DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   2007年プロ野球開幕  王者サムソン、延長10回押し出しサヨナラ勝ち

 2007年のプロ野球が6日、各球場でセレモニーなどが行われ盛大に開幕した。各球団126試合の長丁場の公式戦を戦い、秋のポストシーズン進出を目指す。
トゥサン 7−8 サムソン  (大邱
(勝)オ・スンファン 1勝  (敗)チョン・ソンフン 1敗
本塁打)トゥサン : キム・ドンジュ 1号  サムソン : シム・ジョンス 1号
 2005,06年韓国シリーズを連覇した王者サムソンは、順調なスタートを切った。まず2回裏トゥサンの先発リオスから8番キム・チャンヒィのタイムリーで2点を先制すると、3回裏今季に復活をかける4番シム・ジョンスの2ランでリードを広げた。トゥサンも4回表サムソンの先発ブラウンから7番カン・ドンウ、8番アン・サンジュンのタイムリーで2点を返した。LGから移籍したアン・サンジュンは開幕をショートのスタメンで迎え、期待に応えた。
 リオスも4回以降立ち直り7回まで投げぬきサムソンに追加点を与えなかった。サムソンは8回から中継ぎの柱クォン・オジュンを投入したが、トゥサンは4番キム・ドンジュのタイムリー、5番ホン・ソンフンの犠牲フライで4−4の同点に追いついた。勢いに乗るトゥサンは9回表、サムソンの5番手アン・ジマンからキム・ドンジュの3ランで逆転する。トゥサンは万を辞して9回裏守護神チョン・ジェフンをマウンドに送るが、連打と四球で同点のピンチを招き、サムソンは代打パク・チョンホの2点タイムリー、1番パク・ハニの犠牲フライで7−7の同点に追いつき、試合は延長に突入する。
 サムソンは10回表守護神オ・スンファンを投入し、トゥサンを三者凡退に抑えた。するとその裏サムソンの4番手チョン・ソンフンから満塁のチャンスを作り、2番チョ・ドンチャンが四球を選び、開幕戦史上初の押し出しサヨナラ勝ちを収めた。チョン・ジェフン、オ・スンファンと両チームの守護神の出来が勝敗を分けた。ともに2006年は怪我や故障で納得の行くシーズンを遅れなかったシム・ジョンス、キム・ドンジュと両チームの主砲の復活を感じさせる活躍も目立った。

[復活を告げた2人の大砲、シム・ジョンス(左)とキム・ドンジュ(右)。]


SK 5−5 ハンファ  (大田)
本塁打)SK : イ・ジェウォン 1号、チョン・グヌ 1号
 キム・ソングン新監督就任以降若手を積極的に起用してきたSKは、イ・ジニョンなどの主力が開幕に間に合わなかったこともあり、キム・ガンミン、パク・チェサン、イ・ジェウォンなどの若手を開幕スタメンに並べてきた。ハンファの先発は2006年高卒新人で投手三冠王となったリュ・ヒョンジンだったが、SKは1回表3番に抜擢されたイ・ジェウォンがプロ初本塁打となる2ランを打ち先制する。ハンファもその裏SKの先発の新外国人レイボーン(元広島)から6番イ・ドヒョンのタイムリーで2-2の同点に追いつく。
 SKは6回表ベテランの5番パク・チェホン、若手の7番パク・チョングォンのタイムリーで2点を勝ち越し、この回途中でリュ・ヒョンジンは降板し開幕戦勝利はならなかった。レイボーンは5回を2失点に抑えたが、ハンファは6回裏SKの4番手ユン・ギルヒョンから9番キム・ミンジェのタイムリーで1点を返した。SKは9回表ハンファの4番手チェ・ヨンピルから9番チョン・グヌの本塁打で貴重な追加点をあげた。
 ハンファは9回裏、SKの6番手カ・ドゥギョムから3番の新外国人クルーズのタイムリーで5−5の同点に追いつき、試合は延長に突入した。SKはチョン・デヒョン、ハンファはク・デソン(元オリックス)、アン・ヨンミョン、クォン・ジュンホンのリリーフ陣が相手に得点を許さず、4時間40分にも及んだ接戦は12回終了時点で規定により引き分けとなった。両チームともに投手7名ずつを投入した総力戦だった。
   

ロッテ 6−0 現代  (水原)
(勝)ソン・ミンハン 1勝  (敗)キャラウェイ 1敗
 現代の先発キャラウェイ、ロッテの先発ソン・ミンハンはともに走者を許したが4回まで無得点に抑えていた。ロッテは5回表、キャラウェイから7番チョン・ボミョンの犠牲フライで念願の先制点を手に入れた。さらに6回表5番チェ・ギョンファンの押し出しの四球や6番パク・ヒョンスンの犠牲フライなどで3点を追加し、この回途中でキャラウェイは降板した。ロッテは7回表現代の4番手イ・ヒョンスンから1番チョン・スグン、2番イ・スンファのタイムリーで2点を追加した。
 ソン・ミンハンは気迫の投球で現代打線を8回無失点に抑え、最後は3年ぶりに兵役から復帰したかつての中継ぎの柱イム・ギョンワンが相手に反撃を許さず、ロッテが完封リレーで勝利した。ソン・ミンハンはプロ11年目にして初の開幕投手で見事勝利投手となった。現代打線は1番のベテラン外野手チョン・ジュンホ(田筇昊)が3安打と活躍したが、3番イ・テックンが無安打とブレーキ役だった。
 

キア 0−1 LG  (ソウル・蚕室)
(勝)パク・ミョンファン 1勝  (セーブ)ウ・ギュミン 1S  (敗)ユン・ソンミン 1敗
 LGの開幕投手はオフにFAでトゥサンから移籍してきたパク・ミョンファンだった。キアは2回表パク・ミョンファンから1死満塁と先制点のチャンスを作るが、9番キム・ジョングクは三振、1番イ・ヨンギュはセンターフライに倒れてしまった。LGは4回裏キアの先発で初の開幕投手となったユン・ソンミンから、8番チョ・インソンが2塁打で出塁すると、続く9番クォン・ヨングァンの内野ゴロを3塁のイ・ヒョンゴンがエラーし、その間にチョ・インソンが生還して1点を先制した。パク・ミョンファンは6回表も無死2,3塁のピンチを招いたが、ここは後続の3人を抑え降板した。
 LGはその後追加点を奪えず、キアは8回表1死満塁のチャンスを作ったがここもウ・ギュミンに抑えられてしまう。2006年守護神となったウ・ギュミンは9回表を三者凡退に抑え、LGが虎の子の1点を守りきり開幕戦で7年ぶりに勝利した。パク・ミョンファンは移籍後初勝利で、キム・ジェバク新監督にとってもLGでの初勝利となった。キアは拙攻が続きホームが遠かった。

(LGファンで埋まる蚕室野球場の内野応援席、前方はLGのチアガール)
(文責:ふるりん)