


[4番打者イ・ホジュン(上)、イ・マンス首席コーチ(下)の応援ボード。]
 SKは1回裏1番チョン・グヌが四球で出塁し盗塁で2塁へ進塁すると、その後5番イ・ジニョンのタイムリーで1点を先制し、6番パク・チェホンもタイムリーを打ち1点を追加した。中日も2回表ロマノから6番井上の本塁打で1点を返す。SKは不安定な山井から追加点を取ろうとしたが、2回裏2死からチョン・グヌが2塁へ盗塁を試みたが失敗するなど、なかなかチャンスを作れない。
 中日は徐々にレイボーンを捕まえはじめ、5回表9番藤井のタイムリーで2−2の同点とすると、1番荒木の内野ゴロの間に3−2と逆転した。レイボーンは続く2番井端に死球を出したところで、8日の中日戦に先発し好投したキム・グァンヒョンにマウンドを譲った。これ以上点をやれないところでキム・グァンヒョンは2死満塁で3番森野を三振に切って取った。だが6回表中日はキム・グァンヒョンから5番イ・ビョンギュ(元LG)の2ランで5−2とリードを広げた。粘るSKもその裏山井から3番キム・ジェヒョンの本塁打で1点を返し、2点差とした。
 SKは7回以降チョ・ウンチョン、ソン・ウンボム、カ・ドゥギョムなど必死の継投で中日に追加点を許さない。すると8回裏、SKは中日の2番手岡本からイ・ジニョンの2ランで5−5の同点に追いついた。イ・ジニョンはこの試合3安打1本塁打3打点と大当たりだった。さらにこの回2死1,2塁と逆転のチャンスを作ったが、変わった中日の3番手鈴木に8番パク・キョンワンが三振に倒れ抑えられてしまった。中日は9回表SKの6番手ロマノ(元広島)から2死2塁のチャンスを作ると、井端がタイムリーヒットを打ち1点を勝ち越した。






[東京ドーム1階内野席3塁側SK応援席にて。]
 中日はその裏守護神岩瀬を登板させ、SKは3人できっちり抑えられ1点差を守りきり、中日が8日SKに敗れた雪辱を晴らし、日本代表が3大会連続優勝を達成した。SKは2005年大会のサムソン以来、韓国代表として2年ぶりの準優勝チームとなった。アジアシリーズMVPにはこの決勝戦で決勝タイムリーを打つなど4試合で7打点をあげ、ショートの芸術的守備で優勝に貢献した井端(中日)が選ばれた。

[来年こそは…!]

[試合終了後3塁側SK応援席の前に挨拶しに来たイ・ビョンギュ。]
 
 SKは惜しくも接戦の末に優勝を逃したが、アジアシリーズにこれまで韓国代表として参加したサムソンよりもずっと試合内容は素晴らしく、8日の中日戦では日本代表チームに大会3年目にして初めて土をつけるなど、投打ともに選手層が厚く、徹底したチームバッティング、打者や状況による細かい守備位置の変更など従来の韓国プロ野球のイメージを覆すものだった。これは在日韓国人で日本の野球を熟知したキム・ソングン監督、大田卓司加藤初、福原峰夫の3名の日本人コーチ、長年にわたるアメリカ留学から帰国したイ・マンス首席コーチなど、日韓米の頭脳を集結した首脳陣によるところが大きい。2000年に創立された若いチームなだけに、既存のチームにはない大胆な手法と人選で、今季は韓国シリーズ初優勝だけでなく、初めての国際舞台でその強さを遺憾なく発揮した。
 
 2008年の韓国プロ野球は、国内だけでなく国外でも強豪として認められ、チョン・グヌなど若い主軸選手が中心で、キム・グァンヒョンなど有望な若手も控えているSKが連覇するのか、あるいはそれを他のチームが倒すのかが大いに注目されるだろう。そして熾烈な優勝争いを勝ち抜いたチームが、今大会限りでスポンサーのコナミとの契約が切れてしまうため、今後どういう形で行われるかは未定だが、アジアシリーズなど国際大会で韓国勢として初の栄冠をつかむことを期待したい。