現在現代ユニコーンズの買収に着手している農協だが、その労働組合が今回の買収劇を反対する立場を明らかにした。同労組は18日午前ソウル・KBO(韓国野球委員会)の本部がある野球会館前で、農協の現代買収反対デモを行い、ハ・イルソンKBO事務総長に声明文を手渡した。これによると、「農協中央会(本部に相当)は、組合員から預かった大事な資産を(赤字必死の)プロ野球経営にまわそうとし、農民たちの意思を無視している」とあった。
農協は現代ユニコーンズ買収のため、今週中には最大の株主で現代グループ傘下の「ハイニクス(半導体事業を展開)」との間で買収に関する覚書を交わす予定だったが、労組の猛烈な反対を受け、もう一度各方面からの意見を聞いて今後の方針を決めなおしたいということで、18日夜突如買収作業の中断を発表した。農協は先週中に球団買収額80億ウォン、ソウル進出の代金54億ウォンの合計134億ウォンを現代側に支払うことで合意していた。だが現代の球団フロントの退職金13億ウォンの問題で合意を見ることがないまま、買収作業が中断してしまった。
このまま農協による買収が暗礁に乗り上げてしまうと、プロ野球の2007年シーズンは最悪の場合現代を除く7球団で行われることになりかねなくなった。韓国プロ野球は1991年以来8球団制で行われてきたが、現代の空中分解の可能性という最悪の事態で球団数減少の危機にさらされている。なお、現代は1月20日からのフロリダ春季キャンプは予定通り行うことにしている。