DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2023 WBC1次ラウンド・プールB、3月9日より開始

 3月8日に1次ラウンドプールAの試合が始まった2023 WBCワールドベースボールクラシック)で、プールBの初戦・オーストラリア代表戦を翌日に控えたWBC韓国代表は会場となる日本・東京ドームで練習を行った。

 3月9日の韓国代表の予告先発コ・ヨンピョ(KT)、オーストラリア代表の予告先発はジャック・オロックリン(デトロイトタイガース傘下ウェストミシガンホワイトキャップス)と発表された。なおWBCにおいて韓国代表は2013年大会の1次ラウンドでオーストラリア代表と対戦し勝利している。

 WBC韓国代表は過去の2013年、2017年と2大会連続で1次ラウンドで敗退し、その初戦でともに敗れ、準優勝の2009年以来3大会ぶりの1次ラウンド突破に向けオーストラリア戦での勝利を最初の目標とし調整を重ねてきた。そのため、2020年東京オリンピック野球にも韓国代表として出場した経験を買ってアンダースローのコ・ヨンピョを先発投手に起用したと思われる。まずは初戦で勝利することで、目標となるアメリカ合衆国での準決勝進出に弾みをつけたい。

オーストラリア代表戦の予告先発投手コ・ヨンピョ(KT) https://www.chosun.com/sports/baseball/2023/03/08/ZNYDC5BUU5EA3MJ3DUNHHV3OAU/

 

【2023 WBC 1次ラウンドプールB 韓国代表日程】

試合会場は全試合東京ドーム。

3月9日12時:オーストラリア

3月10日19時:日本

3月12日12時:チェコ

3月13日19時:中国

プールBの2位以上になると3月15日16日準々決勝(東京ドーム)へ進出、プールA上位2チーム(台湾、オランダ、キューバ、イタリア、パナマ)のいずれかと対戦。勝利するとアメリカ合衆国フロリダ州・ローンデポパークでの準決勝(現地時間3月19日20日)に進出。決勝3月21日アメリカ合衆国東部時間)。

 

 

【2023 WBC韓国代表メンバー】

[投手]

キム・グァンヒョン(SSG) 28試合 13勝6敗 防御率2.13 153奪三振

コ・ウソク(LG) 61試合 4勝2敗42セーブ 防御率1.48 80奪三振

チョン・ウヨン(LG) 67試合 2勝3敗 防御率2.84 40奪三振 

キム・ユンシク(LG) 23試合 8勝5敗 防御率3.31 81奪三振

ソ・ヒョンジュン(KT) 27試合 13勝8敗 防御率3.05 117奪三振

コ・ヨンピョ(KT) 28試合 13勝8敗 防御率3.26 69奪三振

ヤン・ヒョンジョン(キア) 30試合 12勝7敗 防御率3.85 141奪三振

イ・ウィリ(キア) 28試合 10勝10敗 防御率3.92 130奪三振

イ・ヨンチャン(NC) 59試合 2勝3敗16セーブ 防御率2.08 61奪三振

ク・チャンモ(NC) 19試合 11勝5敗 防御率2.10 108奪三振

ウォン・テイン(サムソン) 27試合 10勝8敗 防御率3.92 130奪三振 

キム・ウォンジュン(ロッテ) 43試合 2勝3敗16セーブ 防御率3.98 60奪三振

パク・セウン(ロッテ) 28試合 10勝11敗 防御率3.78 146奪三振

クァク・ピン(トゥサン) 27試合 8勝9敗 防御率3.78 138奪三振

チョン・チョルォン(トゥサン) 58試合 4勝3敗3セーブ 防御率3.10 47奪三振

 先発投手は3月9日の緒戦のオーストラリア戦がコ・ヨンピョと発表され、2戦目となる3月10日の日本戦が誰になるか注目される。経験を買って35歳のヤン・ヒョンジョンか、2022年にひじの故障から復活し安定感抜群だった左腕ク・チャンモのどちらかであると思われる。1日おいて3月12日のチェコ戦、13日の中国戦の投手起用はこの2試合での結果次第と考えられる。リリーフの専門はコ・ウソク、チョン・ウヨン、イ・ヨンチャン、キム・ウォンジュン、チョン・チョルォンくらいで、あとは各チームで先発として起用されているものの国際大会は短期決戦の総力戦であり、さらにWBCはルールで投手の球数制限があるため、相手の打順や相性による臨機応変な投手起用となるであろう。

 

[捕手]

イ・ジヨン(キウム) 137試合 打率.267 2本塁打 37打点 1盗塁

ヤン・ウィジ(トゥサン) 130試合 打率.283 20本塁打 94打点 3盗塁

 捕手は2人だけで、先発は打撃の良いヤン・ウィジが基本となるが守備固めとして経験豊富な37歳のイ・ジヨンが控えている。

 

 

内野手

チェ・ジョン(SSG) 121試合 打率.266 26本塁打 87打点 12盗塁

キム・ヘェソン(キウム) 129試合 打率.318 4本塁打 48打点 34盗塁

オ・ジファン(LG) 142試合 打率.289 25本塁打 87打点 20盗塁

パク・ピョンホ(KT) 124試合 打率.275 35本塁打 98打点 5盗塁

カン・ベッコ(KT) 62試合 打率.245 6本塁打 29打点 0盗塁

※ キム・ハソン(サンディエゴパドレス) 152試合 打率.251 11本塁打 59打点 12盗塁 

※ トミー・エドマン(セントルイスカーディナルス) 153試合 打率.265 13本塁打 57打点 32盗塁 

MLBでの成績。 

 今回のWBC韓国代表で大きく注目されている選手として二塁のトミー・エドマン、遊撃のキム・ハソンとMLBの2人が守る二遊間である。ともに2022年はMLBゴールデングラブの候補に挙がり、これまでの練習試合でも鉄壁の守備を見せてきた。一塁手は36歳の2022年の本塁打王パク・ピョンホか23歳のカン・ベッコ、三塁手は36歳のチェ・ジョンと実績のある打者が先発を任されると思われ、二遊間の控えとなるオ・ジファン、キム・ヘェソンも実力は高い。

 

[外野手]

チェ・ジフン(SSG) 144試合 打率.304 10本塁打 61打点 31盗塁

イ・ジョンフ(キウム) 142試合 打率.349 23本塁打 113打点 5盗塁

キム・ヒョンス(LG) 141試合 打率.286 23本塁打 106打点 2盗塁

パク・ヘミン(LG)  144試合 打率.289 3本塁打 49打点 24盗塁 

ナ・ソンボム(キア)  144試合 打率.320 21本塁打 97打点 6盗塁 

パク・コヌ(NC)   111試合 打率.336 10本塁打 61打点 3盗塁

注:選手の成績は2022年。所属先は2023年3月時点。

 今回のWBC韓国代表で最も注目されるのがスーパースターに成長したイ・ジョンフである。2022年は2年連続首位打者、初の打点王でレギュラーシーズンMVP(最優秀選手)受賞と最高のシーズンを送り、近い将来のMLB進出を公言している。世界最高の舞台で光り輝き韓国代表を勝利に導くことが自身のステップアップにもつながる。父のイ・ジョンボム(元中日)も2006年大会で活躍し準決勝進出に貢献した。

 ほかにも国際大会での経験が豊富な35歳のキム・ヒョンスやパク・コヌ、2022年は打撃好調だったナ・ソンボム、守備走塁にたけたパク・ヘミン、25歳で成長著しいチェ・ジフンなど外野の層は厚い。

 

 

(文責 : ふるりん