DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第6回  LGツインズ 

 2017年は6位に終わり、2年連続ポストシーズン進出に失敗した。オフシーズンには早急にリュ・ジュンイル新監督の就任を発表し、さらなるチーム改革を推し進めた。2018年シーズンは2年ぶりのポストシーズン進出、1994年以来24年ぶりとなる3回目の韓国シリーズ優勝を目指す。


【投手陣】

〈先発〉 
ソーサ、△チャ・ウチャン、リュ・ジェグク、◎ウィルソン、イム・チャンギュ、キム・デヒョン、△イム・ジソプ
〈リリーフ〉
イ・ドンヒョン、△チン・ヘス、△ユン・ジウン、チョン・チャンホン、キム・ジヨン、チェ・ドンファン、△チェ・ソンフン、イム・ジョンウ

注 : ◎は新加入、△は左腕
 新戦力としては2017年までMLBメジャーリーグベースボール)・ボルティモアオリオールズに所属した外国人選手ウィルソンが注目される。まだ28歳と若く韓国でさらなる成長を遂げる可能性もある。その他は2015年から3年連続で2ケタ勝利と安定した成績を残す外国人選手ソーサ、左腕チャ・ウチャン、リュ・ジェグクなど実績のある顔触れが並ぶ。25歳のイム・チャンギュ、軍から除隊された22歳の左腕イム・ジソプなど先発の柱への成長を期待される選手たちも控えている。
 リリーフは比較的層が厚いが、抑えの切り札不在で2017年はチーム防御率が10球団中最低だったにもかかわらず6位に終わった要因の一つとなった。私生活で問題があったとされるイム・ジョンウの復活が待たれるが、抑えの日替わり起用も予想される。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.アン・イックン(中) △
2.キム・ヒョンス(左) △◎ 
3.パク・ヨンテク(指) △ 
4.ガルシア(三) ◎ 
5.ヤン・ソックァン(一)   
6.ユ・ガンナム(捕)
7.イ・ヒョンジョン(右) △
8.カン・スンホ(二) 
9.オ・ジファン(遊)  △ 

〈控え〉
(捕手) チョン・サンホ、キム・ジェミン
(内野手) キム・ジェユル、△ソ・サンウ、△パク・チギュ、ペク・スンヒョン、ユン・デヨン
(外野手) △キム・ヨンウィ、ムン・ソンジェ、チェ・ウンソン、△イ・チョヌン

注 : ◎は新加入、△は左打者。

 最大の補強としては、2015年までトゥサンの主力野手として活躍し、2016年よりMLBボルティモアオリオールズフィラデルフィアフィリーズで活躍したキム・ヒョンスがあげられる。同じ蚕室野球場を本拠地とするチームの顔だった選手と4年総額115億ウォンの超大型契約を結んだ。打順は流動的だが、4番打者に新外国人選手でこれまたMLBアトランタブレーブスに在籍したガルシアが座り、38歳になっても衰えを知らない生え抜きの主力野手パク・ヨンテクとの兼ね合いで決まると思われる。
 キム・ヒョンスとガルシアの入団で、既存の在籍野手たちはさらに発奮しなくてはならない。2016年に引退したイ・ビョンギュ(元中日)以来レギュラーが登場していない外野のセンターの候補としては、22歳となった若手アン・イックンがあげられる。
 最大の懸念材料は、2010年からショートのレギュラーとして活躍し、27歳を過ぎたが軍への入隊を先伸ばしてきたオ・ジファンに期限が迫っていることである。その代役候補としてペク・スンヒョンなどを起用できるようにしたい。
 ともあれ、2017年は全体的に不調だった攻撃力の向上が2年ぶりのポストシーズン進出のカギを握る。

 
 かつて2011年から2014年までサムソンで韓国シリーズ4連覇を達成したリュ・ジュンイル監督は、これまで全く未知のLGで初めて指揮を執る。不安は大きいが既存戦力は他チームと見劣りはせず、補強した選手たちや若手を融合させ、LGでも黄金時代を築けるかその手腕に注目が集まる。


本拠地
 ソウル・蚕室野球場

 韓国最大級の野球場は、LGのみならずトゥサンの本拠地でもある。1982年創設のMBC青龍の時期からソウル特別市を本拠地としていることもあり、「ソウルの地元球団」を前面に押し出してきた。試合中にもよく「ソウル賛歌」が流されるし、ファンたちも合唱する。トゥサンもそれに対抗するため、球団エンブレムにアルファベットで「SEOUL」という文字を入れてはいる。毎年5月5日、こどもの日はデーゲームでLG−トゥサンの対戦が組まれ、ソウルの野球ファンを二分する特別な一戦ということで大いに盛り上がり、球場全体が赤のLGファンと白のトゥサンファンに分かれ、独特の雰囲気に包まれる。
 人気球団ということもあり、グッズショップは狭いながらも品揃えが豊富で眺めているだけで楽しい。Tシャツなどのデザインも凝っていて、2〜3万ウォン程度で購入できる。またユニフォームの名前や背番号のプリントサービスも行っている。








[交通アクセス]
 ソウルメトロ2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、ソウルメトロ2号線などで約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からはソウルメトロ2号線・9号線で10分前後。金浦空港からは地下鉄9号線・急行で40分程度。高速鉄道SRT・水西(スソ)駅からは盆唐(プンダン)線・ソウルメトロ2号線で約20分。

(文責:ふるりん