DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第2回 ハンファイーグルス

【2006年成績】 
67勝57敗2分 勝率.540 公式戦3位、韓国シリーズ準優勝

 2006年はWBC(ワールドベースボールクラシック)韓国代表をベスト4に導いた名将、キム・インシク監督のもと優勝争いを繰り広げ、公式戦は3位だったが準プレーオフでキアを、プレーオフで現代を破り韓国シリーズに進出したものの、1勝4敗1分でサムソンに敗れた。だが3度も延長戦にもつれこみサムソンはかなり苦戦し、下馬評以上のすばらしい戦いを見せた。

 優勝争いの原動力となったのは史上初の高卒新人で最多勝最優秀防御率最多奪三振、新人王、MVPの五冠王となった左腕リュ・ヒョンジンと、16勝をあげたベテラン右腕ムン・ドンファンだった。今季もこの2人を中心にローテーションを組むことになるが、リュ・ヒョンジンはすでにシーズン終盤からひじ痛などを抱え状態が悪く、12月のアジア大会でも日本相手に打ち込まれるなど2年目のジンクスに陥る可能性がある。また、ムン・ドンファンも35歳という年齢を考えると、2006年以上の活躍は臨むのは厳しい。
 また、今年41歳となる大ベテランの史上初の200勝投手ソン・ジヌは、左ひじ痛で当分登板することができない。かつてチームのエースとして活躍したチョン・ミンチョル(元読売)も35歳と、近年目立った成績を残せていない。このように不安の多い先発投手陣だが、新外国人の左腕セドリック・バワーズ(元東北楽天)、ヤン・フン、アン・ヨンミョンなどの若手に期待したい。中継ぎ陣の層も薄いものの、守護神ク・デソン(元オリックス)は今年38歳だが、以前と変わらぬ安定感でチームに勝利をもたらすと思われる。ハンファ3年目を迎えたチョ・ソンミン(元読売)は、ひじの手術を終え今季は現役生活続行を賭けた1年となる。

 不安な投手陣と違って、打線は元気だ。2006年8球団最多の110本塁打を放った爆発力は、投高打低の近年の韓国プロ野球では異色の存在だ。4番キム・テギュン、5番イ・ボムホと若き大砲2人が健在で、特に2006年はわずか13本塁打に終わったキム・テギュンの奮起に期待したい。長年活躍した外国人打者デービスが退団したが、その後釜はメジャー経験もある新外国人クルーズで、韓国の投手に慣れればデービスの穴を十分に埋められる。また兵役不正免除問題により30歳を超えて入隊したベテランのイ・ヨンウが復帰するのも大きい。
 2006年はチーム全体で65個と盗塁が少なかったが、すっかり主力打者となったコ・ドンジンが今年は30盗塁以上を目指し、攻撃パターンを多彩にしたい。守備の要はショートのキム・ミンジェで、WBC韓国代表にも選ばれたその守備力は折り紙つきだ。正捕手はシン・ギョンヒョンだが、かつて正捕手だったが故障で打力を生かし指名打者に転向したイ・ドヒョンが、故障が完治したため今季は捕手に再挑戦する。長打力のあるヨン・ギョンフム、キム・テワン、守備に定評のあるハン・サンフンなどの若手がレギュラー定着を狙う。

 不安の多い投手陣を、いかに打線の強化で補うかがハンファの最大の課題だ。名将キム・インシク監督の指揮のもと、1999年以来8年ぶり2度目の韓国シリーズ優勝はなるであろうか。

【本拠地】
大田(テジョン)・ハンバッ公設運動場野球場
大田広域市(ソウルから高速特急KTXで1時間弱、高速バスで2時間弱)、KORAIL・大田地下鉄1号線大田駅よりタクシー・市内バスで15分少々、大田地下鉄1号線中央路(チュンアンノ)駅からタクシー・市内バスで10分程度
(文責:ふるりん